昨日のページでお知らせしていたように、埼玉県飯能市武蔵横手駅界隈の廃屋群-6の手前の民家も廃屋だった。それがこの「-7」です。

埼玉県飯能市武蔵横手駅界隈の廃屋群-7は国道299号線の一本内側沿いの静かな道沿いにあった。このお宅の特徴は道側前面に施されたガラス窓たちだろう。日当たりも良かったのかもしれないし、道を行きかうご近所様に挨拶をするのにも役立っていたのかもしれない。気が合う同じ年頃の人が通れば、そこで立ち話をしていたかもしれないし、里山の寒い冬をぼんやり眺めていたかもしれない。また夜遅く帰ってくると、そこから電気が見えていたり、話し声が漏れていたかもしれない。それはほんの小さな一時だったかしれない。

この民家の前は小さな畑だ。毎年春には、その際にツクシがいっぱい生える。そしてそれから夏になると、このお宅の前を近所の川で水遊びをする子供たちもたぶん声を上げて通っていたのかもしれない。私は秋のある日、地元の子どもたちが水遊びをするこの近所の川べりでヤマカガシが川を泳いで対岸に向かっているのを見たことがある。そしてそのちょっと先には手作りの架け橋があり、それを渡って山の中を進んでいくと、東吾野へ通じる山路になっていたが、ある年、大雨でその架け橋は流され、未だに回復していない。もう復旧されることはないのかもしれない。

 

里山再生が叫ばれて久しいが、少子高齢化が更に進む今、もう元のような活気のある里山暮らしは当分復活することはないのかもしれない。

撮影日:平成29年12月30日