マクダゥエル、まさかのキャリア初優勝!(NASCAR開幕戦:デイトナ500) | 日日不穏日記・アメブロ版

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 NASCAR開幕戦:デイトナ500。NASCAR最大、去年は、第4戦:フェニックスまでが通常開催で、コロナ禍で2ケ月休んで、ダーリントン2連戦。以降、2日連続開催のポコノ(元々決まってはいたが)を含めて、週2回開催を連発して、レギュラーシーズン26戦を消化してプレーオフへ。今年は予定通りの開催になって欲しいと思っている。

 予選と予選レース(Duel)の結果、PPは、アレックス・ボウマン、もう1台のフロントローはウィリアム・バイロン。エリック・アルミローラ、バッバ・ウォレス(23Ⅺレーシング/23)、リッキー・ステンハウス・ジュニアのトップ5。デイトナ500の予選は相変らずヘンドリックが強い。

 ディフェンディングチャンピオンのチェイス・エリオットは11位、NASCARにヘンドリックの一員として戻ってきたカイル・ラーソン<5>は予選15位。エリック・ジョーンズに代わり、JGR入りしたクリストファー・ベル<20>は7位、スポットでチーム・ペンスキーから参戦するオースティン・シンドリック(ペンスキー育成ドライバー、エクスフィニティでの開幕デイトナで優勝/33)は19位、スチュワート・ハースのルーキー、チェイス・ブリスコー<14>は22位。

 ニューカマーや、移籍組の若手がトップチームから出走するので、覚えておかないといけない。2016年からの5年間で3回優勝しているデニー・ハムリン(2016、19、20)は史上初の3連覇がかかる。過去の2連覇は、リチャード・ペティ(1973、74)、ケール・ヤーボロー(1983、84)、スターリング・マーリン(1957~、1994、95)の3例のみ。

 ハムリンが3連覇すれば、大変な快挙。優勝回数でも最多のペティ7回、ヤーボロー4回、デイル・ジャレット(1956~、1999年ウィンストンカップシリーズチャンピオン、キャリア32勝)3回、ジェフ・ゴードン3回という、NASCAR史上のレジェンドに現時点で肩を並べている。

 デイトナ・インタナショナルスピードウェイの2.5マイル(4キロ)を200周を65+65+70周の3ステージ制。去年に続き、スパイアーモータースポーツから、ジェイミー・マクマーレイ<77>がスポット参戦。マクマーレイは2010年にラウシュ・フェンウェイ・レーシングから、アーンハート・ガナッシ・レーシングへの移籍初戦となったデイトナ500で、優勝を飾っている。

 WWEスマックダウンチャンピオンのサーシャ・バンクスがグリーンフラッグを振る。ボウマンがトップを守り、ケビン・ハーヴィック、カイル・ブッシュ、オースティン・ディロンが続く。3LAP、デリック・コープがターン3でクラッシュし、いきなりのコーション。コープはここでリタイア、40位に終わる。

 ハーヴィック、エリック・アルミローラ、ベル、ライアン・ニューマン、ボウマンのトップ5で、8LAPリスタート。イン側のハーヴィック、アルミローラ、ベルがリードするが、14LAP、後ろのカイルにタップされたベルがアルミローラにヒット、スピンしたアルミローラは、アウト側トップのボウマンとクラッシュ!後方のマシンが次々と巻き込まれ、死屍累々。

 そのままレッドフラッグに。カート・ブッシュ、ライアン・ニューマン、レディック、アルミローラ、ライアン・ブレイニー、クリス・ブッシャー、マーティン・トゥレックス・ジュニア、ベル、マット・ディベネデット、バイロン、デヴィッド・レーガン、アンソニー・アルフレード、エリック・ジョーンズ、ボウマン、マクマーレイ、ダニエル・スアレスの16台が巻き込まれるビッグワンに(下線はリタイア)。

 10台が早々にリタイア。今年もデイトナは荒れに荒れる。エリオット、ディロン、ラーソン、ライアン・プリース、ステンハウスとトップ5はシボレーに変わり、30LAPにリスタート。33LAP、ディロン、コール・カスターに次いで、ハムリンが遂にトップに立つ。一方、リアをリペアしたバイロンのパーツが剥がれ、トラック上に飛び散る。

