東京都/西東京市「西武柳沢駅」界隈の無人化見聞録-20から更に先へ進むと、この無人の建物があった。

写真を撮った生活道路から、金属の柵で囲われた「更地」の向うに、この無人化民家は見えた。たぶんこの「更地」と奥の無人化民家は何も関係が無いだろう。私はそうした一時に、この地を訪れ、この写真とメモを残した。たったそれだけである。巷に埋もれる数知れない「風景」の一つに過ぎない。

 

やがて、この更地に何か民家のようなものが建ち、それと前後した時期に、奥の無人化民家はたぶん「更地」化する。

それは不思議なことなのか、当たり前のことなのだろうか。

だが、どちらにしても私がまたここに戻せることはもうあり得ない。そうしてそれは、こうした殆どなんの意味も持たない写真のことなど、誰の記憶にも残らない。

 

都市の、住宅地の風景なんて、それでいいのかもしれない。

みんなどんどん忘れることが、この社会が生きている証とでも云うのだろうか。

撮影日:令和6年5月18日