昨日の午後4時過ぎ、南東の空に薄れゆく飛行機雲を見つけました。まあ、みなさんも何度も見たことがあると思いますが…。
飛行機雲は、飛行機の航跡に生成される細長い線状の雲のことで、ジェット機などのエンジンから出る排気ガス中の水分、または翼の近辺の低圧部が原因となって発生します。別名航跡雲(こうせきうん)ともいいます。
「ひこうき雲」といえば、ユーミン(松任谷由美)の旧姓・荒井由美の時代のファーストアルバムで、2枚目シングル「きっと言える」のB曲面だったんですよね。
今大ヒット上映中の、スタジオジブリ・宮﨑 駿監督のアニメ映画「風立ちぬ」の主題歌に採用され、オリジナル盤発売から40年経って、ふたたび曲もブレークしています。
なお、三鷹のスタジオジブリをくわしく知りたい方は、私の過去のブログ・江戸見物・ミーハーおばさん奮戦記 をご覧ください!。
でもね~、私的にはユーミンといえば、映画「私をスキーに連れてって
」の挿入歌で多く使われたアルバム「SURF&SNOW」なのです…。
「サーフ天国、スキー天国」
「恋人がサンタクロース」
「ロッヂで待つクリスマス」
「A HAPPY NEW YEAR」
「BLIZZARD」
どれも映画のシーンに合ったいい曲ばかりでした。ユーミンは、毎冬、苗場でコンサートをしてますものね。
映画には関係ないけど、昔JR東海の東京発大阪行きの最終便に対して付けたキャッチフレーズで、このCMソングにもなった「シンデレラ・エクスプレス」も大好きでした。
で、映画の中で、「とりあえず」という言葉が多く使われています。
「とりあえず」は写真を撮る時発する言葉で、当時流行しました。「チーズ」というよりもいいかも。ちなみにワシは神主なので、「スルメ」と言っています。
映画「私をスキーに連れてって」では、小杉役の今は亡き沖田浩之が水中カメラを手にして言ってましたよね。映画の中では「とりあえす」は5回登場します。〔※なお、以下の画像はクリックすると全て拡大します!〕
バブル景気とリゾート開発に浮かれていた時代、ホイチョイプロ製作で馬場康夫監督がメガホンを握(と)ったこの映画は、スキーブームの火付け役ともなりました。
イブに志賀高原・焼額山(やけびたいやま)で、矢野役の三上博史たち中学の同級生グループと、会社の同僚である池上優(原田知世)と恭世(鳥越マリ)が出逢って、ストーリーは展開されます。
なお、焼額山の奥には、奥志賀高原スキー場があります。
ゲレンデのスキーのヘタな男たちの中で、颯爽と格好良く滑ってくる矢野(三上)に向けて、優(原田知世)は「バ~ン」と指で形をつくったピストルを撃つと、前のめりに矢野が転びます。これが最初の出逢いとなります。
三上の動揺を悟ったバイクショップ経営の小杉(沖田)は、防水カメラを優(原田知世)に向け、「とりあえず」と言ってパチリと写し、「すてき~」と発するのです。
昭和62年に封切られた、当時のパンフレットです。
よくもまあ保存してたものですね!。
そして、偶然ペアリフト(西武系列ではロマンスリフトといいます)で乗り合わせた2人。
優(原田知世)が「バ~ン」と言って気を引かせ、矢野(三上)は「ターンの時ね、内足(ないそく)をひきつけるだろ、あの癖やめた方がいいよ。こうやって足持ち上げて引きつけると腰が後ろに下がっちゃって、ポジションも後ろに行っちゃって、スピードが出たときにコントロールできなくなっちゃうんだ」といきなり滑りのアドバイスをはじめるのでした。
矢野(三上)、佐藤真理子(原田貴和子)、ヒロコ(高橋ひとみ)、外科医の泉和彦(布施博)が面白楽しく一緒に滑るシーンです。
