<錆びない鉄人>ハーヴィックが通算50勝目!(NASCAR第5戦:ダーリントン) | 日日不穏日記・アメブロ版

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gooで公開している同名のブログ(主に身辺雑記)とは別にモータースポーツに特化して立ち上げたブログ。現在はNASCAR推し。YouTubeで全36戦を追いかけます。オフシーズンは、他のモータースポーツの記事も書きます。

 NASCARが2ケ月ぶりに帰ってきた。サウスカロライナ州ダーリントンでのダーリントンレースウェイで開催される「The Real Heroes 400」。サザン5001レースのみだったダーリントンが19日と22日のダブルヘッダー。1952年に初開催され、中断を経て1957年に復活。2004年まで毎年開催され、今年に復活。

 

 20日のレースは延期されたリッチモンドの代替えレースとなる。ダーリントンでの最多勝は、デヴィッド・ピアソンの10勝。この間の衝撃情報は、eスポーツで人種差別発言をしたカイル・ラーソンが、チップガナッシを解雇されたことだろうメインスポンサーのマクドナルドが契約を解除し、NASCARは、この<Nワード発言>にラーソンに無期限出場停止処分を下し、レジット・ワン・バンク、そしてシボレーもラーソンとの契約を解除した。

 

 2014年から、ファン・パブロ・モントーヤに代わってチップ・ガナッシを牽引し、カップ戦で5勝を挙げてきたラーソンのキャリアに終止符が打たれた。既にラーソンは、スプリントカー・レースにキャリアを移していると言われ、カート・ブッシュや、AJ・アルメンディンガーのようにカップ戦に戻ってくる見通しはなさそうだ。

 

 一昨年のシカゴランドでのカイル・ブッシュとのバトルで好青年ぶりを見せていたラーソンだが、マイノリティのアジア系アメリカ人(日系4世)であるにも拘わらず、この不用意な発言。将来、NASCARをしょって立つドライバーと見做されていただけに、残念でならない。ラーソンの代わりには、マット・ケンゼスが2018年11月のホームステッド以来、1年5か月ぶりに復帰。

 

 ケンゼスは、1972年3月生まれの48歳。ジミー・ジョンソン、ケビン・ハーヴィックの44歳を上回る最高齢ドライバーとなった。衰えての引退ではないとは言え、近年のNASCARでは、異例の高齢ドライバーに加え、ブランクも長い。チームのエースと言えるラーソンの後釜としては、少々荷が重い。加えて、スポンサーを次々と失ったガナッシでどこまでやれるか、懸念は尽きない。

 

 リモートでスタートコマンドなんだろうか。当然ながら無観客レース。6月にインディ、7月にはF1が開幕する予定だが、レース関係者は、NASCARの開幕を注視している事だろう。PPは、17回目のブラッド・ケセロウスキー、同じフロントローには、アレックス・ボウマン。3位には、マット・ディベネデットが付けているが、今シーズンは2位が1回あるものの、レース中盤から徐々にポジションを下げてゆくのが気になる。

 

 11列目には、開幕戦のデイトナ500で大アクシデントに巻き込まれたライアン・ニューマンが復帰している。ダーリントン・スピードウェイは、1.386マイル、ターン1-3は、26度、ターン2-4が23度、フロントストレッチは3度、バックストレッチは2度。レースは、293LAPで争われ、ステージ1が90LAP、2が95LAP、ファイナスステージが108LAPとなっている。

 

 プレーオフスタンディングは、4戦で2勝しているジョーイ・ロガーノがトップ、1勝のボウマン、デニー・ハムリンが続く。4位にケビン・ハーヴィック、さらにチェイス・エリオットのトップ5。ピットロードスピードは45マイル、フューエルウィンドウが68~72LAP、各ステージ1度のピットインは必要になる。

 

 グリーンフラッグ。アウト側スタートのケセロウスキーが先行し、ハーヴィック、ディベネデット、カイル・ブッシュが追う。開始早々、リッキーステンが、混戦からインサイドウォールにクラッシュ!いきなり初のコーション。ステンハウスは、ボンネットがめくれ上がり、炎を出してピットイン。7LAP、ケセロウスキーとハーヴィックのフロントローでリスタート。

 

 アウト側のケセロウスキーがハーヴィックを抑え、ジミー・ジョンソンが追う。29LAP、ディベネデットは、10位まで下がっている。早くも失速か?30LAP終了でコンペティションコーションが入り、ケセロウスキー、ハーヴィック、ハムリン、ジョンソン、ウィリアム・バイロンのトップ5。リードラップカーが一斉にピットイン。

 

 ケセロウスキー、ジョンソン、ハーヴィック、ハムリン、アレックス・ボウマンのトップ5で40LAPにリスタート。45LAP、ボウマンとジョンソンの2台がケセロウスキーをインサイドからパスし、初のリードチェンジ。55LAPにバイロンがケセロウスキーを捉え、ヘンドリックの1-2-3。70LAPには、ボウマンが2位のジョンソンに3.322秒差をつけ、独走態勢に。

 

 81LAP、徐々にボウマンとの差を詰めてきたジョンソンがインからボウマンをパスし、リードチェンジ。85LAP、バイロンに次いでハムリンもボウマンをパスし、ヘンドリックの3位までの独占が崩れる。トップを行くジョンソンは655レースで83勝、トップ5が228回という驚異的な数字が表示されていたが・・・。

 

