東京板橋区「下赤塚駅」界隈の無人化見聞録-22から更に先へ進むと、この無人の民家があった。

横板張りで瓦屋根の古い民家。庭木は枝葉がボーボーで、シュロの木も自生していた。

これぞ今どきの無人化民家の定番と思われるかもしれないが、東京のような大都市でこうした姿を晒しているのはそうそう多くはない。小さな子供のころから教え込まれる「整理整頓」が絶対的に「良いこと」になっているこの社会では、無人化民家もまたその絶対的対象の一つなのだろう。

 

「整理整頓」とお金の関係を私たちは何ともなしに受け入れている。

しかし、もうそんな時代ではない筈だ。きちんとしたこれらの相関関係を研究してみないといけない。

それには「整理整頓」の本当に意味すること、そしてそれがどうお金につながり、この社会を狂わせているのかを真面目に調べる研究者が出てきてもいい時代ではないだろうか。

 

「昭和」と違っていること。

そんなテーマのバラエティー番組をテレビで垣間見ることがある。

私も驚くことがあるが、それは「今のことが正しい」ことを大前提にしている。

昔のそれは「間違ってはいないが、正しくない」。

そんな不思議感でみんな笑ったり、納得したりしている。

だけど、やたらに身近で、誰もが盲目的に「信じ込んだり、確信している」この「整理整頓」の真実を誰も追求しようとはしない。私に言わせれば、こんなに怪しい概念は無い。

 

こんな立派な横板張り民家ではないが、それでも母親はオンボロ長屋の我が家でもいつでも「整理整頓」紛いのことを口を酸っぱくして言い続けていた。クレイジーキャッツの植木等が「あーやんなっちゃった、おどろいた・・・」と歌っていた時代だ。

撮影日:令和5年12月23日

 

これで「下赤駅塚」界隈の無人化見聞録は終了です。

明日からは新しいシリーズが始まります。