東京都/西東京市「西武柳沢駅」界隈の無人化見聞録-26から更に先へ進むと、この無人の建物があった。

看板がそのままになっていた。

「さつま揚げ、○○」とあり、製造・直売との記載もあった。

私に言わせると、かなり凄い。だって、この苛烈極まりない競争社会の中で、ほぼ「さつま揚げ」一本で商売していたなんて、見上げたものだ。相当に自信のある「さつま揚げ」だったのだろう。

 

私は「さつま揚げ」類は嫌いではない。どちらかと云うと好きかもしれない。だけどスーパーで買うような「さつま揚げ類」はどれも然程美味しくはない、そして不味くも無い。

そうした中でさつま揚げ一本なんて、中々見上げたものだ、本当に。でもそれがこの魑魅魍魎として現代社会にマッチ(フィット)していたかどうかはよく分からない。同じようなことは「お茶・海苔」屋にも言えるかもしれない。

 

そういえば、ずいぶんと昔、京都で仏壇職人をしている爺さんと知り合ったことがある。

この爺さん、腕は一流のようだったが、どうにも「株」が好きで、私が知り合った頃は株で大損し、一家離散の憂き目になっていた。爺さんはよく「私の生き方は間違っていたのだろうか」と。

一家離散の憂き目にあっても、まだそのことが分かっていない年寄りと云うのもまた不思議な人だった。

その後のことは何一つ知らない。

撮影日:令和6年5月18日

 

これで東京都/西東京市「西武柳沢駅」界隈の無人化見聞録シリーズは終了です。

明日からは新しいシリーズが始まります。