波乱の初ダートをロガーノが制し、7戦連続新規ウィナー(NASCAR第7戦:ブリストル/ダート) | 日日不穏日記・アメブロ版

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 NASCAR第7戦:ブリストル「Food City Dirt Race」は、テネシー州ブリストルのブリストル・モータースピードウェイでの開催。世界最速のハーフマイルというフレーズとは反して、アスファルト路面に土砂を入れてのダートレース。当初の構想では、0.533マイル(858m)を通常の半分の250LAP。

 133.25マイル(214.445キロ)を3ステージ制(50+50+150LAP)で行う予定だったのが、キャンピンワールド・トラックシリーズとカップシリーズの予選は雨のため、全て中止になり、カップシリーズの予選は指数計算方式でカイル・ラーソンが獲得したものの、エンジンチェンジをしたためにリアに下がり、デニー・ハムリンがトップからスタート。

 ステージ分けも当初と変更され、100+100+50LAPの3ステージに。1、2ステージの中間にコンペティションコーションが設けられる変則ルールとなり、当初のようにステージ間コーションとコンペティションコーションのみで、作業はこの4回のコーションのみで認められ、クラッシュ時のみを除き、タイヤ交換、給油、アジャストは禁止。

 ステージが終了すると、順位は凍結され、NASCARが決めた時間内に終われば、リスタートの順位は変わらないという、特殊ルール。NASCARも、想定外の事態を想定して、安全性に配慮したものを用意したものの、今回の天候悪化はそれを超えたものであったため、さらにルール変更。

 ステージ分けはあるものの、コンペティションコーションを含め、50LAPごとの5レースという展開に。詳しくは、ZURA SPORTS webさんを参考にしてください。分かりやすく書かれています(リンク先)。レースは、3月28日から、29日に順延。ここからスタート。

 フューエルウィンドウは、150~160LAP、ピットロードスピードは30マイル。1日順延で入場制限がかかっていることを考えれば、客席にはそれなりに観客は入っている。NASCAR久しぶりのダートレースに興味津々なのだろうか。グリーンフラッグ。まずはハムリンが飛び出すが、カイル・ブッシュがすぐにインからパスしてリードチェンジ。

 9LAP、ハムリンをパスしたマーティン・トゥレックス・ジュニアがカイルを抜いてトップに立つ。カイルは早くもオーバーヒートしてピットロードへ。早々にラップダウン。一方、ラーソンは25LAPの時点で早くも16位。さすがダートレース慣れしているだけのことはある。

 41LAP、エリック・アルミローラがスピン、コリー・ラジョイを巻き込み、シェーン・ゴロビッチ、アンソニー・アルフレドら後続車両が次々クラッシュ。アルミローラは、ボンネットがベロベロになり、到底走れる状態ではなく、この4台は早々にリタイア。これが初のコーション。

 トゥレックスもきわどいタイミングで、ハーフマイルトラックだけに、トップも後方もないので、いつ巻き込まれるか分からない。コーションから、レッドフラッグに。レッカーでリタイアしたマシンが運び出され、46LAPにリスタート。トゥレックスがリードするが、48LAPにライアン・ニューマンとラーソンとバトルをしていたウィリアム・バイロンがコンタクトし、ニューマンがスピン。

 ケビン・ハーヴィックは、そのあおりで、チームメイトのチェイス・ブリスコーと接触。後方では何台か巻き込まれたマシンがあったようだが、追いきれない。2回目のコーション&レッドフラッグ。そのままコンペティションコーションとなり、各マシンがピットイン。

 規定時間以内であれば、順位は凍結されるので、タイヤチェンジ、給油、アジャストも、どこかのんびりしている印象を受ける。カイルはエンジンチェンジ、大きなアジャストをしているマシンは何台もいる。51LAPにトゥレックスとクリストファー・ベルのフロントローでリスタート。

 53LAPにベルがスピンし、そこにラーソンがTボーン!そこにロス・チャステインが絡み、ベルとラーソンはフロント大破。他にも巻き込まれたマシンがいるようだが、確かブリスコーがいたような。早くも3回目のコーション。ベルは結局リタイア。34位に終わる。60LAP、トゥレックスとアレックス・ボウマンのフロントローでリスタート。

 トップ5にいたラーソンは31位まで順位を落としている。レースはまだ序盤だが、マシンのダメージを鑑みるに、巻き返しは難しいだろう。69LAP、トゥレックスのトップは続き、ダニエル・スアレスが0.700秒、バイロンは2.350秒、ライアン・ブレイニーが3.398秒、ハムリンは3.872秒差のトップ5。

 93LAP、健闘していたスアレスをラップダウンに詰まったのを利用して、バイロンが捉え、2位に浮上。ダート路面も、走行ラインはアスファルトが目立ち始め、そのまま大きな動きがないまま、トゥレックスがステージ1を制した。バイロン、ハムリン、スアレス、ブレイニー、ジョーイ・ロガーノ、バッバ・ウォレス、ニューマン、リッキー・ステンハウス・ジュニア、クリス・ブッシャーのトップ10。

 リードラップカーが一斉にピットイン。路面が汚れるダートレースなので、チューズも適用されない。トゥレックス、バイロンのフロントローで、2(102)LAPにリスタート。トゥレックスがリードし、スアレス、バイロン、ロガーノ、ハムリンが続く。

 29(129)LAP、トゥレックスがスアレスに0.343秒差をつけトップをキープ。バイロンは1.203秒、ロガーノが2.895秒、ニューマンは3.549秒差のトップ5。35(135)LAP、スアレスがトゥレックスのインに飛び込みパスし、リードチェンジ。この乱戦でスアレス大健闘。バイロンも2位を窺う。



