パク・チャヌク監督最新作。過去、’お嬢さん’、’別れる決心’を劇場で、’オールドボーイ’、’復讐者に憐れみを’、’親切なクムジャさん’はレンタル店でDVDを借りて観たが、どれも面白いとは思わなかった。それで、この作品にも大した期待はせずにいたが、初めてパク・チャヌク作品を良いと思った。
長年製紙業界の現場で働いてきた誇りがアイデンティティの拠り所でもある主人公だが、製紙過程の機械化のためリストラにあい、失業してしまう。業界他社への再就職を狙うが、人員削減はどこも同じでなかなか受け入れる会社が決まらない。他の仕事に就くという選択肢は、自己の存在が否定されるようで出来ず、ただ一社、求人のある会社に何としても採用されるため、ライバルを次々と消してしまう。そうして、ようやく再就職に成功するが、ラスト、新しい職場での主人公は、機械がプログラム通りに製紙過程を進める中でいる必要のない存在に見えてしまう。せいぜい数年の後にはまた職場を追われることになることを、また、消えてしまったライバルの行方を追う警察の捜査からも、そう長くは逃れられないだろうことを暗示して作品は終わる。
長年慣れ親しんだ仕事への愛着、地位、生活環境、それらに拘泥することなく生きることが出来たら人生はずっと楽になるだろうが、それは難しいことだ。まして、中年から壮年、老年に至っては尚のこと。
この作品でパク・チャヌク監督は何を言おうとしたのだろうか?しばらくは考える日々が続きそうだ。
あっ、それからイ・ソンミンさんのだらしない体形のこと。去年観た’ハンサム・ガイズ’でもポッテリとした体つきが目についたが、韓国の俳優さんの中には、鍛え上げた身体の俳優さんと、イ・ソンミンさんのようにだらしない身体を 維持 している俳優さんと、大雑把に二つに分類されるのだろうか。鍛えた組とだらしない組の違いがあまりに大きいのでそう思った。そういえば、パク・ヘイルさんもぽっちゃり体形だった。
