東京都/西東京市「西武柳沢駅」界隈の無人化見聞録-14から更に先へ進むと、この無人の民家があった。
外壁がだいぶくすんでいる。建物内で雨漏りが発生し、カビが浮き出ているようだ。こうなると、もう取り壊すしかない。あとは瓦解を待つだけだろうか。しかし、嘗て住人はそんなことは無かった。
それは外壁に派生した亀裂を丁寧に直した形跡からもよく分かった。
人には、時間とせめぎ合う時が必ずやってくる。それは残念だが、誰にしもやってくる。問題は、それまでどんな生き方をしたか・・・なんて書くと、如何にも私はもっと違う生き方をしているように思われがちだが、私もそうした中に既にずぶずぶに浸かっている。そうして殆ど有効な手が打てないでいる。みんな同じなのだ。
だから、結局、やれることはやるし、やれないことはしない。
そうするしか生き方はない。
栃木県那須町で、上野の飲食店経営者2人を死体遺棄で逮捕された若者2人のうちの、嘗て俳優(子役)をしていた者が、何かのインタビューに答えていた画像が一時テレビで流されていた。
その若者は欲しいものはと問われ、金とオンナと真顔で答えていた。
たぶん、そこにたどり着くのに、そんなに時間はかかっていないように思えた。しかしそんなもので一生を台無しにしてしまうのに、「短時間」で行き着いてしまうのは、頭が相当に幼稚だ。
この社会がどうやって出来ているなんて考えたこともないのかもしれない。
「関係ない」
そんなことはないことを誰一人も教えてやらなかったのだろうか。
私たちは日々、時間とせめぎ合って生きている。
それがどんなに虚しくでもだ。当然、金とオンナに無縁であってもだ。
撮影日:令和6年5月18日