東京練馬区「練馬駅」界隈の無人化見聞録-3から更に先へ進むと、この無人の古アパがあった。

久し振りにこの建物の正面にたどり着く道順がわからず、裏か民家の駐車場越しに写真を一枚だけ撮った。

雨漏りによるくすみが浮き出ていた。そしてそれより建物自体が全体に歪んでいるように見えた。正面に回り込めばもう少し現況が分かったかもしれないが、それも出来なかった。

 

何故か分からないのだが、時たま目的の無人化建物に辿り着けないことがある。

どんな道かは分からないが、道そのものが無いはずはないのに、そこへ辿り着けない。私は然程方向音痴でもなければ、地図読めない人間でもない、地図は持ち歩かないが。なのに見えている家まで行けない。それが都市伝説の一つなのか、それともバカだからなのだろうか。どちらにしても、そうしたことがこの無人化見聞録では既に10回程度ある。

 

無人化した家々には、まだまだ十分に住めるものもあれば、ここのように屋台骨が歪んだもの、そして瓦解寸前なもの、更には誰かが何かの目的で破壊している途中のものまで、多種多様にある。また何か情念のようなものに狂わされたような家やゴミ屋敷と区別が出来ないものまであった。しかしそうしたモノでもやがて「無」に帰る末路がいづれやってくる。

不思議なことなのだろうか、それとも当然な回帰なのだろうか。

撮影日:令和6年2月23日