昨日はお彼岸だったので、女房は前日から小豆を炊いていました。小豆は、昨年の新嘗祭(にいなめさい)にお供えされたものです。
御霊舎のご先祖様にお供えするために、「掻餅(かいもち)」を作ったのです。
金沢では昔から、牡丹餅(ぼたもち)や御萩(おはぎ)のことを「掻餅」と古い呼び名で呼ぶのですが、そもそも掻餅は、『宇治拾遺物語』に「かいもちひ」との記述がありますから、都から伝わった言葉のようです。
なお…。
春は、牡丹(ぼたん)の花に見立て、「牡丹餅」。
夏は、ボタモチは餅と作り方が異なるため、「ペッタン、ペッタン」のような音を出さずに作ることが出来るので、隣に住む人には、いつ搗(つ)いたのか分からない。そこで、「搗き知らず」→「着き知らず」と言葉遊びをして、夜は暗くて船がいつ着いたのかわからないことから、「夜船」。
秋は、萩(はぎ)の花に見立て、「御萩」。
冬は、夜船と同じように、「搗き知らず」→「月知らず」と言葉遊びをして、月を知らない、つまり月が見えないのは北側の窓だ、ということから、「北窓」。
と季節によって呼び名が変わるのです!。
さて先日、出入り業者のN神祭堂の専務さんが、神社での折り畳みイスである胡床(こしょう)を届けてくれたのですが、ついでに、耐水紙の在庫が切れたので注文しようと値段を聞いたら、以前は100枚で7千円だったのに今は1万2千円以上するとのことで、あきらめました。
それで、氏子で印刷会社に勤めていて定年になったFさんに、その伝手(つて)でナイロン混じりの耐水紙を紙問屋に注文してくれるようお願いをしたら、一昨日送られてきました。
東京から送られて来たので、送料が2千円かかりましたが、それでも250枚で1万7千円ほどでした。大きさはB2と結構大きいんですよね!。
B2はB4の4倍の大きさです。
ということで、春祭りも近いので、さっそくこの耐水紙で注連縄(しめなわ)などに下げる紙垂(しで)を裁(た)ってみました。
ですが、風雨に強い耐水紙ではありますが、糊付け出来ないのでホッチキスで折り目を留めなきゃならないんですよね。
当社の例祭(春季大祭)は4月11日なので、鳥居や拝殿向拝、摂社、末社、社務所、遙拝所、宮司宅玄関用の紙垂を作りました。
社務所床の間の御幣も新しくしました。この御幣は大祭での「振幣の儀(ふりへいのぎ)」に使用します。
これは奉書(杉原紙)で謹製したもので、社家である当家に代々伝わる「逆さ御幣」であります。
兼務神社各社の鳥居用紙垂も裁ちました。
ジュート麻ひもで先端を結びます。
こちらは、杉原紙で作った手水舎用の紙垂です。
先に小穴を開け、元結(もっとい・もとゆい)という紙紐または水引を通してこのような状態にします。元結は日本髪の髻(もとどり)を結ぶもので、「文七元結(ぶんしちもっとい)」という人情噺(にんじょうばなし)の落語がありますよね!。
今日は戌の日で大安なので、これから安産祈願(腹帯のお祓い)を行う予定です。
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