 ステージウィン目前のファイナルラップ、クリス・ブッシャーに追突し、スピン、インサイドウォールにクラッシュして、レースを終える。38位だった。これを見るとアンラッキーでは済まされないジョンソンの衰えを感じざるを得ない。ジェフ・ゴードンがフル参戦ラストイヤーだった2015年の時点でも、ジョンソンと同じ44歳だったのだ。

 

 ステージウィンはバイロン。ハムリン、ボウマン、ハーヴィック、ケセロウスキー、エリック・アルミローラ、クリント・ボウヤー、タイラー・レディック、ニューマン、チェイス・エリオットのトップ10。リードラップカーが一斉にピットイン。

 

 ハーヴィック(+3)、ボウマン(+1)、ハムリン(-1)、バイロン(-3)、ボウヤー(+2)のトップ5。トップ10までいずれも4タイヤをチョイスし、冒険した陣営はない。8(98)LAPにリスタート。アウト側のハーヴィックがボウマンを抑える。20(110)LAP、バイロンがウォールにヒット、その時点ではノーコーションだったが、スピンし、これが4回目のコーションに。突然、挙動を乱したところを見ても、タイヤが原因だろう。

 

 リードラップカーが再びピットイン。フューエル的には、これでステージ2を走り切れる。ハーヴィック、ボウマン、ケセロウスキー(+1)、カート・ブッシュ(+2)、ボウヤーのトップ5。26(116)LAP、リスタート。ハーヴィックがボウマンとカートを抑え、トップをキープ。34(124)LAP、ダニエル・スアレスがスピンし、これが5回目のコーション。これもタイヤのようだ。

 

 ここでもリードラップカーがピットイン。ハーヴィック、ボウマン(+1)、カート(-1)、ハムリン、ケセロウスキーのトップ5。40(130)LAP、リスタート。アウト側のハーヴィックがリード、ボウマンが2位につける。21位を走行するケンゼスは、2013年のサザン500でのウィナー。そのシーンが映し出される。2009、12年のデイトナ500、2000年のコカ・コーラ600でも優勝と輝かしい成績を誇る。

 

 65(155)LAP、アウト側ウォールの一部は剥がれ、レディックに巻き付いている。さっきはハムリンが拾っていたから、両者の間でコンタクトがあったのだろう。カイルもフェンダーにダメージを負っている。これが6回目のコーションとなり、リードラップカーが一斉にピットイン。ハーヴィック、ケセロウスキー(+4)、カート、トゥレックス(+3)、ボウヤーのトップ5。ボウマンが5、ハムリンは4ポジションを下げているのが気にかかる。

 

 81(171)LAP、ハーヴィックがケセロウスキーを抑え、トップをキープ。今までのスタートは全てアウト側。ラバーが乗っているのだろう。83(173)LAP、クリストファー・ベルがスピン、イン側のウォールにヒットし、7回目のコーション。リードラップカーがまたも一斉にピットイン。ケセロウスキー(+1)、トゥレックス(+1)、ロガーノ(+1)、ボウマン(+2)、カートのトップ5。ハーヴィックは7ポジションダウンの8位リスタート。

 

 88(175)LAPにリスタート。ケセロウスキーがボウマントゥレックスを抑える。怒りの追い上げのハーヴィックは早くも4位に浮上。そのままケセロウスキーが逃げ切り、ステージ2を制した。ボウマン、トゥレックス、ハーヴィック、クリント・ボウヤー、カート、ライアン・プリース、ロガーノ、ハムリン、エリック・ジョーンズのトップ10。

 

 リードラップカーが一斉にピットイン。ボウマン(+1)、ケセロウスキー(-1)、ハーヴィック(+1)、トゥレックス(-1)、カート(+1)のトップ5。193LAPにリスタート。このレース初めてインサイドスタートのケセロウスキーがトップに立った。突然、画面が変わり、9回目のコーション。ロガーノがルースホイール、ブッシャーがピットに入っている。詳細は分からない。

 

 リードラップカーがピットイン。ハーヴィック(+3)、ケセロウスキー(-1)、トゥレックス、ボウマン(-2)、ハムリンのトップ5。219LAPにリスタート。ケセロウスキーをハーヴィックが抑える。ハーヴィックは、デイトナ500が5位、ラスベガス8位、フォンタナ9位、フェニックス2位と今シーズン全レースでトップ10入りしている唯一のドライバーと紹介されている。抜群の安定感。

 

 243LAP、ハーヴィックは、ボウマンに2.867秒差をつけ、独走態勢。3位のエリオットは6.893秒差だが、さすがにこのまま終わるとは思えない。残り周回も50周を切るところまできて、アンダーグリーンでのピットの可能性が高い。253LAP、ニューマンの単独スピンで10回目のコーション。

 

 絶好のタイミングでコーションが出て、リードラップカーが一斉にピットイン。ハーヴィック、ボウマン、エリオット(+1)、カート(-1)、カイル(+4)のトップ5。260LAP,リスタート。ボウマンとの激しいサイドバイサイドのバトルを制し、またしてもハーヴィックがトップに。267LAP、5位リスタートからポジションをズルズルと下げていたカイルがルースホイールでピットイン。これでもう上位フィニッシュの可能性はなくなった。

 

 そのままノーコーションで、ハーヴィックが今シーズン初勝利、オーナーのトニー・スチュワートを超える通算50勝目を飾り、レッド・ジャレット、ジュニア・ジョンソンに並んだ。ボウマン、カート、エリオット、ハムリン、トゥレックス、レディック、ジョーンズ、ジョン・ハンター・ネメチェック、ケンゼスのトップ10。12位アルミローラ、13位ケセロウスキー、16位ブレイニー、17位ボウヤー、18位ロガーノ、カイルは26位に終わっている。