第62回目の式年遷宮(しきねんせんぐう)を、3年後の平成25年秋に控えた伊勢の神宮では、それに先がけて「お白石持行事(おしらいしもちぎょうじ)」がおこなわれます。お白石持行事は、一般の方でも参加できる数少ない伊勢神宮の行事なのです。
お白石持行事は、完成した御正殿 (ご しょうでん ) が建つ御敷地(みしきち)に敷く白石を奉献する行事です。
![はじかみ神主のぶろぐ](https://stat.ameba.jp/user_images/20100226/05/hajikamijinja/e5/e8/j/t02200165_0800060010429327695.jpg?caw=800)
御木曳行事 ( おきひきぎょうじ ) と同様に、伊勢の旧神領の住民が揃いの法被 ( はっぴ ) 姿で二見浦での「 浜参宮 ( はまさんぐう ) 」の後、内宮は川曳( かわび ) き、外宮は陸曳( おかび )きでお白石を運び、御敷地に奉献します。
「御木曳行事 ( おきひきぎょうじ ) 」と同様、地元の旧神領民に加え、全国の「一日神領民」も参加します。前回 の平成5年には、全国から21万人が参加しました。
一般の人が、御垣内(みかきうち)の奥深く立ち入ることができるのは20年に1度、このときだけとあって、熱気あふれる真夏の行事となります。
62回目になる今回は、早くも各地から問い合わせがあり、神社本庁や、伊勢市の受け入れ担当者はうれしい悲鳴をあげているそうです。
でも、頭を悩ますのは、参加希望者は大勢いるものの、お納めする白石が足りないことです。白い石なら日本中のどこでも拾えると思われるかもしれませんが、海の石は死に石といってダメだし、川の石でないといけないのだそうです。しかも大きさも決まっているのだとか。
白石を採ることができるのは、紀伊山系の大台ヶ原を源とする宮川流域と、四国の吉野川流域だけと聞いております。
伊勢市の各町内の人々は、お白石持行事の数年前から日曜ごとに川原にお白石を拾いに行くのですが、最近はだんだん石が少なくなり、宮川の上流、滝原方面まで探しに行くそうです。
集めた石は新しい樽に詰めて、各町々のお白石置き場に保管します。場所は氏神の境内や、公民館の清浄な一角に注連縄(しめなわ)を張って奉安するそうですが、石の数は総数で30万個にも及ぶのだそうです。
果たして今回もそれだけ集められるかですが、地元の神領民の方達の神宮に対する尊崇の念には頭のさがる思いです。
で、まだ公式発表された訳ではありませんが、前回に倣(なら)って「お白石持行事」の日程を推測してみました。
内宮(ないくう)=平成25年7月27日(土)~8月15日(木)の20日間
外宮(げくう)=平成25年8月17日(土)~8月26日(月)の10日間
それを元に、私案ながら、神社庁金沢市支部主催による「お白持行事奉仕団」の行定表を作ってみました。バス10台参加定人数400名による募集案です。
3年後のことなので、まだ気が早いと思われるかも知れませんが、ハッピ等の注文や宿の手配もあるので、来年度中には公式発表後に指定旅行業者と契約をして、宿もおさえるつもりです。
そうしたら、装束箪笥からこんな物が出てきました。昭和61年におこなわれた、第61回神宮式年遷宮の「御木曳行事」で使用したハッピです。
裏はこうなっております。
この時は当神社の単独での主催で、バス3台115名の氏子の方が参加しました。私もまだ20代だったのに…。
そして、これが、平成5年におこなわれた、前回の「お白石持行事」でのハッピです。
裏はこうなっております。
この時も、当社の主催により、バス4台、148名が参加しました。おそらく石川県の神社中、単独企画では最大の参加者数だと思われます。
その時の、のぼり旗です。こうした旗がないと、150人近いの人達が、別の集団とごちゃ混ぜになって、わからなくなりますからね。
一方こちらは、前日、二見浦の二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)で「浜参宮(はまさんぐう)」をおこなった時の旗です。
「御木曳行事」でも、「お白石持行事」でも、その前日に浜参宮をして、心身を清めるのです。
富士山の山頂方向から昇る、夏至の頃の夫婦岩のお日の出です。
パワースポットはあまり好きな言葉じゃありませんが、まさに「日の大神」、最大級のパワースポットですね。
古来、伊勢の神宮に参拝する者は、その前に二見浦で禊(みそぎ)を行うのが慣わしでした。
それに代わるものとして、二見興玉神社で無垢塩祓いを受けるのです。これに使う幣は、二見の海で採れる海草でできています。
画像は、二見興玉神社でお祓いを受ける、当社の氏子さんです。
これは、5年前の平成18年5月に、今回の式年遷宮の「御木曳行事」に参加した折、前日に浜参宮をおこなって、二見興玉神社より拝戴した無垢塩草(むくしおくさ)です。
中には、二見興玉神社付近の海で採れた霊草・無垢塩草が入っているのです。
これを身に付けて、お守りとし、当日の御木曳をご奉仕いたしました。なお、左の巾着は、近畿日本ツーリストからもらった、奉曳(ほうえい)中に腰からさげる貴重品入れです。
4年前の5月、「御木曳行事」に出発する朝、女房とホテル前で撮ったものです。
朝9時、奉曳出発地点の様子です。全国から一日神領民として参加されておりますから、熱気がムンムンです。
「エンヤ~!」の掛け声とともに、奉曳(ほうえい)が開始されました。
この時は、当社よりバス3台、112名の氏子の方が参加されたのです。また、当社の「御木曳」の様子は、私の昨年11月10日のブログ にくわしく紹介されております。
綱を曳く女房と氏子の方々です。
勇ましく木遣音頭を歌う粋なオネエサンと記念撮影する氏子の方々です。
「やっとこせ~よういやな、よう~いとこな~♪」
そして、無事、御用材は神宮様へ納められたのでした。
ご奉仕を終え、氏子の方達とともに、豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀(まつ)り申し上げる豊受大神宮(外宮)へ、清々しい気分でお参りさせていただいたのでした。
来る平成25年の「お白石持行事」にも、多くの氏子の方達や友人にお呼び掛けをして、奉仕団を募る予定です。
なお、伊勢神宮式年遷宮については、私の2月26日のブログ をご覧下されば幸いです。