最後のコーションが勝敗を分けた!ボウマンが8人目のウィナー(NASCAR第9戦:リッチモンド) | 日日不穏日記・アメブロ版

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 NASCAR第9戦:リッチモンドは、バージニア州リッチモンドのリッチモンド・レースウェイで開催される「Toyota Owners 400」。0.75マイル(1.2キロ)を400周(300マイル/480キロ)を3ステージ制(80+155+165)。PPは、マーティン・トゥレックス・ジュニア、2位はデニー・ハムリンのJGR勢。

 去年は春のレースは中止、秋のプレーオフではブラッド・ケセロウスキーが勝利しており、現役では、カイル・ブッシュが6勝と非常に相性の良いトラックでもある。ハムリン、トゥレックスのフロントローでグリーンフラッグ。トゥレックスがリード、チェイス・エリオット、ハムリン、ジョーイ・ロガーノ、ライアン・ブレイニーが追う。

 30LAP終了でコンペティションコーションが入る。エリオットがペンスキー2台に抜かれたくらいで大きな変動はなし。リードラップカーが一斉にピットイン。ハムリン(+1)、トゥレックス(ー1)、ブレイニー、ロガーノ、エリオットのトップ5。6位にいたケビン・ハーヴィックがトップ10にも入っていないのが気になる。

 ダニエル・スアレスがアンコントロールタイヤでペナルティを受ける。38LAPにハムリンとトゥレックスのフロントローでリスタート。アウト側選択のハムリンが先行、ロガーノ、トゥレックス、ウィリアム・バイロン、ブレイニーが追う。53LAP、エリオットは、クリストファー・ベルに続き、ブラッド・ケセロウスキーにもパスされ、8位にドロップ。ピリッとしない。

 70LAP、ハムリンは依然トップを快走しているが、今シーズン523LAPをリードしているとの表記が出る。優勝こそないが、8レースでトップ5が7回と安定感は随一(ホームステッドの11位が唯一のトップ10圏外)。ポイントでも他のドライバーを引き離してダントツで、レギュラーシーズンチャンピオンの最右翼。アベレージフィニッシュは4.5。

 一方、エリオットは72LAPの時点で15位にまで落ちている。カイル・ラーソンや、バイロンに優勝で先を越され、ディフェンディングチャンピオンとしては、今シーズンイマイチだ。ファイナルラップ、トゥレックスがロガーノをアウトから捉え、2位にJGR1-2となる。

 そのままハムリンがステージ1を制し、トゥレックス、ロガーノ、バイロン、ブレイニー、ベル、ボウマン、オースティン・ディロン、ケセロウスキー、ハーヴィックのトップ10。リードラップカーがピットイン。ハムリン、トゥレックス、ロガーノ、バイロン、ブレイニーのトップ5は変わらず。7位に4ポジション上げて、カイル・ブッシュが浮上してきたのが目を引く。

 11(91)LAP、ハムリン、トゥレックスのフロントローでリスタート。ハムリンがリードし、トゥレックス、ロガーノ、ブレイニーが続き、5位をバイロンとボウマンが争う。17(97)LAP、ボウマンがブレイニーを抜き4位に浮上。24(104)LAP、トゥレックスがインからハムリンをパスし、リードチェンジ。
 
 映像は少し飛んで、36(116)LAPのピットアウト。トゥレックス、ハムリンが同時に入っていたようで、トップ4のポジションは変わらず。エリック・アルミローラが9位のブレイニーを追い回している。大分下がったな、ブレイニー。58(138)LAP、カイル、ハーヴィック、ボウマンがピットイン。

 ロガーノらもピットイン。いずれも4タイヤ、ピットサイクルが短いから、給油缶は1本だ。61(141)LAP、ライアン・ニューマンが、ラーソン、オースティン・シンドリックとの3ワイドとなり、ターン3でシンドリックとヒットし、スピン。これが3回目のコーション。ダメージはさほどではないが、ショートオーバルなので、トラックに復帰するまで時間がかかる。

 まだピットに入っていなかったケセロウスキー、ディロンら何台かがピットイン。68(148)LAP、トゥレックスとハーヴィックのフロントローでリスタート。トゥレックスがリードし、ハムリン、ハーヴィック、ケセロウスキー、ロガーノが続く。81(161)LAP、トゥレックスのトップは依然続き、ハムリンに0.893秒、ハーヴィックが2.970秒、ロガーノは
3.813秒、ケセロウスキーが4.471秒差のトップ5。

 103(181)LAP、トゥレックス、ハムリンのトップ2がピットイン。ここでハムリンがトゥレックスを逆転。事実上のリードチェンジになる。ケセロウスキー、ベル、カート・ブッシュ、ブレイニーの4台がステイアウト中。ハムリンは5位にいる。125(205)LAP、ハムリンがケセロウスキーをあっさりパス。

 ブレイニーもまだポジションを落としながら、トラック上に残っているが、2度目のコーション狙いだったか。それに頼るしかないほど、マシンの出来が悪いのか?2台の狙いは不発に終わる。146(226)LAP、ハムリンは14位のエリオットを捉え、ラップダウンに。150(230)LAP、ケセロウスキーも同じ運命に。

 ケセロウスキーは燃費レースで、最後まで走り切る作戦だったのか。もう、トップ10からも転落してしまったが・・・フリーパスポジションなどと実況は言っているが、とてもそのポジションを守れるとは思えない。ピットストップしても、同じポジションなら、ガマンのレースで走り切るのか。少し気の毒な気がするが。結局、フリーパスを得たのはエリオット。