ここで、ユーミンの「恋人がサンタクロース」が挿入歌として流れます。
真理子(原田貴和子)とヒロコ(高橋)に、「アプローチされて嬉しくない女の子なんていないよ」と矢野(三上)はアドバイスされ、「東京でまた逢えないかなぁ」と電話番号を聞き出す場面です。
優(原田知世)は、矢野(三上)に彼女がいるのだと思い込み、ウソの電話番号を教えるのでした。
ロッジでのパーティー場面で、バニーガール姿のヒロコ(高橋ひとみ)です。泉(布施)もオシャレにタキシードを着こなしています。
もちろん、流れる曲は、ユーミンの「ロッジで待つクリスマス」です。
大晦日の晩、万座の宿で立体地図を見ながら矢野(三上)は、「志賀~万座って、直線で2キロなんだな」と冬季閉鎖中のルートを見てつぶやき、「5時間かけてふられに行くんじゃバカだよな」と捨て台詞(ぜりふ)を言うなり、優(原田知世)のいる志賀高原一の瀬へ、菅平(すがだいら)経由で遠回りして逢いに行きます。
「A HAPPY NEW YEAR」のBGMが流れ、「キーを貸してくれない」と優(原田知世)が万座へ向かおうとした矢先、矢野(三上)と駐車場で出くわしたのでした。
そこに丁度、年越しを祝う花火が…
矢野(三上)「聞き間違えちゃったみたい、電話、番号」「やっぱり、聞き間違えじゃなかったのかな?」…
優(原田知世)「あの…、あけましてめでとうございます」「今年もよろしくおねがいします」…と、交際が開始されるのでした。
これが、映画で一番の名セリフ「凍ってるね」の場面です。真理子(原田貴和子)が雪道を気合いを入れて走る前にクルマのドアをあけて路面を触り、発するセリフです。相手のヒロコ(高橋)は嬉しそうに「うーーん」と応えるのでした。
セリカGT‐fourで志賀高原横手山から万座まで、スキー&ウェアーの統一ブランド「SALOT」を届けるため、車で出発しますす。
私も当時、スキーへ出掛ける際はこれを真似て、クルマのドアを開けて「凍ってるね」と路面をさわり、すかさずユーミンの「サーフ天国、スキー天国」をかけたものです。でも最近はオジザイルになって、あまり行かなくなりました…。
映画のパンフレットに、撮影秘話も載せられていました。
パンフでは、春まで冬季閉鎖中の志賀~万座ルートを説明しています。
これを、横手山山頂から万座まで夜間に滑るとはあまりにも危険で無謀です。このクライマックスシーンに流れる曲は、当然「BLIZZARD」です。
映画の中で登場する、板・靴・ウェアに至る世界発の統一コーディネーター「SALOT」ですが、おそらく、「SALOMON」と「SKOTT」を混合した造語です。
ゴーグル&ポールは「SKOTT」、セーター「BOYA」、ウェアー「PHENIX」、スキー「ROSSIGNOL(ロシニョール)」、ブーツ「LANGE」、ビンディング「LOOK(ルック)」でした。
でも、今見るとスキーウェアのデザインも古いですよね。金沢市では小学校高学年になるとスキー遠足というのがあって、参加する前にわが子にスキーの手ほどきをしようと奮戦するお父さんお母さんをこの時期スキー場で多く見かけますが、大抵はこの当時流行したウェアを着ていて、タイムスリップした感覚になります。
出演者のプロフィールですが、みな若いですよね。
バブル全盛のこの頃はスキーブームで、「リゾート開発」も華やかかりし頃でしたが、現在はリゾート地にペンペン草が生え、テーマパークも多くが閉鎖に追いやられましたよね。
ですが、ひこうき雲の話が、私をスキーに連れてってになってしまって申し訳ありませんでした。
最後にこんな素敵なひこうき雲で終わらせていただきますね。