 37LAP、ボロボロのバイロンがピットイン。このまま走り続ければ、遠からずコーションが出ていただろうから、ホッとする。38LAP、と思ったら、クイーン・ハフがウォールにクラッシュ。ブリスコーも火花を散らせていたから、両者がコンタクトしたいたのだろうか?肝心な部分のリプレイがない。

 これが3回目のコーション。ハムリン、ブラッド・ケセロウスキー、ウォレス、カイル、ジョーイ・ロガーノのトップ5。バイロンがガチガチにテープでマシンを固定している。44LAPリスタート。ハムリンがトップに。カイル、プリースが続く。シングルファイルが続いたが、ファイナルラップに均衡が崩れた。

 ディロンが飛び込み、プリースがブロック。カイルは下がってゆく。ハムリンはそのままプリースを抑え、ステージウィン。ディロン、ラーソン、シンドリック、ベル、ウォレス、ロガーノ、ロス・チャステイン、カスターのトップ10。リードラップかーが一斉にピットイン。

 ハムリン、ベル(+4)、ディロン、シンドリック(+1)、ラーソン(ー1)のトップ5。いずれも4タイヤチェンジだ。7(72)LAPにリスタート。シンドリックをロガーノ、ケセロウスキーのペンスキーが。ハムリンをベルがサポート。アウト側のシンドリックがリード、が、ハムリンも盛り返す。

 シングルファイルに変わり、ベル、カイル、ハムリン、ディロン、シンドリックのトップ5に。30周以上、全く動きがなかったレースだったが、38(103)LAPにシンドリック、ロガーノ、ケセロウスキー、ハーヴィック、カスター、ブリスコーら、フォード勢がピットイン。確認する範囲では、フューエルオンリーだ。

 続いて、ベル、カイル、ハムリン、トゥレックス、ウォレスらトヨタ勢が。最後にディロンを先頭にシボレー勢が入る。45(110)LAPにハムリンがハーヴィックを先頭とするフォード勢を捉え、トップに復帰。その直後にバランスを崩したベルとステンハウスが接触し、2台ともスピン!これが5回目のコーションとなる。

 ここでリペアをしているベルの他に、ラーソン、ケセロウスキー、カスター、エリオットなどがピットイン。ラーソンはベルとは微妙だが、ステンハウスとはヒットしているし、タイヤの摩耗もある。コンサバに4タイヤチェンジ。カズ・グラーラのブレーキローターは真っ赤になり、発火、消火活動。リタイアとなり、28位に終わります。



 グラーラが消化が済むと、マシンを走らせ、再び発火している間にリスタート。スタートの混乱の隙をつき、ハーヴィックがトップに立つものの、ウォレスのアシストで、55(120)LAPにハムリンがまたまたトップに返り咲く。ハムリン、ケセロウスキーのトップ争いが続いていたものの、暫くしてシングルファイルに。

 ハムリン、ウォレス、ハーヴィック、ディロン、エリオットのトップ5で再びシングルファイルに。64(129)LAPにマイケル・マクダゥエルがインに切り込むとケセロウスキー、ロガーノ、カイル、ディロンが続き、追い上げ態勢に。彼らをウォレスが抑えにかかり、一転、3ワイドへ。

 一度は前に出たウォレスもアウト側から動かなかったハムリンにかわされ、ハーヴィックが続き、ウォレスは3位。エリオット、ディロン、ロガーノ、マクダゥエル、ラーソン、カイル、ケセロウスキーのトップ10。ハムリンは、ステージ1に続き、ステージ2も制し、デイトナ500での強さを見せつけた。

 リードラップカーが一斉にピットイン。ディロン(+4)、ハムリン(ー1)、マクダゥエル(+4)、ハーヴィック(ー2)、ウォレス(ー2)のトップ5。ハーヴィック以下は4タイヤチェンジで、トップ3は2タイヤ。2タイヤ勢は、ポジションキープを選択したってところだろうか。

 137LAPにリスタート。ハムリンはマクダゥエルのプッシュを受けてアウト側に切り込んで、トップを奪い、140LAPには、ハムリン、ハーヴィック、ロガーノ、カイル、シンドリックのトップ5。ハムリンは64LAPをリードして、ここまではレースを支配している。皆、ファイナルピット後に勝負を賭けているので、誰も仕掛けず。ハムリンがリードラップを積み重ねてゆく。

