もうすぐ当地では梅雨明けですが、この時期は稲田の害虫発生の時期です。
昔から各農村では、盛夏の土用に、稲虫退散を目的に「虫送り行事」を行なってきましたが、今では、わずかな村落でしか見ることは出来ません。
「虫送り」は太鼓を繰り出し、子供らは松明(たいまつ)をかざしながら、「五穀豊穣・稲虫送り」と唱えて、農道を練り歩いたものです。
そして、広場には、竹や枯れた杉の枝葉、稲藁(いなわら)をうず高く積み上げ点火し、害虫を誘い込んで焼き尽くすのです。私の住む金沢市北部・森本地区の農村では、昭和30年頃までは至るところでおこなわれていた夏の風物詩でした。
しかし、現在毎年おこなわれているのは、河北潟の潟ぶちで「大場潟乃太鼓」として名を馳せている金沢市大場町と、森本地区の中山間地で金沢テクノパークに近い下涌波町と、富山県の県境近くの竹又町の3町会でしか実施されていません。
そこで、当時金沢市より「金沢森本ふるさと文化財調査研究会」として委嘱され、第3ゼミのディレクターに任ぜられた私は、市民研究員のみなさんと5年前の7月第3土曜日に記録調査しましたので、その時の画像をお届けしますね。
中山間地・下涌波町の虫送り会場
虫送り太鼓のクライマックスは、火の粉散る炎に向かって、若い衆が大きな桶胴太鼓を、拍子をとる小バイのリズムの合わせて、大バイが間奏打ちし、その大音響で害虫を駆除することを目的とします。
また、桶胴太鼓は、普段は、区長(町内会長)宅や、集会所の軒先に吊るしてあって、電話やサイレンもなかった時代、「触れ太鼓」といって、太鼓の打ち分けによって、火事等の災害、冠婚葬祭、寄り合いの合図などを、村内に知らせたのでした。
以下の画像は、平成18年7月の第3土曜日の夜、私の氏子区域でもある、石川県と富山県の県境の、金沢市竹又町という山村で実施されたものです。
それでは、日本の原風景ともいえる、山里の「虫送り行事」をたっぷりとご覧ください!。
山里は日の暮れゆくのが早いのです
杉葉など、夏の暑い時期これだけ準備
するのも大変です
金沢市では、獅子頭や獅子舞の蚊帳(かや)
太鼓などを新調する場合は、町内会に対して
予算内での補助が出ます
「触れ太鼓」を披露してくれました
のリズムに合せ、豊年太鼓の打ち初め…
横では女の子が「お父さんがんばって~」
昔、キャンプファイアーで習った歌
火の粉を巻きあげ~天までこがせ~♪
だんだん、火が大きくなって…
宮司さんどうぞと勧められ
ひとつ返事で飲んじまった!
竹又町内会のみなさん、ご協力、誠にありがとうございました。このような神事芸能というか、伝統行事はずっと守り伝えて行って欲しいものです。
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