 43(143)LAP、目立たなかったチェイス・エリオットがブレイニーを抜いて8位に浮上。トップのスアレスにパスされたラーソンが、コンタクトし、ボンネットが歪んでしまい、さらにダメージが蓄積。コンペティションコーション目前だけにマシンのリペアが必要になる。

 50(150)LAP終了でコンペティションが入る。スアレス、バイロン、トゥレックス、ロガーノ、ニューマンのトップ5。ステージウィンではないが、スアレスのどや顔が映る。クイーン・ハフとか全ドライバーの撮影をしているんだろうか?だろうな。NASCARは何が起きるか分からないから。

 これが5回目のコーション。スアレスを先頭に全マシンがピットイン。タイヤチェンジ、リペア、アジャストを入念に行う。ステージ間コーションだけでなく、コンペティションコーションでも順位の変動はないようだ。交換したタイヤをFOXのレポーターが紹介しているが、丸坊主。50LAPごとのルールにしたのは正解だったようだ。

 マシンが大破したマシンのリストが出ている。ハフ、オースティン・ディロン、ラーソン、ブレイニー、カイル、マイケル・マクダゥエル、ライアン・プリース、ボウマン、コディ・ウェアー、JJ・イエリー・・・まさに死屍累々。カイルのブレイニーもリペアしていたし、ラーソンに至っては、ボンネット全撤去。

 59(159)LAP、スアレス、ボウマンのフロントローでリスタート。スアレスがリードし、ロガーノが続く。その遥か後ろでブリスコーがインサイドウォールにクラッシュ。6回目のコーションだ。70(170)LAP、シングルファイルでリスタート。スアレスが先行し、ロガーノが続く。

 ロガーノとコンタクトしながら、ポジションキープをするスアレス。トゥレックス、バイロンが追い、先の見えない展開。83(183)LAP、ハムリンがトゥレックスを捉え、3位にポジションをアップ。85(185)LAP、ウェアがスピンし、7回目のコーション。予想されていたものの、ステージ2になっても、ダートは荒れる。

 スアレス、ロガーノ、ハムリン、トゥレックス、バイロンのトップ5。ブリストルの外壁には、過去最多勝(12)のダレル・ウォルトリップの肖像画が飾られている。現役最多はカイルの8勝だ。それを塗り替えるのは厳しいとは思うが。92(192)LAPにシングルファイルでリスタート。

 94(194)LAP、イン側のロガーノがスアレスを捉える。今年新規参戦のトラックハウス・レーシングで快走を見せていたスアレスを容赦なくパスしていくロガーノの非情さ、嫌らしさは特筆に値するとして(いかん、アンチロガーノがここでも出てしまう)、そのまま逃げ切り、ステージウィン。

 スアレス、ハムリン、トゥレックス、ニューマン、ステンハウス、ウォレス、エリック・ジョーンズ、タイラー・レディック、エリオットのトップ10。各マシンがピットを済ませ、トラックに復帰し、202LAPにシングルファイルでリスタート。ロガーノ、ハムリンが飛び出し、スアレスとトゥレックスが3位争いをし、ニューマンが追う。

 216LAP、ステンハウスのプッシュで、エリオット、バイロンにも次々と抜かれてゆくウォレスは360度のスピン!ノーコーションだったが、ポジションを一気に下げる。226LAP、トゥレックスの猛追にスアレスが遂に3位の座を明け渡す。230LAPにステンハウスがニューマンを捉え、6位に浮上。意外なダークホースが姿を現した。

 240LAP、ステンハウスがスアレスを抜き4位に。245LAPにハムリンが、アウトに膨れてウォールにブラッシュ、マシンにダメージこそなかったが、トゥレックスに捉えられ、3位に後退。すぐに抜き返すが、その直後にマイク・マーラーがイン側のウォールにクラッシュ、押されたかどうかは画面では分からない。これが9回目のコーション。

 ロガーノ、ハムリン、トゥレックス、ステンハウス、スアレスのトップ5で、今シーズン初のNASCARオーバータイム。2LAPのシュートアウト。ロガーノに引き離され、勝機を失っていたハムリンにチャンスが巡ってきた。リスタート。ロガーノがリードし、ハムリンはアウトに膨れて、ステンハウスに先行を許し、そのままファイナルラップ。

 ロガーノが逃げ切り、今シーズン初勝利。これで7戦連続違うウィナーという結果になった。ロガーノの力をもってすれば、優勝は意外ではないが、ステージ1でラーソン、カイルと言った有力ドライバーが消えたのは大きい。ステージ2を制した勢いで、そのまま押し切った感が強い。

 ステンハウス、ハムリン、スアレス、ニューマン、バイロン、レディック、ブレイニー、エリック・ジョーンズ、エリオットのトップ10。ステンハウス、スアレス、ジョーンズが入ったのは、初物のブリストル。いや、ドライバーの走りそのものと言って良いだろう。

 11位ケセロウスキー、12位マクダゥエル、13位ディベネデット、15位ハーヴィック、16位カート・ブッシュ、17位カイル、19位トゥレックス、20位ブリスコー、22位アレックス・ボウマン、24位コール・カスター、27位ウォレス、29位ラーソン、34位ベル、36位アルミローラと言ったところ。

 ロガーノはバーンアウトを決め、喜びを爆発させたが、歓声とブーイングが相半ばする。ま、それがロガーノのキャラだからw。これで2014年以来の7戦連続新規ウィナーの記録と並んだ。遡れば2000年まで行くというが、まだ勝ててないトップドライバーはまだまだいる。ハーヴィック、ハムリン、カイル、トゥレックスなどがシーズンで勝ちまくった流れには、どうやらいきそうもない。次戦は、1週休んで、ハーフマイルトラックのマーティンズビル。ここで2勝目を挙げるドライバーが出るかどうか。