第五回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の披講です。 | 俳人ホーム

第五回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の披講です。

第五回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の披講です。

順不同の上、作者不明のまま、アップしました。
選句と選評(他人の選評に対する意見交換も)
各自ブログのコメントで、選句してください。
期間:11月25日~12月10日

選句数
1;地下=4句選句
2:葱=4句選句
3:自由=4句選句

披講
兼題:地下
1 蛇穴に赤提灯は地下街に
2 地下街に行き場なくした枯葉舞ふ
3 冬の地下いつかの地図がポケットに
4 恥ずかしきことばかりある地底人となる
5 地底には冬眠中の恐竜
6 地中より地上がいいと冬芽かな
7 地下道をママチャリ急ぐ秋の暮
8 デパ地下弁当肴の寒暮かな
9 地下道でいま出会いたるトルストイ
10 地下鉄の風舞い上がるブーツ急く
11 お宝の凍りつきけり地下深く
12 地下室でうなぎの蒲焼き不倫かな
13 白骨に足つかまれる冬の地下
14 地下街はぬらぬらぬくく苛立って
15 この国に未来はあるか地下を掘る
16 地下を掘る余命数える時雨ある
17 地にひそむ大根の白さ母の白さ
18 足音の冷々として地下の街
19 小春の日工作員は地下潜る
20 初霜や冬のもぐらは寒くない
21 地下茎の眠りて起きて眼が八つ
22 霊安室黴の匂いの凍るかな
23 冬ぬくし古城の地下のワインセラー
24 地下室でビートルズ聴き冬暖か
25 デパ地下や片岡画伯栗ご飯
26 地下鉄に踏切りは無し蛇眠る
兼題:葱
27 夕焼けの返り血浴びる葱刻む
28 白葱をしゃきっと噛みて愚痴いわず
29 葱の尾を踏んで葱の尾破裂さす
30 濃密にねぎと関係一日暮れ
31 葱束を抱えし母の赤ら顔
32 バル楽し湯気立つ葱にワインの香
33 葱焼いて暮れをなんとかやり過ごす
34 葱煮えて同窓会のネタも尽き
35 すきやきの葱くたくたで年暮れる
36 葱刻む時計の針を追ふやうに
37 葱の香の緑みどりの自己主張
38 ぬたあえの味噌黒くある尾張葱
39 葱きざむ出羽海部屋湯気だらけ
40 朝ドラは善人ばかりか葱刻む
41 袋から葱顔だして家路かな
42 太き葱刻む音よし妻毅然
43 切なきものに葱のぐたり
44 切っ先を揃えし葱の潔さ
45 新妻の買物篭から白き葱
46 根深汁ただの味噌汁であるにせよ
47 黒門も錦もくっきり九条葱
48 国会中継延々葱買いに行かねば
49 戸口には葱が並んで微笑かな
50 ままならぬことありすぎて葱洗う
51 包丁を握る黄昏葱採りに
52 ビル街の葱畑枯れて空き地然
53 白葱の女の指の我を指す
自由
54 かまきりの脚は切ない明日はない
55 粕汁にほろ酔い加減の五歳かな
56 木漏れ日の大気黄金や落葉降る
57 しんしんと千枚漬のような恋
58 たっぷりと水を湛へて蓮枯るる
59 なにもかも人のせいにして秋の原
60 ふとん干す時の移ろい追いかけり
61 ホッチキスぱちんと冬の立ちにけり
62 一雨に朱を重ねをり紅葉かな
63 火傷して指紋が消える蜜柑剥く
64 寒卵化粧のやはらかなる少女
65 干し柿やお国訛りの味添えて
66 月ふたつ嘘つく夢と真の夢
67 鍵まはす音のしづかや冬隣
68 紅葉の一人ぽっちの手弁当
69 鯖鮨や裁判員は死刑を下す
70 十六夜や小指で叩くリターンキー
71 寝酒より安定剤の齢かな
72 靭帯をのばしてつくづく暮の秋
73 赤海鼠通りすがりの息遣い
74 痩猫やよろよろ歩く凍てる道
75 霜月はあたたかい手と月見たよ
76 暖炉あらば二人の恋も燃えるだろ
77 冬の暮コンビナートの灯が滲み
78 買い立てのデジカメ覗き紅葉狩り
79 立冬に寡黙なサンタ現われり
80 北風や胸張ってゆく老人あり
81 凡句もありて芭蕉冬に入る
82 木枯らしや粒あんこしあん足重い
83 クレーンも景色となりて冬ざれる
84 ため息を入れて焚火を燃え立たす

以上、第五回の俳句会開催です。