ホームステッド備忘録/その他(NASCAR最終戦:ホームステッド) | 日日不穏日記・アメブロ版

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gooで公開している同名のブログ(主に身辺雑記)とは別にモータースポーツに特化して立ち上げたブログ。現在はNASCAR推し。YouTubeで全36戦を追いかけます。オフシーズンは、他のモータースポーツの記事も書きます。

 今回は、ホームステッド本戦を書いたので、インタヴューメイン。生中継ではかなり長く触れていたHREの服部茂明氏のインタヴュー、トラックシリーズ最終戦はバッサリカット。文字起こししておいて良かったなぁ、とつくづく感じる。レースは、ステージ1は、序盤にケビン・ハーヴィックがリード。

 それをマーティン・トゥレックス・ジュニアがパスし、レースを独走。2位のカイル・ラーソンに5秒、3位のカイル・ブッシュに9秒以上のリードを保ったまま、ステージ1を制した。4位がハーヴィック、5位はデニー・ハムリン。

 ステージ2も、トゥレックスがリード。ラーソンが続き、ハーヴィックとカイルがサイドドラフトを掛け合いながら、2台を追う。次第にラーソンが失速。カイルがラーソンをパス。ショートランで問題を抱えるハーヴィックは、ラーソンを抜けない。そして、ステージ2もステージを半分に割ってピットイン。

 引っ張っていたトゥレックスがピットに入ったものの、ピットアウトしてすぐに、カイル、ラーソンにパスされて順位を落とす。トゥレックスは、左右のタイヤを付け間違えるという痛恨のミス。再ピットインしてラップダウンに。ジョー・ネメチェックがスピン、ステージ2残り24周でコーションが出て、トゥレックスはラップバック。

 クールなコール・パーンが腕を振り上げ、喜びを露にする。リスタートでトップのカイルをハーヴィックがパスしたが、残り3LAPでカイルが逆転、ステージ2はカイルが制し、ハーヴィック、ラーソン、トゥレックス、ハムリンと、ここでもchampionship4が、トップ5に入る。

 ステージ3のリスタートでは、カイルとフロントローのハーヴィックは、トゥレックスにプッシュされ、バランスを崩し、アウト側でカイルの後ろにいたハムリンがカイルを躱し、トップに立つ。カイルが抜き返し、ハムリンをハーヴィックが追う。ロングランで厳しくなったハーヴィックがポジションを落としてゆき、ラーソンはトゥレックスをパスし、カイル、ハムリンに続く3位に浮上する。

 マシンのコントロールに苦しむハーヴィックより先に、まずラーソンが、続いてハムリンが入る。フューエルウィンドウは大丈夫だが。その後、ピットに入ったカイルが、ステイアウトしているトゥレックスをパスして、自力でラップバック。ラーソンがエンジントラブルで再ピットイン。そのままリタイア。

 ハムリンにもラップバックされたトゥレックスがピットイン。16秒台と遅い。ハーヴィックはなおもステイアウト。ショートランにしか活路を見いだせないハーヴィックはコーション待ちとしか思えない。ハムリンは、先ほどのピットインで、パッチが大きすぎ、春場所もは違えていて、煙を出してオーバーヒート。走り続けるのは無理だ。

 ハムリンが再ピットイン。カイルに次ぐ実質2位だっただけに、痛恨のクルーのミス。224LAP、粘っていたハーヴィックがようやくピットイン。ハムリン、ハーヴィックが脱落し、カイルとトゥレックスの一騎打ちとなる。ハーヴィックは同一ラップに戻し、ハムリンはラップダウンから追い上げる。

 カイルのレース前インタヴュー。「2度目のチャンピオンは大きな意味があるよ。初めてチャンピオンになってから、時間が経ち、色々言われているだけにね。でも何より自分のために、2度目、3度目とチャンピオンになりたいんだ」。(カイルは)フォードに行くと思われていたが、ヘンドリックが横取りした。

 5号車にずっと乗っていたが、花が開かず、JGRに移籍。ジミー・ジョンソンとジェフ・ゴードンがいる中で、若手の役割で少し難しかった、と天野さんはコメント。カイルは、2004年にスポット参戦、2年目の2005年にフォンタナで20歳4ケ月と2日の史上最年少優勝(当時、2009年にジョーイ・ロガーノが更新)。

