昨日は、台風が来るとのことで朝から神社の戸締まりを厳重にしたのですが、何の被害もなくて良かったです。また、秋の交通安全運動も始まりましたので、私は警察官の格好で地元小学校の前で交通整理をおこなったのですが、雨でびしょ濡れになってしまいました。
さて、金沢の祭礼では、神社の周辺や氏子町内の辻々に絵行燈(えあんどん)を掲げる風習があります。これは、当社の裏参道前に掲げられたものですが、氏子のイラストを趣味とされる方が描いたものです。
一方こちらは、先日秋祭りがおこなわれた隣町の今町のものですが、看板屋さんに武者絵を描いてもらったものです。でも、面倒なのか、行燈を出さなくなった町内会が増えています。
また、金沢市民の台所である近江町市場では、毎年10月12日~17日に大行燈まつり が開催され、八百屋さんだと大黒さま、魚屋さんだと恵比寿さまなどの絵が描かれた小行燈(こあんどん)が各店の前に掲げられます。やぱり、祭りの絵あんどんはいいものですよね!。
で、これは昨年記録したものですが、近江町市場の鮮魚通り口には一番大きな大行燈が掲げられておりました。「一本刀の土俵入り」ですよね。
実は、当社にもこの大きさの大あんどんがあるのですが、あまりにも大き過ぎて50年に1度の式年大祭の時だけ組み立てられます。9年前の平成14年に1300年祭が斎行された際に復活させました。その時は、NHK大河ドラマの「利家とまつ」を絵師に描いてもらいました。
で、これまで行燈紙は、彦三町にあったシキナミ和風内装という会社で買っていたのですが、数年前に松島町に移転してしまったので、現在は、近江町いちば館ビル1Fにある老舗紙問屋あらきで和紙を購入しています。
これが、当社であんどん紙として使っている、太平楽という和紙ですが、1枚260円もするのです。
それで、昨日は台風通過まで家の中でおとなしくあんどん紙の用意をしたのです。ますは、この和紙を裁断して、糊付けして、133cm×65cmの中あんどんの大きさにします。
小あんどんは、57,5cm×33cmに裁断して20枚作りました。
なお、これは杉原紙という奉書で、祝詞を書いたり三方に敷いたりします。
こちらは、小あんどんの骨組みですが、糊を付けて絵を貼るのです。
あんどんの側面には、「天下泰平」や…。
「五穀豊穣」などと墨書された紙を貼り付けます。
最後は、表に絵を貼り、スプレーで水を吹きかけ乾かします。
当社では、毎年秋祭りが近づくと、「子供あんどんコンテスト」というものを実施しており、氏子の小学校の高学年の子供たちに絵を書いてもらって、氏子総代会で審査の上、金賞、銀賞、佳作と、宵宮祭の日に表彰式をおこない、賞状と副賞を授与します。ですが、エントリーした児童全員に参加賞をお渡ししております。
以前は、看板屋さんに描いてもらっておりましたが、10年前から氏子の子供達に描いてもらうようになりました。今年も、10月の秋季大祭にむけて児童にエントリーを募集します。青少年の育成教化にもつながりますよね
秋祭りの期間中、夜はあんどんにロウソクが灯されます。これは昨年、小あんどんの部で銀賞を受賞した「スティッチ」の絵です。
中あんどんの部で金賞を受賞した「リロ&ステッチ」の絵です。子供なので、ディズニーやサンリオ、スタジオジブリなどのキャラが多いです。
そして、あんどん紙を裁断した切れ端はどうするかというと、祓幣(はらいぬさ)やシメ縄用の紙垂(しで)に転用するのです。
本来、御幣や紙垂を切る場合は裁ち包丁を使うのが本筋で、私も若い頃はこれを使ってたのですが、研ぐのが面倒なので今はカッターを使用しています。ですから、切るというよりも、裁つと言った方が良いのかもしれません。
御幣や紙垂を裁つ場合は、潔斎(けっさい)してから裁断します。精進潔斎とは、「慎み深いものだけを飲食し、行いを慎み、心身を清浄にすること」ですが、おかゆだけ食べるのは遠慮したいので、湯に浸かって身を清めました。
伊勢神宮や明治神宮など大きな神社には、潔斎所というものがあります。厳密に言えば湯船なんですが、毎朝、神に仕える神職や巫女(舞姫)、伶人(楽人)などは、ここで身を清めますが、けっしてシャンプーや石鹸を使ってはいけないのです。
また、明治神宮などでは、禊場(みそぎじょう)というものがありますが、当県の加賀一ノ宮・白山本宮の白山比咩(しらやまひめ)神社にも、3年前に御鎮座2100年祭記念事業の一環として禊場が建設されました。
その時は、禊のスペシャリストである先輩の、東京都神社庁練成行事道彦(導師)で、板橋・氷川神社のS宮司を講師に迎えての杮落としがおこなわれたのですが、私も神道青年会の若い衆に負けじと参加しました。ですが、11月終盤とはいえ、白山伏流水は寒かった~!。もちろん、その後は鎮魂行法(ちんこんぎょうほう) もおこないました。
潔斎した後、和紙を裁って幣(ぬさ)づくりです。
幣の先に小穴を開け、元結(もっとい・もとゆい)という紙紐または水引を通してこのような状態にします。
祓串(はらえぐし)に金銀の水引でくくって、祓幣の格好になってきました。祓幣は、大麻(おおぬさ)または大幣(おおぬさ)ともいう祓具です。
そして、麻苧(あさお)を用意して…。
これを、シメ縄を綯(な)う時と同じ、逆綯え(左綯え、時計廻り)にして麻紐をつくります。通常、農事用の縄などのは右綯えですが、神聖な縄なので、逆綯えとするのです。
先ほどの祓串(はらえぐし)に麻苧(あさお)を取り付け、綯(な)った麻紐できつくしばって、大麻(おおぬさ)の完成です。これは、秋祭りの神輿渡御(みこしとぎょ)の際に使う祓具となります。
和紙でつくったので、左右左とお祓いする時は、「サッ、サッ」ととても良い音が出ます。
ですが、和紙を欲張ったせいか、幣の数が少ないのですき間が見られますね。もう少しボリュウムのある祓幣にすればよかったですよね。(反省!)
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