カップ戦史上最僅差で、ラーソンが2勝目を飾る(NASCAR第12戦:カンザス) | 日日不穏日記・アメブロ版

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gooで公開している同名のブログ(主に身辺雑記)とは別にモータースポーツに特化して立ち上げたブログ。現在はNASCAR推し。YouTubeで全36戦を追いかけます。オフシーズンは、他のモータースポーツの記事も書きます。

 NASCAR第12戦:カンザスは、カンザス州カンサスシティのカンザス・スピードウェイでの「AdventHealth 400」が行われる。1.5マイル(2.4キロ)を267周(400.5マイル/640.542キロ)を80+85+102周の3ステージ制で戦う。ピットロードスピード45マイル、フューエルウィンドウは62~66周。

 2001年にオープンなので比較的新しいオーバルトラックで、同年から、「Hollywood Casino 400」が秋のレースからスタートし、「AdventHealth 400」は2011年から開始し、年間2レースとなり、現在に至っている。シャーロット同様にインフィールドには、ローバルとも言えるインフィールドのロードコースと繋がっており、2.37マイル(3.81キロ)となっている。

 ロードコースは、NASCAR以外のカテゴリーで使われており、オーバルは、2001~10年まで、インディカー・シリーズでも使われていた。バンク角は17度から20度、フロントストレッチは9~11度、バックストレッチは5度。NASCARが春に2レース目を開催することから、インディカーシリーズは撤退。2021年1月2日に Adventist Health Systemは AdventHealth に名称を変更している。

 最多勝はハムリンの3勝で、カイル・ブッシュとブラッド・ケセロウスキーが2勝で続いている。PPは、クリストファー・ベルが、29.491秒で獲得(183.107マイル/294.682キロ)。ロス・チャステイン、ノア・グラグソン、カイル・ラーソン、カイル・ブッシュのトップ5。

 プラクティスは、タイラー・レディック、ウィリアム・バイロン、バッバ・ウォレス、グラグソン、ハムリンのトップ5。レース前から小雨が降っているようで、大方の人は普通にトラック上にいるが、傘を差している人もいる☂。ジェットドライヤーを使って路面を乾かしている。



 ケビン・ハーヴィックやクリント・ボウヤーは、普段は屋外でドライバーインタヴューを行っているんだけど、今回は屋内で。グラグソンと彼のクルーチーフをゲストに読んでいる。グラグソンのレーシングスーツは、バスプロショップス。マーティン・トゥレックス・ジュニア、オースティン・ディロンはお馴染みだが、彼もそのスキームで走るのか。

 オッズは、+250のラーソンがダントツでトップ。+500でハムリン、+700のレディック、ベルとバイロンが+900で並んでいる。ヘンドリックとトヨタ勢が上位を占めているのは、今シーズンの構図そのものだ。フォード勢のトップは、12位タイのジョーイ・ロガーノとライアン・ブレイニーの+3000。

 予選、プラクティスとも好調だったグラグソンのインタヴューの後に、去年、グラグソンと殴り合いをした(実際には、殴ったのはチャステインで、殴り返されてはいない)予選2位のチャステインがリーガン・スミスのインタヴューを受けている。チャステインは、ブッシュライトのレーシングスーツで、大型スポンサーが加わったところで、早く1勝を挙げたいところだ。

 次のゲストは、ハムリン。スタジオからの音声では、ハーヴィックとカイルが話すことはあるが、ゲストとしては呼ばれない。ハムリンはスポーツクリップのキャップを被っている。スーパーボウルに出場したNFLのスター(僕には、誰か分からなかった)に続き、ロガーノが笑顔で、ハーヴィックと話している。

 そしてタイラー・レディックがモンスターエナジーのレーシングスーツで登場。1時間40分近く経って、マイケル・ウォルトリップのグリッドウォークが始まった。ジョシュ・ベリーと一緒にいる強面っぽい、ライアン・プリースが満面の笑顔なのが少し怖い😅。2時間以上経って、今回も出場するジミー・ジョンソンが、運転席からスタートコマンドを行い、ベルとチャステインのフロントローでグリーンフラッグ。

 両者が一歩も譲らず、コンタクト。チャステインがリード、ベル、ラーソン、グラグソン、タイ・ギブスが続く。11LAP、ベルとトップ争いを展開していたチャステインだったが、ラーソンがベルをパスして、迫ってくる。14LAP、クリス・ブッシャーがカイルを抜き、6位となってグラグソンとの差を徐々に縮めていく。



