ケセロウスキーがエリオット退け、ビッグレースを制す(NASCAR第7戦:コカ・コーラ600) | 日日不穏日記・アメブロ版

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gooで公開している同名のブログ(主に身辺雑記)とは別にモータースポーツに特化して立ち上げたブログ。現在はNASCAR推し。YouTubeで全36戦を追いかけます。オフシーズンは、他のモータースポーツの記事も書きます。

 メモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)ウイークエンドに開催されるNASCARのビッグイベント、コカ・コーラ600。例年は、F1モナコGP、インディ500と並んで開催される(モナコGPは、メモリアルデーウイークエンドとは無関係だが)が、コロナ禍により、モナコGPは中止、インディ500は8月23日に延期され、この日に開催されるのは、無観客レースではあるが、コカ・コーラ600のみになった。

 

 全ドライバーのマシンには、戦没将兵の名前が貼られるのは、ダニエル・スアレスを除いてドライバーが全てアメリカ人だからこそ出来ることだろう。ドライバーは全てマスクを着用。インタヴューを受けていたオースティン・ディロンはマスクで顔を全面的に覆ってサングラス着用。ヘアスタイルと声でようやく判断出来るくらいの完全武装。

 

 PPは2010年のウイナー、カート・ブッシュで28回目の獲得となる。もう1台のフロントローは、3連覇を含め、4勝を挙げているジミー・ジョンソン。過去最多勝は、70年代~80年代を席捲したダレル・ウォルトリップの5勝だ。レース前セレモニーが中継されていたが、いずれもリモート。この状況はいつまで続くのだろうか。

 

 レースアナライシスは、1.5マイル(2.4キロ)を400LAPの4ステージ制(100×4)で600マイル(965.6キロ)、ピットロードスピードは45マイル、フューエルウィンドウは58~62LAP。20LAP終了後にコンペティションコーションが入る。グリーンフラッグ。カートがリードし、ジョンソン、マット・ケンゼス、チェイス・エリオットが続く。

 

 ケンゼスの42号車には、マクドナルドのロゴがフロントにデカデカと。完全撤退と思ってたけど、ドライバー交代で翻意したのか。20LAP終了、カート、ジョンソン、ケンゼス、エリオット、タイラー・レディックのトップ5で、コンペティションコーションが入る。カート、マーティン・トゥレックス・ジュニア(+4)、エリオット、ジョンソン(-2)、レディックのトップ5。いずれも4タイヤチェンジ。

 

  28LAP、インラインスタートのカートがトゥレックスを抑え、エリオット、ジョンソンが続く。ジョンソンがレディックとのバトル中、アウトに振れ、大きく後退していく。48LAP、降雨で2回目のコーション。カート、トゥレックス、エリオット、レディック、ロガーノのトップ5は変わらない。雨が激しくなってきた。各ドライバーはピットロードに戻り、マシンを降りる。

 

 ファーストステージの約半分でレッドフラッグだ。雨はますます激しくなる、レース再開はしばらく望めないだろう。ジェットドライヤーがトラック上に多数入り、路面の乾燥に乗り出した。延々と続く乾燥作業の間、FOXは、ドライバーへのインタヴューで繋ぐ。ロガーノやライアン・ブレイニー、マット・ケンゼスといったトップドライバーから、コリー・ラジョイ、ジョン・ハンター・ネメチェックと言ったドライバーまで。

 

 雨も上がったようだ。1時間以上の中断を経て、ドライバーがマシンに乗り込む。コーションラップが終わり、リードラップカーが一斉にピットイン。58LAP、ボ7ウマン、トゥレックスのフロントローでリスタート。60LAP、ボウマンがトップをキープ、エリオット、トゥレックス、レディック、カートが続く。

 

 71LAP、ボウマンは依然としてトップを快走、エリオットとの差を1秒以上に広げ、トゥレックス、レディック、ロガーノのトップ5。カートはカイル・ブッシュにもパスされ、7位にポジションを落としている。 82LAP、トゥレックスがエリオットをインから一気にパスし、2位へ。86LAP、ブレイニーやケビン・ハーヴィックを抑え、13位と健闘していたクリストファー・ベルが白煙を上げてスピン、が、すぐに態勢を立て直したので、ノーコーション。

 

 リプレイを見ると、明らかにブレイニーがベルをプッシュしている、これはルーキーへの洗礼か。98LAP、クリント・ボウヤーがウォールにクラッシュ!そのままマシンを引きずるように火花を上げながら走り続け、ストップ。これが3回目のコーション。マシンを降り、リタイア。デニー・ハムリンが8LAPダウンだが、このままでは最下位は確実だろう。

