第三回 俳人ホーム・ウェブ俳句会開催しました。 | 俳人ホーム

第三回 俳人ホーム・ウェブ俳句会開催しました。

第三回 俳人ホーム・ウェブ俳句会の披講です。
順不同の上、作者不明のまま、アップしました。
選句と選評(他人の選評に対する意見交換も)
各自ブログのコメントで、選句してください。7月1日~15日

選句数
1;椅子=3句選句
2:傘=3句選句
3:自由=3句

披講
兼題 椅子
1 パイプ椅子老婆傾く丸くなる
2 納屋の椅子の塵掃ひをり子の帰省
3 椅子なくて立ち尽くしてる日は暮れる
4 椅子蹴って兄は戻らぬ薄暑かな
5 椅子出して 田植え眺むる 老母かな
6 遠くより 青田の風が 椅子に舞う
7 夏の陣 椅子を求めて声枯らす
8 夏めくやスカート広げて椅子隠れる
9 黒椅子を知ることもなし濁り鮒
10 子は産まず色白すぎて籐の椅子
11 全身を風吹き抜けぬ藤寝椅子
12 短夜や 肘掛けはげたる 椅子ひとつ
13 地球には躑躅満開椅子一脚
14 猫の毛のひとすぢ残る藤寝椅子
15 梅雨入りや廃墟の家に椅子ひとつ
16 母に椅子買うて五月は終わりけり
17 野の隅のかなしい梅雨よ椅子並ぶ
18 揺り椅子に老猫眠る黴の宿
19 緑陰に椅子とりゲームのポルカかな
20 冷房の部屋に椅子の震えてる
21 籐椅子の捨てられずある離れかな
22 籐椅子や身の丈ほどの自我通す

兼題 傘
23 傘借りて恋が芽生える梅雨晴間
24 その人の声美しき傘の影
25 パラソル差して娘の大人めく
26 夏めくや傘からのぞくノンスリーブ
27 交差点 五色の傘や 梅雨に入る
28 校庭を日傘来るわが母親の
29 傘たむけ 戸惑いがちな 揚羽蝶
30 傘なくて軽き身体のついりかな
31 傘の字の四人に入れてもらえぬか
32 傘開く男と女六月よ
33 傘開く流れに抗う術もなく
34 傘盗られ帰れぬ理由拾いけり
35 青蛙目を細めをり田植笠
36 葬儀屋のCM流れ白い傘
37 倒産の事務所に西日忘れ傘
38 梅雨晴間あちこち魔女の黒い傘
39 梅雨入りや傘にすっぽり男の子
40 麦の秋無人駅舎に傘一本
41 病窓や母の日傘がやってくる
42 埋められる土管眺める日傘かな
43 夕虹や白き傘揺れ娘ゆく
44 緑野の賃貸工場傘並ぶ
45 老鶯の 声を合図に 傘をとじ

 自由
46 お利口が頭揃える梅雨開けぬ
47 赤とんぼが選句してをり献句額
48 さくらんぼころころ笑ってかくれんぼ
49 ひょうたんの白い花弁と三時頃
50 ブブゼラの耳鳴りもする梅雨ふかし
51 夏服の二人囁く一人なのに
52 手足から引きずり込まれてゆく昼寝
53 新緑や女ばかりの形見分け
54 酔うた酔うたほなさいならと含羞の
55 青梅がくすりと笑う路線バス
56 喪の家や太き胡瓜のぶら下がる
57 草いきれそこらに命充満す
58 打水や家紋は丸に抱き茗荷
59 鉄塔の足元ゆらす青田風
60 熱砂踏ム拷問ノ如熱砂踏ム
61 梅雨空のブルーハーツのまっすぐの
62 梅雨入りや居ない人の声がする
63 麦秋や原節子いま何処
64 父の日を母が倒れてなし崩し
65 万緑や神に近づく古道ゆく
66 六月は綺麗な老後の人と寝る
67 蓼を食む犬老いたるを知らぬ気に
68 蝙蝠を吐き出す庇夕館

以上、第三回の俳句会開催です。