 フォード勢で好調なブッシャーと、スチュワート・ハース移籍で、調子を上げてきたグラグソンのバトルも興味深い。33LAP、マーティン・トゥレックス・ジュニア、アレックス・ボウマン、レディック・・・次の周には、チャステイン、ブレイニーのトップ2がピットイン。

 36LAP、オーバーカットでベルがピットインしている間に、ラーソンがチャステインを捉えるも、チャステインが抜き返し、トップバトルは簡単に決着がつきそうにない。ここは未勝利のチャステインを<推し>にするとしましょうか。47LAP、ハムリンがベルをパスし、トップ5に。チャステイン、ラーソン、ギブス、ブッシャー、ハムリン、ベルと、またもヘンドリックVSジョー・ギブスが、チャステインを除いて上位を占める構図になっている。

 55LAP、ラーソンがリードを広げ、一旦はトップ争いに決着はつく。チャステインにギブス、ハムリンのジョー・ギブス勢が襲い掛かり、激しい2位争いと変わる。59LAP、ハムリンがギブスをパスし、3位に浮上。さすが43歳の老雄。久しぶりのフェデックスのマシンで走りが冴える😲。

 60LAP、ハムリンはチャステインも抜き、2位に浮上。トップのラーソンを射程に捉える。65LAP、ラーソンにハムリン、チャステインが、ほぼ一団になって迫ってくる。68LAPにハムリンが遂にラーソンをパスし、リードチェンジ。チャステインも続く。やや遅れたラーソンにブッシャーとギブスを抜き返したベルが迫る。

 78LAP、チャステインが最後まで諦めずに、ハムリンに仕掛ける。ステージ1から、ここまで熱いバトルをしてると、最後まで持たないぞ、と心配になってくる。そのままハムリンがステージ1を制し、チャステイン、ラーソン、ベル、ブッシャー、ギブス、マーティン・トゥレックス・ジュニア、カイル、グラグソン、チェイス・エリオットのトップ10。



 ノーコーションでステージ1は終わったが、バトルは見応えがあり、最高だった。リードラップカーが一斉にピットイン。ベル(+3/4)、チャステイン(0/4)、ラーソン(0/4)、ギブス(+2/4)、ブッシャー(0/4)のトップ5。ハムリンはピットアウト時にピットで停まっている車に阻まれタイムロス、7ポジションダウンの8位に。

 9(89)LAP、チャステインとベルのフロントローでリスタート。ブッシャー、ギブスの一瞬5ワイドになり、インから飛び込んだラーソンがトップ2台をかわし、リードチェンジ。ブッシャー、ギブス、トゥレックス、カイルのトップ5。ベルは6、チャステインが8位に下がっている。

 22(102)LAP、ラーソンは2位のブッシャーに2秒以上の大差をつけて独走。34(114)LAP、ハムリンがベルを抜き、一時トップ10外だったポジションを7位にまで戻す。今日のロングランに強いっぽい。徐々にラーソンとブッシャーの差が縮まっている。逆にラーソンは、ロングランに難ありか?が、ピットタイミングが近づいている。

 39(119)LAP、ブッシャー、ギブス、マイケル・マクダゥエル、ロガーノなど多くのリードラップカーがピットイン。続いてラーソン、カイル、トゥレックスも入るが、ラーソンは左フロントのタイヤ交換にトラブルを起こし、タイムロス。カイル、トゥレックスに先行を許す。トゥレックスはオートオーナーズのペイントスキームだが、少し模様が変わったような気がする🤔。

 ブッシャー、ギブスがその前にいる。ステイアウトは、レディック、バッバ・ウォレス、ダニエル・ヘムリックがステイアウト。ステージ2も半分を超えるところだが、レース全体のハーフウェイも近い。46(126)LAP、トップのレディックがピットイン。レディックも次々と次々とラップバックされていて、コーション待ちだったかもしれないが、失敗なのは間違いない。

 これでブッシャーがトップに。2位のギブスとは2秒差、カイル、ラーソン、トゥレックスのトップ5。9位にはグラグソンがいる、確かにバスプロショップスのペイントスキームだが、後方はシルバーで、トゥレックスやオースティン・ディロンとは違う。ハース仕様って感じがする。



 59(139)LAP、3位に上がったラーソンがカイルに迫る。ステージ1を争ったハムリンは6位、チャステインが10位とおとなしい。ラーソンのモーメンタムなら、カイルとブッシャーを捉えるのは難しくないだろう。64(144)LAP、エリオットがベルを捉え、トップ10に。このところ元気のないベル。アクシデントではないものの、じりじりとポジションを下げている。

