罪悪感を伴う距離感 | ジェリコの壁のブログ

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お疲れ様です。

46歳のサラリーマンです。



私にとって忘れられない日。
2009年6月13日。


広島グリーンアリーナで行われた
齋藤彰俊&バイソンスミスvs三沢光晴&潮崎豪のGHCタッグ王座戦。


この試合中にアクシデントが起きてしまった。


私見を挟むと、

この時、三沢さんはとても試合が出来るようなコンディションではなかったのではないかと思っている。


長年のダメージが蓄積しており、
たまたまこの日の試合でバックドロップを食らった際に、


溜まりにたまったものが切れてしまった。

そう捉えております。


翌日のニュース番組では各局がこの三沢さん死去を報じた。


徳光さんが出てたので日テレのニュース番組だったと思うが、

三沢さんが最後にバックドロップを受けた直後から搬送されるまでの一部始終を流した。


私はこの映像を見るのが辛くて辛くて、
当時はあまり直視できなかったが、

時間が経って、改めて三沢さんの最期の瞬間を冷静に見れるようになった。

そこには色々な人間模様も見れた。


内容が内容だけに、
ご気分の優れない方はここで閉じてください。


ニュース映像は齋藤さんがバックドロップを放ったあと、
試合が止められたところあたりから。


レフェリーが三沢さんに状態を聞くと、

「動けるか?」「ダメだ…動けねぇ…」

「試合止めるか?」「止めろ…」

というようなやり取りが最期にあったとある。

パートナーの潮崎選手も何が起きているのか理解できない様子だった。



頸髄離断ということで、
すでに三沢さんは致命的な損傷を負ってしまっており、

身体を動かす命令が脳から全身、臓器に至るまで届かない、
いわゆる手の施しようのない状態だったと。


この時ほとんどの人が何が起きてるのか、わからなかったであろう。


斎藤さんもバイソンも茫然と立ち尽くすしかなかった。


セコンドやリングドクターやトレーナーが駆け寄り、

三沢さんへ心臓マッサージを行う。


異常事態を察知し、試合を終えたレスラー達もリングに集まってくる。

観客席からも悲鳴にも似た「みさわ~」という声があちこちから飛んでいた。


ノア所属の選手たちは着ているTシャツを脱ぎ、
次々と三沢さんにかける。


ただならぬ事態を目の当たりにし、

控え室から高山善廣さんもリングサイドに駆け付ける。


佐々木健介さんも今にも泣き出しそうな表情で救護を受ける三沢さんを見守る。


コーナーにもたれ掛かり、
茫然とそれを見守るしかないKENTAの姿もあった。


まさに青天の霹靂。

とにかく大変な事が起きていることだけはわかった。


鈴木鼓太郎、杉浦貴、石森太二などが、
「社長!」「三沢さん!」としきりに三沢さんに声をかける。

石森選手は必死に何かを叫び、指示を出していた。


通報から6分後くらいに救急隊が到着した。

AEDそして心臓マッサージが続けられた。

しかし、すでに頸髄が完全に離断してしまっているため、三沢さんの心臓が再び動くことはなかった。


三沢さんは救命措置を受けながらストレッチャーに固定される。


そして、外されたサードロープの間からリングサイドには運び出され搬送される。


アリーナから運び出される際、

観客の三沢コール、三沢ぁ~という叫び声。

中には涙ぐむ観客の姿もあった。


そして、三沢さんは広島大学病院に搬送され、その後死亡が確認された。


この訃報を聞いた際、

私の中で何とも言えない罪悪感に似たものが正直あった。


それは、全日本プロレス時代からずっと三沢さんを見てきた自分が、

この頃、ノアから離れ、プロレスから離れてしまっていた事を。


集客にも苦戦していたプロレス界。

それでも三沢さんは、

「ノアを見に来て自分が出てなかったら、お客さんはどう思うか?」

と、悲鳴を上げている身体なのにリングに上がり続けていた。


私はプロレスから少し離れてしまっていた自分が悔しくて、申し訳なくて、何とも言えない気持ちになった。


これが当時の正直な気持ちです。それは今もずっと変わらない。


三沢光晴という至宝を失った喪失感。


これは墓場まで持っていきます。


なぜ今このブログを書く気になったのか。


プロレスという素晴らしいものとの距離感が…

どんどん離れていってしまっている感が…


このコロナ禍で加速してしまった気がする。


それを「仕方がないこと」と片付けてしまっている気がする。


大好きなハズのプロレスなのに、
その距離感に矛盾が生じてしまっている。


一番すげぇのはプロレス。


そう胸を張って言えるのか?と自問自答してみる。


それを考え続けることが、自分の務めだと思っている。


ジェリコの壁、かく語りき。