当神社では、祖父の代から、初詣客全員を対象に、空クジなしの「新春福引」を行なっています。


もう70年以上も続く伝統行事となっており、「大大福」「大福」「松福」「竹福」「梅福」と判を押された籤(くじ)を引くと、それに応じた景品を無料で授与しております。


昨年の「大大福」は「七福神宝舟の置物」で、「大福」が「たち吉の干支夫婦湯呑」、「松」「竹」「梅」は子供の玩具でしたが、今年の景品を今ここで書くと楽しみが無くなるので、お正月にご期待ください。


で、この景品を買いに、まずは東別院裏にある、安江町のおもちゃ卸(おろし)のエビスヤ商店で玩具を千数百買い求めましたが、長年の取引で安くしてくれます。


子供達が小さい頃、ミニ四駆やたまごっち、ハイパーヨーヨー、ポケモン、プレステ2など、ブームで入手困難なモノでも、この店にお願いするとちゃんと取り寄せてくれました。


その後、高額景品を買いに大和デパートへ行き、ついでに、古稀(こき)を迎えた父・母方それぞれの叔父叔母にネクタイとカシミアのセーターをセットでお届けで贈ってから、デパチカで金沢に伝わる伝統のお正月菓子を買い求めました。


まずは、石川屋本舗さんの包装紙です。


はじかみ神主のぶろぐ

熨斗(のし)紙には、松竹梅の絵が描かれております。


はじかみ神主のぶろぐ

このお菓子は「福梅」(ふくうめ)といって、金沢のお正月に欠かせないお菓子です。


金沢では年始にお伺いすると、必ずこの福梅がお茶菓子に出されます。


はじかみ神主のぶろぐ

それでは、伊勢神宮から拝戴(はいたい)した、神杉で作られた菓子盆にのせてみますね。


12月に入ると金沢のお菓子屋さんは、それぞれ福梅を作り始めます。


形は同じようでも、味はその店ごとに秘伝の味があるので、どうぞ食べ比べてみてください、と自信を持って店頭に並べるのです。


はじかみ神主のぶろぐ

加賀藩主・前田家の家紋「剣梅鉢」(けんめいばち・けんうめばち)の梅をかたどっており、紅白の見た目もお目出度いお菓子なのです。


はじかみ神主のぶろぐ

紅白の最中皮の中には練り上げられた大納言小豆の餡を入れ、外は蜜を刷け塗りし細かいグラニュー糖をまぶしてあります。


どちらかといえば濃厚な甘味を楽しむお菓子で、寒い北陸の金沢ならではの逸品です。

はじかみ神主のぶろぐ


続いては、金沢の正月の縁起菓子を紹介しますが、これらの商品はお正月前の今だけの限定商品なのですよ。


これは、落雁(らくがん)で有名な金沢の老舗・諸江屋さんの「福徳」という縁起菓子です。


金沢では「ふくとく」とは言わず、「ふっとこ」「ふっとく」と呼びます。


はじかみ神主のぶろぐ


裏に説明書きがありました。


「その昔、加賀藩ではお正月にはこの一年、福と徳にめぐまれる様、正月用玩具又は菓子、料理等に縁起をかつぎたるもの多し、この玩具菓子も打ち出の小槌、或は砂金包の形の中に色々と縁起のよい形の物を入れ、正月に家族一同、これを開きて一年の運をよろこぶ習慣あり、素朴なる米煎餅の皮をかじり、中なる金花糖にて甘みを取りたるその昔の庶民の生活をしのびながら、この一年お互いの運勢を占って下されば幸いです…皮の黄色は黄金、白きは白銀をなぞらえたるものなり」と書いてありました。


はじかみ神主のぶろぐ


袋から出すと、打ち出の小槌、砂金包、米俵など縁起のよい形をしていますね。


はじかみ神主のぶろぐ

中を割ってみると、恵比寿さんの金花糖があらわれました。


はじかみ神主のぶろぐ

これには、富士山の焼き物が…、一富士ということか!。


はじかみ神主のぶろぐ


これは、姫達磨(ひめだるま)の金花糖かな?。胸に剣梅鉢の御紋が付いております。


はじかみ神主のぶろぐ


次に紹介するのは、全国に名高い、金沢の老舗・森八(もりはち)さんの縁起菓子ですが、森八といえば日本三大銘菓の一つ、「長生殿」(ちょうせいでん)という、四国産の最高級糖・和三盆(わさんぼん)から作られた落雁が有名です。