 65(145)LAP、カイルをラーソンがパスし、2位に浮上。76(156)LAP、レディックがチャステインを抜き、9位に。チャステインもエリオットをトップ10から脱落させたものの、今一つポジションを上げられない。ベルも12位に留まっている。

 そのままブッシャーが逃げ切り、ステージ2を制した。ラーソン、ハムリン、カイル、トゥレックス、ギブス、ボウマン、レディック、チャステイン、グラグソンのトップ10。これまでにステージ間コーション以外にレースでのアクシデントによるコーションは出ていない。ハムリンは、ピットストップでのミス?が響いた。前のドライバーのポジションが悪かったのか、ハムリンに原因があったのかは分からないが。

 リードラップカーが一斉にピットイン。ラーソン(+1/4)、ブッシャー(-1/4)、カイル(+1/4)、ギブス(+1/4)、トゥレックス(0/4)のトップ5。ハムリンがトップ10から脱落、ブッシャーはクルーが、ピットボックスに早く飛び込みすぎたことで、ペナルティを受け、リアに下がっている。

 173LAP、ラーソンとカイルのフロントローでリスタート。ラーソンがリード、カイル、トゥレックス、ギブス、チャステインが追う。176LAP、コリー・ラジョイがジョンソンにヒット、ジョンソンはスピン、ラジョイはウォールにクラッシュし、そこにオースティン・ヒルが巻き込まれるというマルチクラッシュが発生。3回目で初のレーシングアクシデントによるコーション発生。

 ジョンソンはリタイアし、マシンを降り、マシンはレッカーで運ばれる。ブラッド・ケセロウスキーらが4タイヤチェンジと給油を行う。ジョン・ハンター・ネメチェックがフリーパスを獲得。184LAP、ラーソンとカイルのフロントローでリスタート。185LAP、僅かにカイルがリードしていたが・・・。



 ハムリンがポジションを下げ、オースティン・シンドリックにヒット、バランスを崩し、ウォレス、マイケル・マクダゥエルを巻き込むマルチクラッシュ。シンドリックは途中からステアリングを離している。他にも巻き込まれたマシンはいると思うが、取り合えず、この3台だ。4回目のコーション。ダニエル・スアレスがフリーパスを獲得。

 191LAP、カイルとラーソンのフロントローでリスタート。カイルがリード、ラーソン、ギブス、トゥレックス、レディックが続く。192LAP、ハリソン・バートンがフラットタイヤでいきなりスピン、立て続けに3回のコーションで、5回目のコーションとなる。バートンのマシンはレッカーで運ばれていく。バートンがマシンを降りた光景は観ていないが、ピットでリペアするのだろうか。

 ハムリン、ブッシャー、マクダゥエルら、12台がピットイン。4タイヤチェンジ+トップオフ。タイヤの交換は必要と感じたもかもしれない。チャステインは5位までポジションを戻している。マクダゥエルはマシンのリペアを済ませてから、ピットアウト。198LAP、カイルとラーソンのフロントローでリスタート。

 今度は、追い上げていたロガーノが、チェイス・ブリスコーとコンタクトし、ロガーノはコースアウト。右リアタイヤがパンクして動けなくなり、またもレッカー車が出動。ペンゾイルオイルもそうだけど、インカーカメラが映されるので、ハント・ブラザースピザがやたらと目立っている😅。早くも6回目のコーション・・・レースは進むのか。

 ロガーノが乗っているのは、確認出来たけども、レッカー車の牽引にマシンは傷むし、乗り心地にも苦言を呈していた彼だが、今回はどうだったか。コーリー・ハイムがフリーパスを獲得。リードラップカーが一斉にピットイン。カイル(+1)、チャステイン(+2)、グラグソン(+8)、ベル(+9)、ラジョイ(+16)のトップ5。



 上位陣の多くは2タイヤチェンジに思えるが、ラーソンは4タイヤチェンジで7位。9位のギブス(ー6)、10位トゥレックス(ー4)のマイナスになった3人は間違いなく4タイヤ。カイルは1ポジションアップだが、2タイヤチェンジ。6台がステイアウト。デビッド・ギリランド、ハムリン、ブッシャー、ジャスティン・ヘイリー、ウォレス、マクダゥエルだ。

 ステイアウト組は間違いなく1ストップ必要。が、これだけ立て続けにコーションが出ているから、ピットタイミングがあるかもしれないし、今回のピット組も、コーションラップがあるとは言え、フューエルウィンドウはギリギリ。タイヤが持たない可能性もあるし、このまま走り切れるとは思っていない可能性は高い。