 そのままハムリンがステージ2も制し、トゥレックス、ロガーノ、ボウマン、ハーヴィック、マット・ディベネデット、カイル、バイロン、ベル、アルミローラのトップ10。トップ3は、ステージ1と変わらない。リードラップカーが一斉にピットイン。ハムリン、トゥレックス、ロガーノ、ハーヴィック(+1)、カイル(+2)のトップ5。

 ボウマンがポジションを5つ落として、9位からのリスタートになる(アンコントロールタイヤで、ボウマンはテールエンドへ)。ここまでは、JGRの2台、ハムリンとトゥレックスの争いだ。リードラップもこの2人がほぼ独占している。ファイナルステージで流れは変わるか?248LAP、ハムリンとトゥレックスのフロントローでリスタート。

 ハムリンがリード。ロガーノ、トゥレックス、カイル、ハーヴィックが追う展開。映像が飛び、291LAP、ディロン、ラーソンらがピットイン、アンダーグリーンピットの開始だ。ボウマン、ベルも入る中、293LAP、カイルもピットイン。ハムリン、ロガーノのトップ2は変わらないが、トゥレックスはカイルに先行を許し、スピードペナルティで大きく後退、トップ10圏外へ。

 312LAP、ハムリンがロガーノに1.478秒のリードをつけ、トップをキープ。カイルが5.850秒、ハーヴィックは10.016秒、ベルが10.169秒のトップ10。トゥレックスはリードラップ最後尾の12位。フリーパスのポジションには相変わらず、ケセロウスキーがおり、浮上出来ない。

 333LAP、ハムリンに食い下がっているのは、ロガーノのみ。3位以下は大きく差が開き、この2人のバトルに見えてきた。335LAP、ロガーノがインからハムリンを捉え、リードチェンジ。338LAP、ボウマンがハーヴィックを抜き、トップ5に。一時はリードラップ最後尾にいたことを考えれば、かなりのモーメンタム。とは言え、トップとの差はかなりある。

 コーションが一度出れば、局面は変わってくるかもしれないが。341LAP、バイロンがピットイン、4タイヤチェンジ、給油のフルサービス。前の周回に入り損ねたようにも見えたが。343LAP、ロガーノが。次の周にハムリンが入ってくる。ピットインでスライドしながら入ってきたカイルは案の定、ピットスルーのペナルティを取られて後退する。

 349LAP、カイルはハムリンにパスされ(その前にロガーノにも抜かれていた筈だから)、ラップダウンに。ここからは追い上げるしかない。フリーパスポジションだが、3位にいたことを考えれば、全然喜べない。354LAP、ロガーノ、ハムリン、ベル、ボウマン、ハーヴィックのトップ5。

 381LAP、トップのロガーノに再三ハムリンがオーバーテイクを仕掛けていたその時、5位のハーヴィックが右リアタイヤがバーストし、スピン、クラッシュ!5回目のコーションとなる。右フロントとリアにダメージを負い、ピットへ。カイルがフリーパスを得る。ロガーノ、ハムリンについていくスピードがあったのだから当然だろう。

 リードラップカーが一斉にピットイン。ハムリン(+1)、ロガーノ(ー1)、ボウマン、ベル、アルミローラのトップ5。ハムリンのクルーはハイタッチだが、これでリードはチャラ。レースは分からなくなった。ハーヴィックは2ラップダウンの18位へと順位を落としている。

 389LAP、ハムリン、ロガーノのフロントローでリスタート。ハムリンはイン側を選択、ハムリンがリード。ハムリンの後ろにいたボウマンが続く。391LAPにハムリンを抜いてボウマンがトップに立つ。ショートトラックだけに残り12周はあっという間。トラフィックはあったものの、そのままボウマンがキャリア3勝目を飾った。

 ハムリン、ロガーノ、ベル、トゥレックス、アルミローラ、バイロン、カイル、ディベネデット、ディロンのトップ10。11位ブレイニー、12位エリオット、13位カート、14位ケセロウスキー、18位ラーソン、24位ハーヴィック、25位コール・カスター、26位バッバ・ウォレス、28位シンドリックといったところ。

 ボウマンは一昨年のシカゴランド、去年のフォンタナに次ぐ3年連続の勝利。カーナンバー48としては、2017年のドーバー以来の勝利で、アリー・ファイナンシャルとしては初勝利。ボウマンは今年必ず勝つと思っていたので、正直嬉しい。これで9戦で8人目のウィナー誕生となった。

 400周中207周をリードしたハムリンはまたしても勝てず(トゥレックスが107周、ロガーノは49周)、これだけの安定杏がありながら勝てないのを見ると、1992年のF1モナコGPで今は亡き今宮純さんが、「勝てませんねぇ、(ナイジェル)マンセル、ルノー」と言ったのを思い出す。

 まぁ、まず間違いなく勝てるとは思うけども。ハーヴィックは不運にも下位に沈んでしまったものの、アルミローラが6位フィニッシュ。SHRでハーヴィック以外で初のトップ10。ハーヴィックのクラッシュがなければ、ハムリンがロガーノを捉えて優勝していた可能性はかなり高かったので、この意外性もNASCARそのもの。

 次戦には、更に予想が困難なタラデガが控えています。