 

 そのままコーションチェッカー。ボウマン、トゥレックス、エリオット、レディック、ロガーノ、カイル、オースティン・ディロン、ウィリアム・バイロン、カート、ライアン・ニューマンのトップ10。リードラップカーがピットイン。ボウマン、カイル(+4)、トゥレックス(-1)、エリオット(-1)、ロガーノのトップ5、トップ10までオール4タイヤ。

 

 7(107)LAP、リスタート。イン側スタートのボウマンがカイルを抑える。トゥレックス、カイルが続き、エリオットとロガーノが4番手争い。24(124)LAP、ボウマンがトゥレックスに1.136秒、カイルとは2.249秒差をつけ、快走。ここまでのリードラップは、ボウマンが69周、カートは54周で、この2人のみ。26(126)LAP、バッバ・ウォレスがブレーキトラブルでピットイン。

 

 41(141)LAPには、ボウマンとトゥレックスの差は2.265秒まで開き、カイルは6.149秒差。このままアンダーグリーンで済むとも思えないが、ハーフウェイを超えれば、ピットに各チームは動き出す。55(155)LAP、エリオットとバイロンのヘンドリック2台がまずはピットへ。アンダーグリーンの始まりだ。

 

 60(160)LAP、遂にボウマンがピットイン、ロガーノも入っている。63(163)LAP、ジョンソンを始め、7台がステイアウト。ボウマンが8位、トゥレックスは9位、カイルが10位で続く。同LAP、ジョンソン、ブラッド・ケセロウスキーが同時にピットイン。ボウマンが再びトップに上がるのは時間の問題だろう。

 

 69(169)LAP、アンダーグリーンが一巡し、ボウマンが再びトップへ。トゥレックスは2.010秒、カイルが6.290秒差。4位のエリオットは変わらないが、5位にはバイロンが入っている。ロガーノは8位にドロップ。80(180)LAP、ボウマンとトゥレックスの差は、4.518秒とさらに広がり、独走状態に。3位以下とも差が開く一方だ。

 

 

 

 

 99(199)LAP、ボウマンのリードは、4.330秒になっているが、これは半ばクルージングなのだろう。そのままファイナルラップ。ステージ2もボウマンの圧勝。トゥレックス、カイル、バイロン、エリオット、エリック・ジョーンズ、ロガーノ、ディロン、ブレイニー、ケビン・ハーヴィックのトップ10。が、レースはまだ半分だ。誰が浮上してくるか分からないし、トゥレックスやカイルのように過去、レースをドミネイトした例もある。これからどうなるか?

 

 結局、ステージ2はノーコーションだった。このステージ間コーションが4回目のコーションとなる。リードラップカーが一斉にピットイン。ボウマン、カイル(+1)、トゥレックス(-1)、バイロン、ジョーンズ(+1)のトップ5。9(209)LAPにリスタート。ボウマンがトゥレックスを抑え、トップをキープ。バイロン、ジョーンズ、ディロンが続く。

 

 22(222)LAP、ボウマンにトゥレックスが食い下がり、バイロンも1秒以内にいる。この3台が抜け出した感。ボウマンは221LAP中、161LAPをリード。序盤のカートとピットでのリードチェンジを除けば、ほぼレースを支配している。24(224)LAP、インからトゥレックスが満を持してパス、リードチェンジ。

 

 37(237)LAP、トゥレックスはボウマンとの差を1.644秒に広げ、これまでのボウマンの独り舞台から、様相が変わってきたか。56(256)LAP、トゥてックスがピットイン、既にボウマンが先に入っている。トップグループが続々とピットに向かう。ステイアウトして、トップに躍り出たのはケセロウスキー。ロングランでポジションを上げるのは去年までのクルーチーフ、ポール・ウルフの常套手段だったが。

 

 68(268)LAP、トップはトゥレックス。ケセロウスキーはピットには行ったようで、14位に後退している。75(275)LAP、トゥレックス、ボウマン、ジョーンズ、ブレイニー、バイロンのトップ5。76(276)LAP、マット・ケンゼスがダウンし、スピン、ウォールにヒットして5回目のコーション。リードラップカーがピットイン。

 

 トゥレックス、ブレイニー(+2)、ボウマン、バイロン(+1)、ジョンソン(+2)。トップ5は揃って2タイヤチェンジ。4タイヤはジョーンズ(-6)、ディロン(-3)、カイル(+2)で8位から10位までのリスタート。残り20周でどちらのストラテジーがヒットするか?ロガーノ、ハーヴィック、エリオットの3台がステイアウト。82(282)LAPにリスタート。ロガーノ、ハーヴィックが1-2を守り、トゥレックスが追う。

