昨日は宮司を兼務する、白山麓の秋祭り3社をおつとめいたしました。
まず向かったのは、旧河内村である白山市河内町福岡の佐野神社です。福岡区の戸数は90戸で、旧河内村では最大の集落ですが、地内には藤ヶ丘と桐の里という住宅団地もあり、合わせると白山麓では最大の家数を誇ります。
秋季祭祭典を前に、集会所前で造り物(つくりもん)と奉担(ほうきょ)する若い衆をお祓いしました。今年の造り物は「酒呑童子(しゅてんどうじ)」でした。酒呑童子は、丹波国の大江山、または京都と丹波国の国境の大枝(老の坂)に住んでいたとされる鬼の頭領のことです。
造り物は、高さ5メートルほどの巨大人形の山車で、これを担いで氏子町内を練り歩きます。造り物は人形師が作るのではなく、若い衆が毎年テーマを決めて1ヶ月ほどかかって手造りするのです。
白山市鶴来地区の金劔宮の秋季祭礼であるほうらい祭り (白山市無形民俗文化財)での造り物が有名ですが、白山麓の比較的大きな集落でも出されます。
なお、造り物の数々をご覧になりたい方は、ほうらい祭りの造り物
をクリックしてください!。
集会所の前では、露天商の代わりに町内会で子供用のくじ引きなどをおこなっていました。
佐野神社です。豪雪地帯なので、旧郡役所が雪に比較的強い「神明造り」を奨励したこともあって、この造りの社殿が白山麓には多いのです。
祭礼の晩、神社境内で盆踊りをおこなうので、櫓(やぐら)が組み立てられております。白山麓では、秋祭りの晩に神社境内で盆踊りをするところがけっこうあります。
社殿内ですが、とても広くて立派な神社です。
村内からたくさんの人達が参列されて、いっぱいになりました。
次に向かったのは、旧鳥越村で今は白山市となった柳原町という村落です。旧鳥越村役場のある別宮町より大日川本流に沿う県道44号線を右に折れ、支流の堂川に沿った上流域にあります。
現在はわずかな家数しか残っていなくて、年1回の秋季祭に移住した方々も集まって、お祭りをおこなっています。
最後の秋季祭は、堂川上流の限界集落である五十谷町です。
かつては22戸あった集落も急速に過疎化が進み、みな金沢や周辺市町に移住してしまい、今の家数は農家1戸、蕎麦屋1戸、別荘1戸というのが現状です。ですが、ここも先ほどの柳原町同様に、年1回、村を出た人達が集まって祭礼をおこなっているのです。
この神社のシンボルは、何と言っても県の天然記念物である「五十谷の大杉」です。案内看板には樹齢1200年となっておりますが、石川県巨樹の会による最近の調査では、樹齢1300年を超えることが判明いたしました。
では、この後は何の説明もいたしませんが、天然記念物・五十谷の大杉の威容をたっぷりとご覧ください!。
過疎の村のはずなのですが、連休とも重なり、加えて「白山鳥越そば祭り」も開催されていたこともあって、ひっきりなしに観光目当ての車が訪れます。で、決まってカメラ片手にこの大杉を見て、みな「すげ~!」を連発して行かれました。
いったん人が離れていった村なのに、蕎麦屋さんと大杉のお蔭で、たくさんの人達が手を合わせていく姿を見て、皮肉なものだな~と痛感した次第です。
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