 2007年までに4勝を挙げたものの、ジョーギブス・レーシング移籍1年目の2008年に8勝を挙げて、一気にトップドライバーの一人に躍り出る。256LAP、カイルがジョンソンをパスして、ラップダウン。リードラップが9台になったが、後ろから来たハムリンがジョンソン、そしてカイルをパス、自力でラップバック。

 フリーパスではなく、同一ラップに。これでコーションが出て、カイルのリードがリセットされても、前にはトゥレックス、ハーヴィックが前にいて、チャンピオンになる可能性はかなり低いが、最後に意地を見せた形だ。残り10周を切る。カイルとトゥレックスの差は5秒以内で変わらない。モニターを見上げるジョー・ギブス。

 そのままチェッカーを受け、カイルが2015年以来、2度目のチャンピオン。ジョンソン以外、現役で唯一のマルチチャンピオンであり、2014年以降の現行のフォーマットで初の2度目のチャンピオンでもある。そしてヘルメットを外したカイルにインタヴュー。

 「(プレーオフに入り、活躍が待ち望まれていた中、ついに優勝し、シリーズチャンピオンです。6月以降、優勝から遠ざかっていただけに、喜びもひとしおですね)」「自分には最高のチームとオーナー、そしてスポンサーがついている。チャンスをくれた彼らには感謝しているよ。彼ら無しでは成しえなかった」。

 「アダム・スティーブンスやジョー・ギブスとJD・ギブスを始めとするギブス一家。M&M'sや、インターステイトバッテリーズのノーム・ミラーそれにトヨタなど、みんなのおかげさ。TRDのエンジンは、シーズン通して素晴らしかった。問題があっても、彼らと働くのは楽しかったね」。

 「自分のことを色々言う人たちは常にいるが、このシリーズチャンピオンは、ファンクラブ“ロウディ・ネイション”のみんなのものさ。みんな最高だよ、ありがとう」(大歓声)「(奥さんのサマンサさんと息子のブレクストン君が祝福に来ています」2人を抱きしめるシーンにフラッシュがたかれる。



 「(家族のためにも戦い続けました。今年1月にJD・ギブスが亡くなりましたが、ギブス家にとっても、大きなチャンピオン獲得となりましたね)」「ジョー・ギブスはもちろん、家族が辛い時期を過ごしているのはわかっていた。シリーズチャンピオンは、彼らにとって、どれだけの意味があるかはわからないが、これが自分ができる最大のことさ。JD・ギブスは、ずっと見守ってくれていただろう」。

 「チーム一丸となって素晴らしいシーズンを過ごせたよ。ショップのみんなも最高の車を仕上げ続けてくれた。みんなの力で勝ち取ったチャンピオンさ。「(前回の2015年とは違うセレブレーションでしたが、どうしたのでしょうか?)」「前回はバーンアウト先にして、フラッグを台無しにしてしまったんだ」。

 「フラッグと共に格好良く決めたかったから、ウイニングランを先にしっかりしたのさ」「(ファンの期待に最高の形で応えました。チームとしてのメッセージはありますか?)」「みんな”絶対に諦めない”という言葉を使うけど、自分たちも同じで、毎週すべての力を出し切ってきた」。

 「最高の車でなかったり、いい位置につけられない時もあったけど、今日はいい車で走り続けられた。いいレースを披露できることが、ここホームステッドのいいところだからね。終盤は少し退屈な展開だったかもしれないが、車内からは、十分にエキサイティングだったよ」。

 「素晴らしいシーズンを締めくくれたことに興奮している」。インタヴューをいったん終え、祝福に来た兄カートとがっちり握手。ハグ。続いて、2年連続2位に終わったトゥレックスのインタヴュー。

 「(108周をリードし、強さを見せたものの、今シーズンも2位のトゥレックスjr.です。ピットロードのミスに加え、ピットストラテジーを変えて攻めました終盤の車はタイトだったようですが、レースを振り返ってください)」「ミスからレースをコントロールできなくなってしまった」。

 「後ろからのリスタートは苦しかったね。ファイナルステージでタイトになるのは、わかっていたが、何とかできると思っていた。でも順位を落とし過ぎたね。ラストランでは一番速かったと思うが、時すでに遅しさ。トラフィックの車に苦しめられたね。残念だけど、素晴らしいシーズンだった。バスプロショップを始め、スポンサーと、チームそれにトヨタには感謝している。彼らは素晴らしい車を仕上げ続けてくれた」。