 

 ハーヴィック、エリオットが下がる中、ロガーノはトゥレックスを抑えて、トップをキープ。92(292)LAP、ロガーノがボウマンを従え、依然トップ。トゥレックスは、ブレイニー、ジョンソンにパスされ、5位までドロップ。コーションで流れが大きく変わったか?ステイアウトのロガーノが、2タイヤのボウマンを逆に引き離してファイナルラップ。

 

 ウルフの作戦勝ちで、ステージ3はロガーノが制し、ボウマン、ブレイニー、トゥレックス、カイル、ジョーンズ、ケセロウスキー、ディロン、バイロン、レディックのトップ10。ロガーノという伏兵が浮上してきたが、まだまだボウマンは強い。リードラップカーが一斉にピットイン。ディベネデット(+13)、ロガーノ(-1)、ボウマン(-1)、トゥレックス(+1)、カイル(+1)のトップ5。

 

 ディベネデットが2タイヤをチョイスした以外はトップ10はいずれもコンサバに4タイヤ。308LAPにリスタート。ディベネデットとロガーノがトップを争うが、ロガーノが遅れてゆく。311LAP、ディベネデット、トゥレックス、ジョンソン、ボウマンが一団となってバトル。313LAP、トゥレックスに続き、ディベネデットはジョンソンにもパスされ、3位にドロップ。2タイヤだから仕方がない。あとは早めのコーションに期待するだけだ。

 

 327LAP、ディベネデットはケセロウスキーに次ぎバイロンにもパスされ、6位にポジションダウン。トゥレックスの過去優勝した映像が映った。2016年は、400周中392周をリードするという記録区的な圧勝劇、そして2019年も制覇している。コカ・コーラ600と言えば、最近はトゥレックスが優勝しているというイメージが強い。

 

 346LAP、トゥレックスはジョンソンに2.548秒差をつけ、トップを快走。ボウマン、ケセロウスキー、バイロンが続く。348LAP、ジョイ・ゲースが単独スピン!これが7回目のコーション。リードラップカーがピットイン。ジョンソン(+1)、ケセロウスキー(+1)、トゥレックス(-2)、エリオット(+2)、バイロンのトップ5。いずれも4タイヤチェンジ、カイルは5ポジションアップ、ボウマンは5ポジションダウンで明暗が分かれた。

 

 354LAPにリスタート。イン側スタートのケセロウスキーがジョンソンを抑えてトップに立つ。エリオット、ジョンソン、トゥレックス、ボウマンが追う展開に。363LAP、エリオットがケセロウスキーをインから刺して、リードチェンジ。378LAP、エリオットのリードは、0.930秒に広がり、このままグリーンランが続けば、優勝の可能性は大。が、そのまま行くか?

 

 順調にラップダウン車をかわし、ケセロウスキーとの差も1.6秒以上、優勝確実と思われたエリオットの足をすくったのはチームメイトのバイロンだった。7位走行中の398LAP、単独スピン!これが8回目のコーションとなるとともにNASCARオーバータイムに。悔しがるエリオット陣営。クルーチーフのアラン・グスタフソンだろうか。

 

 ここで局面が変わった。エリオット、トゥレックス、カイルらがピットに入ったのに対し、ケセロウスキー、ジョンソン、ボウマンはステイアウト。残り2周のスプリントレース。ケセロウスキーとジョンソンのフロントローでリスタート。ケセロウスキーがジョンソンを抑え、この2台の争いでファイナルラップ。

 

 そのままケセロウスキーが逃げ切り、今シーズン初勝利、通算31勝目。ジョンソン、エリオット、ブレイニー、カイル、ハーヴィック、トゥレックス、カート、レディック、ベルのトップ10だったが・・・ジョンソンは、レース後のインスペクションで失格。全ステージでポイントを取っていたものの、全て剥奪となってしまい、代わって10位にはクリス・ブッシャーが入った。

 

 ケセロウスキーはいつものようにアメリカ国旗を掲げてバーンアウト。十中八九手にしていた優勝の逃したエリオットにカイルが何事か語り掛ける。2人はもう和解しているようだ。11位ジョーンズ、13位ロガーノ、15位アルミローラ、17位ディベネデット、19位ボウマン、20位バイロン、ハムリン29位に終わっている。最後のコーションがなければ、エリオットが確実に勝っていたレースだった。が、これもNASCAR。この試練を乗り越えて、コカ・コーラ600、デイトナ500を制覇して欲しい。