 均衡が崩れたのは、171LAP、ハーヴィックを先頭とするフォード勢がピットイン。翌周にヘンドリック勢を中心にシボレー勢が、その2周後にトヨタ勢がピットイン。ハムリン、カイル、ウォレスがトップ3になったものの、ユーザーの数が少ない悲しさ、ロガーノを先頭とするフォード、シボレーのパックに名成す術ナシ。

 175LAP、あっさりリードチェンジ。3台がとトヨタ勢は数が少ない上、それぞれが単独走行なので、どうしようもないところ。カイルが9位、ウォレスは11位、ハムリンが13位とパックの後方に滑り込む。179LAP、ウォレスが、トラブルを抱えたか、緊急ピットイン。ハムリンとは同じチームのようなもんだし、チームメイトのカイルよりは確実に御しやすい。これは痛い。

 181LAP、ウォレスがラップダウンに。「バイブレーション」って言っているようで。184LAPの時点で、ロガーノ、ハーヴィック、カスター、ケセロウスキー、マクダゥエルのトップ5。シングルファイルで動けないが、レースは終盤だ。誰が、どこで仕掛けるか?

 190LAPにカスターが仕掛けたのか、飛び出したのか?ロス・チャステインら数台がイン側に外れるが、そのままパックの後方に下がるだけの結果に。シングルファイルはまだ続く。カスターがポジションを下げたため、ロガーノ、ハーヴィック、ケセロウスキー、マクダゥエル、ディロンのトップ5に。

 199LAP、遂にケセロウスキーが動いた。ターンで飛び込み、ハーヴィックのインに。ロガーノはケセロウスキーを抑え、ケセロウスキーの後ろにマクダゥエル以下が続き、ハーヴィックが外されて、じりじり後退。ファイナルラップに。下がったハーヴィックは10位前後だろうか。その後ろにウォレス、カスターが続いてプッシュ。ただ、ハーヴィックのスピードはそれほど上がらず。ディロンが前に入る。

 その直後、ロガーノ捉えようとインに動いたケセロウスキーをマクダゥエルがプッシュ、ケセロウスキーをブロックしに行ったロガーノ。最初はマクダゥエルがペンスキー2台を潰したように見えたんだけど(結果は同じ)、3台が同じタイミングで動いてしまったために、ペンスキーのチームメイト2台がクラッシュしてしまい、ケセロウスキー、カイル、チャステイン、ウォレスなど、後続のマシン数台がハードクラッシュ、火災が発生したためにコーションが出て、その時点で、トップにいたマクダゥエルがデイトナ500優勝。

 エリオット、ディロン、ハーヴィック、ハムリン、プリース、チャステイン、マクマーレイ、コリー・ラジョイ、ラーソンのトップ10。フォロントロー・モータースポーツとしては、2013年の第10戦:タラデガのデヴィッド・レーガン、デヴィッド・ギリランドの奇跡の1-2の再現。それを2021年にマクダゥエルがやってのけた。

 チームとしては、2016年第21戦:ポコノでのブッシャー(レース中断終了)以来、5年ぶり3勝目。これまでトップ10が12回、36歳のマクダゥエルがキャリア初優勝。勝利の瞬間、チームクルーが飛び出して喜びを爆発させる快挙。フラッグを受け取り、満面の笑みでインタヴューに答えるマクダゥエル。

 ペンスキー同士の優勝争いになると思われた最後の最後での逆転劇。2010年からの優勝者を見ても、ヘンドリック、ジョーギブス、ペンスキー、スチュワート・ハース、ガナッシ、ラウシュ(当時)と言った強豪チームでの優勝が殆ど。誰が勝つか分からないNASCARでも、弱小チームが勝つのはまれ。

 2011年のトレバー・ベイン(ウッドブラザース)、2018年のディロン(リチャード・チルドレス)も、それなりに実績のあるチーム。開幕戦から大波乱のレースだったNASCAR。次戦は、デイトナでの連続開催でロードコースでのレースとなる。ロードマイスターのエリオットを止めるのは誰だろうか?