 206LAP、ギリランドとハムリンのフロントローでリスタート。ハムリンがリード、ブッシャー、ギリランド、ウォレス、カイルが追う。208LAP、ブッシャーがハムリンを抜き、リードチェンジ。212LAP、ラーソンがマクダゥエルを捉え、トップ5に浮上。残すはステイアウト勢と2タイヤチェンジのカイルだけだ。

 214LAP、ハムリンがブッシャーを抜き返し、再度リードチェンジ。3位カイルとは1秒以上離れていて、この2人のバトルが続くのか?228LAP、エリオットがカーソン・ホセバーをパスし、トップ10へ。233LAP、ハムリンとブッシャーのトップバトルは依然として続いている。その間にラーソンはカイルを抜き、3位に。この辺か、もう少し先でコーションが出ると面白い。

 ステイアウトもピット組も、殆どタイヤ交換に入るだろうし。トップを走るハムリン絡みで、あと1勝に迫ったラスティ・ウォレスや、通算60勝のハーヴィックの話題も出てきた。年齢的には5歳年下だが、ジョー・ギブスで走り続ける限り、カイルの通算63勝に迫るかもしれない。そのくらいハムリンにはモーメンタムがある。

 254LAP、トゥレックスがカイルを捉え、3位に浮上。260LAP、ブッシャーをもパスし、2位となる。261LAP、カイルの左フロントタイヤがダウンし、スピン。7回目のコーションとなる。ステイアウト勢としてはギリギリのタイミングでのコーション。ピット勢としても、ステイアウトは有り得ないタイミング。カイルがトリガーになったのは残念だが😢。



 ウォレスがフリーパスを獲得。ハムリン(0/2)、ブッシャー(+1/2)、ラーソン(+1/2)、エリオット(+4/2)、ライアン・ブレイニー(+5/2)のトップ5。2位だったトゥレックスが、唯一トップ10では4タイヤチェンジをし、8ポジションダウンの10位となっている。

 これでNASCARオーバータイムによる、2周でのシュートアウトで優勝を決める劇的な展開となった。ハムリンとブッシャーのフロントローでリスタート。ブッシャーがリード、ラーソンはハムリンのインに飛び込み、パスして2位に浮上。トゥレックス、エリオット、ハムリンが続く。

 ファイナルラップ、ブッシャーと並んだラーソンは2度体当たり。ほぼ同時にチェッカーを通過。アンオフィシャルの結果でも、ブッシャーが優勝で、RFKレーシングの面々は歓喜に包まれるが、ラーソンのクルーチーフ:クリフ・ダニエルズは怪訝な表情。少し経ち、RFKレーシングに沈黙が走って、ラーソンがバーンアウトをし、観客に手を振る✋。

 アトランタの時は、ダニエル・スアレスとブレイニーの差は、僅かではあるが分かったが、今回は静止映像でも分からない。NASCAR史上最短の0.001秒差でラーソンが勝利。今シーズン2勝目、通算25勝目を飾った🏆。ラーソンはスピンやコースアウトをさせたわけではないので、レーシングインシデントとも言えないものだが、ちょっと複雑な気分だ。

 カップ戦を除くと、2018年2月17日に開催されたエクスフィニティ・シリーズのデイトナ(PowerShares QQQ 300)で、レディックがエリオット・サドラーを0.0004秒差で下して優勝した経緯があるので、史上最短(僅差)とは言えないのだが。アトランタに次ぎ、またしてもフォードは超僅差での優勝を逃し、今シーズン初勝利は次戦のダーリントンに持ち越された。

 ブッシャー、エリオット、トゥレックス、ハムリン、ベル、アレックス・ボウマン、カイル、グラグソン、マクダゥエルのトップ10。11位ケセロウスキー、12位ブレイニー、13位ネメチェック、15位ジョシュ・ベリー、17位ウォレス、19位チャステイン、20位レディック、21位チェイス・ブリスコー、23位バイロン、25位オースティン・ディロン、27位スアレス、28位プリース、32位ギブス、34位ロガーノ、37位シンドリック、38位ジョンソンと言うところ。

 ジェイミー・リトルのインタヴューに歓喜するラーソンと、リーガン・スミスに静かに答えるブッシャーはあまりにも対照的で、勝者と敗者の明暗がくっきり。カイル<推し>の僕としては、2レース連続で全ステージでトップ10に入ったことを復調の兆し、と受け取りますか。次戦はスロウバックで有名なダーリントンの400マイル。カイルとフォードの初勝利に期待しますか。