加賀藩三代藩主・前田利常公の創意と、小堀遠州(こぼりえんしゅう)の命名により生まれたのが長生殿です。「長生殿」の文字も、茶道遠州流の始祖である、この小堀遠州によるものです。


はじかみ神主のぶろぐ

その森八さんから出されているモノダウンがこれです。


はじかみ神主のぶろぐ


寅年にちなんだ「干支飴」(えとあめ)です。「ご縁があるように」と、なんと、五円玉硬貨が入っているんです。これはウチの長女用にお正月まで開けないでおきましょう。ご縁が逃げないように…!。


ちなみに、森八さんの「福徳」はすべて売り切れて、買うことが出来ませんでした。


はじかみ神主のぶろぐ


最後に、金沢のお正月用の縁起菓子「辻占」(つじうら)を紹介しますね。


辻占は、桃・黄・緑などの花のような形をしたせ寒梅粉のせんべいの中に、小さく丸めた御神籤(おみくじ)が入っているんです。12月から1月中旬までの限定発売です。

各老舗菓子店で、この辻占が売られていましたが、金沢では氷室饅頭で知る人ぞ知る、越山甘清堂の辻占にしました。七福神の図柄が可愛いですよね。


なお氷室について説明しますと、旧暦の7月1日は加賀藩から徳川幕府へ氷を献上する日でした。これを「氷室」(ひむろ)と言って、冬季に雪を入れて、氷雪としてためておいた室(むろ)から、夏の暑い時期に、筵と笹の葉に厳重に包み、金沢から江戸の藩邸まで運ばれて行きました。


その将軍献上のための氷が無事届けられるように、神社に饅頭を供えて祈願されたことから、町民にもこの日は氷のかわりに万頭を食べる風習が生まれたのが、氷室饅頭の由来です。

はじかみ神主のぶろぐ


越山甘清堂さんの「辻占」には、裏に説明書きがありました。


「藩政時代より加賀地方に伝わり、「福が舞いこむ」「思いが叶う」「良いことが重なる」と、三つの福徳をあらわし、この中に小さく丸めた紙が入っております。一人三個取り、言葉合わせをしてお楽しみ下さい」…とあります。


はじかみ神主のぶろぐ


江戸時代、吉凶を占う札を売り歩く「辻占売り」が、次第にせんべいなどに貼り付けて売るようになったのがはじまりだそうです。「辻」は町角という意味で町角で売られていた庶民のお菓子という意味合いがあるそうです。

はじかみ神主のぶろぐ


お札(おみくじ)には、縁起のよいもの、教訓的なものなどが、謎かけめいた絵や文字で刷られています。

はじかみ神主のぶろぐ


三つを開き言葉を並べかえして文章を作る遊び&占いか…。


「うそからでたまこと」だから、「うわさが高い」し、「きげんなおして」…、意味不明じゃ!。


はじかみ神主のぶろぐ


そして、長女が一発で引いたおみくじには、なんとも嬉しいことが刷られていました。


接写でも字が小さいのでご報告しますと、「縁談がある」と…。(^∇^)


はじかみ神主のぶろぐ


スーパーで売られていた、別の辻占には…。


はじかみ神主のぶろぐ


さすがのワシも、これでは占えませぬ。(。-人-。)


はじかみ神主のぶろぐ


金沢には、季節に応じて風情を楽しむ菓子文化が息づいた街です。


金沢は菓子どころと言われますが、実際、全国菓子工業組合連合会のHP内のお菓子の生産や消費データ 押を見てみますと、全国都道府県の県庁所在地の菓子の消費額、購入額、そして和菓子のみの購入額ともトップが金沢市なのです。


いかに金沢の人がお菓子が好きで、それにお金をつぎ込んでいるかがわかりますね。


もちろん、ワシもそのひとりですが!。



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