 「ミスから順位を落とし、最後まで追い上げきれなかったよ」「(最多の7勝をあげましたが、チャンピオンシップは2位です。2019シーズンを振り返ってください)」「恥じることはないね。ここで勝つのは難しいってことさ。去年もショートラン、ロングラン共に速い車だったのに、最後に少しタイトになってしまった」。

 「今年はあのまま上位をキープできれば勝てたけど、キープできなかったんだ。来年に向けて改善していくしかない。今シーズンのチームは、誇りに思う。JGRに来て、最初のシーズンで7勝し、チャンピオンシップ2位は悪くはない。でも2年連続2位は悔しいよ」。

 ビクトリーレーンでカイルは5つ目のチェッカーフラッグのシールを貼りVサイン。「(カイル・ブッシュが自身2度目のチャンピオンシップステージに登壇しました。チーム関係者やトヨタの関係者とのハグで忙しいステージになっています。モンスターエナジー社のスポーツマーケティング部門VPのミッチ・コビントンとも握手。“コーチ”ジョー・ギブスとはハイファイブです。まずは、ミッチ・コビントンからのメッセージです)」。

 「モンスターエナジー社を代表し、まずは今日見に来てくれたファンに感謝の意を表します。皆さんはモンスターエナジーのみならず、NASCARそして、アメリカのレースを支えてくれました。まさに我が社がサポートしてきたものです。皆さんありがとう。今週、カイル・ブッシュと話した時に言っていたんです。”モーターホームではなく、ステージで会おう”ってね。まさにその通りになりました。賞金もあなたに払うことになりましたね」。

 「HAHAHA/カイル」「それはともかく、本当におめでとう。あなたを誇りに思います/ミッチ」「ありがとう」「(シリーズを支え続けてくれたミッチです。どうもありがとうございました。ここにあなたが4年間待ち望んでいたトロフィーがあります。NASCARのプレジデント、スティーブ・フェルプスから授与してもらいましょう)」。

 「NASCARと世界中のファンを代表して祝福します。2度目のシリーズチャンピオンおめでとう。まさにチャンピオンにふさわしいシーズンでした/フェルプス」。それを受けカイルはガッツポーズ。そして、フェルプスと共に、トロフィーを掲げる。「(重いですよ)」「そうだね」。

 その後、カイルが一人でトロフィーを掲げる。「(シリーズチャンピオンに話を聞いてみましょう。チームとの祝福が続いている中、ブレクストン君が何かをささやいていましたが。彼は何を言っていたのですか?)」「いつものように”勝ったから、空中に放り投げて”とお願いされたんだ」。

 「(もう4歳です。重いですよ)」「トロフィーより、ちょっと軽いくらいさ。まだできないことはないんだけどね。本当に最高だよ。ミッチを始め、モンスターエナジー社のみんなと素晴らしいファンに感謝している。以前、ミッチに言ったんだ。”格好いいトロフィーなので、ぜひ欲しいね”ってね」。

 「最初の2年は逃したけど、やっと手に入れることができた。チームのみんなにも感謝している。これは自分のトロフィーと同時にチームのトロフィーさ。素晴らしいスタッフと共にやれるのは、自分にとって大きな意味があるね。アダム・スティーブンスや、ジョー・ギブス、それにコイやJDなど、特にギブス一家にとっては、辛いシーズンだっただけに、タイトルを獲得できてよかった」。

 「M&M'sもこの上ないサポートを続けてくれた。もちろん、インターステイトバッテリーズもね。彼らの車に乗るのは名誉さ。今夜自分の仕事をやり遂げられたよ」。

 JGRは、トゥレックス7勝、ハムリン6勝、カイル5勝、ジョーンズ1勝。全36戦中、19戦を制する圧倒的な強さを発揮した。シボレーはカマロ、フォードはマスタングとスポーツカータイプにマシンを変更し、今年はいよいよ、トヨタがスープラを投入する。

 これでエンジンサプライヤーが全てスポーツカータイプにマシンを変更することになる。エクスフィニティに投入したものの、カップ戦でどうなるか。2019年度ほど、トヨタがドミネイトすることはないだろう。3メーカーによる混戦になるのではないだろうか。

 歴史に残るドライバーに仲間入りしたカイルと、千載一遇のチャンスを逃したハムリン(40歳)、トゥレックスが3年ぶりにタイトルを奪還するか?ジョンソンがカップ戦ラストシーズンで、どこまでやれるか?若手の台頭にも期待がかかる。2020年のカップ戦にも期待しよう。