伊勢神宮参宮旅行から早や一週間が経ちました。

 

そのちょうど一週間前の12月6日、外宮・内宮での御垣内参拝のあと、神楽殿で新穀感謝祭に参列させていただき、引き続き神宮会館に会場を移して御招宴の栄にあずからせていただいたのですが…。

 

 

伊勢神宮崇敬会より参加者全員に記念品が授けられました。

 

 

神宮舞楽「納曽利(なそり)」の陶額と、彫金製の干支絵馬と、御紋菓を拝戴いたしました。

 

 

舞楽「納曽利(なそり)」の陶額は素晴らしいですよね~♪。

 

これは非売品でして、毎年神宮舞楽の題材の中から選んで謹製され、伊勢神宮新穀感謝祭に参列した者にだけ授けられます。

 

 

添えられた説明書には、水谷桑丘画伯の絵画をもとに謹製とあります。

 

 

その、神宮舞楽「納曽利」を間近で見ることが出来たのは、4年前の11月に神社庁石川支部の参宮旅行で、皇大神宮(内宮)別宮の倭姫宮(やまとひめのみや)の秋の大祭に参列した時です。倭姫宮は神宮徴古館の真ん前に参道入り口があります。


倭姫宮は、内宮外宮あわせて十四別宮あるうち、大正12年にご創建にされた一番新しいお宮です。

この日11月5日は秋の大祭ということで、我々は特別に参列させていただくことになったのですが、秋の大祭は倭姫宮の恒例祭には入っておらず、倭姫宮杖代奉賛会の主催する大祭となっております。

御杖代(みつえしろ)とは、天照大御神の御杖代となって、皇大神宮ご創建にご功績のあった倭姫宮(やまとひめのみこと)をお祀りしていることに因みます。
 

 

午前10時の祭典開始15分前に、我々は特設テント内で待機いたしました。
 

 

右隣の新御敷地(しんみしきち)には、この年(平成26年)12月10日に遷御の儀(せんぎょのぎ)を迎えるばかりとなった新宮(にいみや)が、覆屋におおわれておりました。
 

 

時刻、祓所で修祓の儀がおこなわれ、斎主以下祭員、神饌の入った唐櫃を奉担(ほうきょ)する所役の方、最後に宮掌(くじょう)が続いて参進しました。

宮掌とは、神宮の職制では最下位の神職で、一般の神社では出仕(しゅっし)のことです。神宮では、大宮司→少宮司→禰宜→権禰宜→宮掌の順となります。

 

一方、修祓(お祓い)を終えた楽師さんと舞楽の舞人・舞姫さん達は、いったん宿衛屋(しゅくえいや)で待機します。

この時点では、舞人はまだ舞楽面を付けていません。
 

 

祭典中、玉串拝礼のあと御神楽の奉納がなされました。
 

 

神楽殿での別大々神楽と同じ、舞姫四名による神宮「倭舞」です。
 

 

そして、最後のクライマックスは、舞楽の「納曽利(なそり)」でした。
 

 

この裲襠(りょうとう)装束がいいですよね。舞楽には、左方の唐楽(とうがく=中国より伝来)と、右方の高麗楽(こまがく=朝鮮半島より伝来)に分かれ、その他に、国風歌舞(くにぶりのうたまい)といって、日本古来の御神楽(みかぐら)があります。

 

舞楽を上演する場合は、番舞(つがいまい)といって決まりがあります。左舞の蘭陵王の場合は、右舞の「納曽利(なそり)」とセットで上演するのが基本です。

 

 

先述のとおり、番舞(つがいまい)は、唐楽(とうがく)・左舞である蘭陵王、そして高麗楽(こまがく)・右舞の納曽利の順に舞うのが正式なのですが、この時は納曽利だけ舞われました。

 

 

装束は、蘭陵王が、朱色のあざやかな竜の唐織りの裲襠(りょうとう)装束、納曽利は毛べりの裲襠装束(緑系)に身をつつみます。

 

左方(さほう)と右方(うほう)をそれぞれ代表する演目ですが、装束の色でも視的に違いを表現しています。

 

 

ここで、蘭陵王についてもくわしく説明しますが、蘭陵王・長恭(らんりょうおう・ちょうきょう)は実在の人物で、中国の歴史書資治通鑑(しじつがん) 』には…。

 

北斉(ほくせい)の蘭陵王・長恭は、才、武(たけ)くして貌(かんばせ=顔)美しく、常に仮面を著(つ)け以(もっ)て敵に対す

 

とあり、くわしく説明しますと…。

 

6世紀の中国、無能な皇帝の統治のもと、北斉は西に北周、南に陳、北に遊牧国家の突厥(とっけつ)と、三方を強敵に囲まれる内憂外患(ないゆうがいかん)をかかえていた。

 

後世の歴史書にその美貌と知勇を称えられる北斉の皇族・蘭陵王は、戦えば必ず勝つという活躍で傾きかけた国を必死で支えてきたが、皇帝の嫉妬をかい、やがて悲劇が訪れる…。

 

というもので、蘭陵王は中国史に輝く“仮面の貴公子”だったのです。


 

 

若き将軍・蘭陵王は、美しすぎる顔を隠すために仮面をつけて戦場を疾駆(しっく)したんですよね~。

 

そのイケメン将軍の勇ましい姿を舞曲にしたのが舞楽の蘭陵王で、右手に金色の桴(ばち)を持ち、活発な動きで勇壮に舞う一人舞の走舞(はしりまい)です。

 

 

さて、話を元に戻しますが、12月6日の神宮会館大講堂での御招宴が終了し、1階にある売店で参拝記念品を購入しました。
 

 

「倭舞(やまとまい)」の陶額です。

 

これは、一昨年の新穀感謝祭に参列した時の記念品でやはり非売品だったのですが、2年経って神宮会館で3,500円にて受けることができるようになりました。

 

この陶額は、、当社の初詣で昭和初期より90年近く続く伝統の「新春福引」景品の、最高賞とするため購入いたしました。

 

 

「倭舞(やまとまい)」の陶額の元となった絵画は、神宮会館大講堂前に掲げられております。


平成25年秋におこなわれた「第六十二回神宮式年遷宮」を記念し、その前年に大講堂が竣工されたのですが、この時、鳥居禮画伯により「皇大神宮倭舞の図」が献納されたのでした。

 

 

で、昨年の伊勢神宮新穀感謝祭の記念品は、同じ鳥居禮画伯の絵画をもとに謹製された「胡蝶舞(こちょうまい)」でした。

 

 

それで、神宮新穀感謝祭の記念品は、一昨年より神宮舞楽をモチーフにしたものになりましたが、それまでは、干支にちなんだ陶額でした。


はじかみ神主のぶろぐ

 

更にそれ以前は、その年の新穀祭での神楽殿で奉奏される舞楽を題材にした絵皿で、このシリーズは今でも内宮・外宮の授与所や神宮会館の売店で求めることが可能です。

 

 

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