今日は、旧鳥越村役場すぐ近くに鎮座する、白山市別宮町・白山別宮神社の新嘗祭を午後1時より奉仕いたしますが、昨日は、午後2時に金沢市榎尾町・八幡神社、続いて同市深谷町・山王神社の新嘗祭を奉仕いたしました。
画像は、祭典開始15分前に撮った深谷町・山王神社の社叢です。
それで、この集落は神社より奥は深い谷が続いているので「深谷(ふかたに)」というのですが、埼玉県深谷市(ふかやし)や、同県の熊谷市、それに東京の渋谷、四谷、市ヶ谷、千駄ヶ谷などのように「谷」を「や」と訓読みするのは、関東地方から東北地方にかけての古い方言「やつ」「やち」に由来しているといわれています。
この「やつ」「やち」とは、土地が低くてじめじめしている場所を表すことばで、「谷(たに)」も周りに比べて土地が低く、谷川などが流れていることが多いので、「やつ」「やち」ということばと「谷」という漢字が結びついたものと思われます。
というわけで、「谷」を「や」と読むのは東日本の方言ということになります。
なので、「渋谷」という地名は東京では「しぶや」と読みますが、関西地方では「しぶたに」と読みます。
「谷」を「や」と読むなんて、なんの変哲もない読み方ですが、こんなところに方言が隠れていたというわけです。
ちなみに「谷」の音読みはコクです。
他にも、阿佐ヶ谷、世田谷、入谷、谷中、富ヶ谷、幡ヶ谷、祖師ヶ谷、日比谷etc…。
で、全国の駅名を調べた方がいて、「谷」がつく駅名は160程あり
このうち「や」が110程、「たに」が50程で残りは「せ」「こく」と読むとのことです。
「や」の内訳を見ると、長野県より東にある地域が100、西が10程度で、圧倒的に東側が多いのです。
一方、「たに」と読むのは西が43、東は7で、これは西側が圧倒的に多いのです。
これを見ると「谷」の読み方は、東日本が「や」、西日本は「たに」ということになります。
で、当県のお年寄り達は、「谷」を「たん」と呼び、この金沢市深谷町(ふかたにまち)も故老は「ふかたん」と発音します。
当県の河北郡津幡町浅谷(あさんたに)は「あさんたん」、やはり同町八ノ谷(はちのたに)は「たちのたん」と発音しますが、これは富山県にも言えることです。
羽黒宮司さんのブログにも書かれているように、当県珠洲市熊谷町(くまんたにまち)は、当地では「くまんたん」と発音しています。
ちなみに、神奈川県の丹沢(たんざわ)の「丹」も谷の意味です。
丹沢の丹は、朝鮮の古語で谷を意味し、沢は流れを意味する言葉だそうで、今から1500年前には朝鮮から多くの人が日本に移り住み、彼らの言葉の多くが日本語になっているので、これもそのうちの一つと考えられます。
なので、古代、アジア大陸との交流により文物・技術がもたらされ、北陸地方に独特の文化圏を形成した当県や富山県が、谷を「たん」と発音すのは、.環日本海文化のなせるものかもしれません?。
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