2018備忘録/その他(NASCAR第36戦:ホームステッド) | 日日不穏日記・アメブロ版

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gooで公開している同名のブログ(主に身辺雑記)とは別にモータースポーツに特化して立ち上げたブログ。現在はNASCAR推し。YouTubeで全36戦を追いかけます。オフシーズンは、他のモータースポーツの記事も書きます。

 モンスターエナジーNASCARカップシリーズの2018年は、ホームステッド・マイアミでジョーイ・ロガーノが優勝し、初のシリーズチャンピオン、2012年のブラッド・ケセロウスキー以来の20代のチャンピオンが誕生した。

 ロガーノは、28歳ではあるものの、フル参戦は2009年にジョーギブス・レーシングからで、この年にロードンで、19歳と35日という史上最年少優勝を成し遂げており、今回のホームステッドでキャリア21勝目。

 その点では、フル参戦10年目であり、年齢的にはともかく、若手とは言えない。今回は、生中継では、紹介されなかったドライバーのインタヴューをメインに紹介して、今シーズンの締めにしたい。

 ステージ1は、ケビン・ハーヴィックが制し、ステージ2は徹底的にアウト走りをするカイル・ラーソンがトップを快走。それについて、カイル・ブッシュのコメント。「みんなここではハイラインを走るのが、勝利への近道と思っているが、特別な男だけが、あそこを走り続けられるのさ」

 「チャンピオンシップの4人は走っていないよね。あそこでの走りで勝負できるのは、ただ一人、ラーソンだよ。自分はハイラインでも、インラインでも早く走れる方で勝負するだけだね」続いて、マーティン・トゥレックス・ジュニア。

 「去年のホームステッドでは、ステージ2を終えて、2位だった。おかげでストラテジーの幅が広がったんだ。大きかったね。一男速い車では無かったが、トラックポジション重視のストラテジーに切り替えられた。リーダーに立って、最後まで走り切れただけに、ファイナルステージのスタートで上位にいるのは重要さ」

 そしてステージ3。ロガーノ、トゥレックスの1-2となり、マーティンズビルの映像が挿入され、「他のドライバーをクラッシュさせることはない。ロガーノ以外はね」というコメントが入る。

 この辺は、NBCの煽り演出だろう。ここでフェニチャーロウのラストレース前の記念撮影のツイートが紹介される。

 ライブでの観戦記では紹介出来なかった解説の石見さんのロガーノ応援実況(解説ではない!)を紹介しよう。「さぁ、ここは頑張れば、明日からの世界が変わるぞ、ロガーノ」「おー凄い、ビッグギャップじゃないですか!慌てるな、慌てるな。流してけ、流してけ」←お前が落ちつけ!

 「みんな譲れ、譲れ、もう(ダニエル)スアレス様様ですよね。ホント、ニュータイヤを付けさせてもらってありがとう。よーし、いける!」「へへへへ・・・」(天野)「忘れちゃいけない、私の応援が一番大きかった。明日から、君の世界は変わるよ」

 ラストのスプリントレースを制し、ロガーノがチャンピオンに。8勝のハーヴィック、カイル、4勝のトゥレックスを抑えての戴冠。番狂わせではあったが、F1で言えば、ルイス・ハミルトンや、セバスチャン・ベッテルを抑えて、ダニエル・リカルドか、マックス・フェルスタッペンが、一発勝負に勝って、チャンピオンになったようなものか。

Relive Team Penske's two Cup Series titles



 優勝したロガーノのインタヴュー。「(今回のチャンスは、チャンピオンをつかみ取ることを端的に証明しましたね)」「やったよ、チャンピオンさ、信じられないね。言葉が出ないよ。チーム、ロジャー・ペンスキー、トッド・ゴードン、ピットクルーのみんなが素晴らしかった。最後に向けて勝てる車に仕上げてくれたし、勝てる位置に押し上げてくれた」

 「彼らを誇りに思う。チャンピオンだぜ」「(わかっていますよ。ビッグ3対自分だと言っていましたが、自分がダークホースだと感じたことはありましたか?)」「ないね。自分達が勝てない理由ななかったんだ。レース前から言っていたように、自分達が優勝候補の一番手だったのさ。チームのみんなが、自分の仕事を遂行し、ここまで登り詰めたのを誇りに思う」

 「シェル、ベンゾイルを始め、サポートしてくれた人達には、感謝しきれないよ。フォードは、ドライバーだけじゃなく、マニュファクチャラーズのタイトルも獲得できた。来シーズンのマスタングが楽しみだね。もう、あとは言葉が出ないよ」

 「(チェッカーフラッグを受けた時の気分は?)」「とにかく叫んでしまったよ。ここまで来るのに人生をかけてきたんだ。10年間チャンピオンになるために戦ってきた。実際にチャンピオンになれるかわからなかったけど、今夜はトッドが最後に最高のアジャストを決めてくれた」

 「何があっても、トゥレックスjr.をパスするつもりだったよ」「(ターン①でトゥレックスjr.を捕らえましたが、見ていた我々は、ターンインのスピードが心配でした)」「大丈夫さ、いい車だったからね。今夜は大きなボトルのコカ・コーラで飲むよ」

 「(先週から言っていたように、最高のピットクルー達も順位を押し上げてくれましたね)」「彼らは最高なんだ。それを証明してくれたね。それぞれの分野で最高のクルー達あ集まっているのさ。レース中は、浮き沈みがあったが、レース前から、ショートランでいいのは、わかっていた」

 「最後のリスタートが、25周だったら、危なかったかもね。あっという間のレースに感じるが、最後にショートランの展開になってくれた。それでチャンピオンになったのさ」。生中継の時は、ぼんやり観ていたから、分からなかったけど、書き起こすと、インタヴュー長い!

 そして2位のトゥレックス。「(2連覇まで、あと一歩届かなかったトゥレックスjr.です。ファニチャーロウレーシングでの最後のレースを終えた感想は?)」「正直、まだ何とも言えないよ。さびしくなるね。チャンスがあっただけに勝ちたかった」

 「あと15周を守りきれなかった。最後のリスタートが勝負になるのは、わかっていたんだ。リーダーには立てたが、そこからが遅かった。できる限りのことをしたが、ターンでうまく曲がってくれなかった。成す術がなかったよ。ロガーノも速かったしね」

 「もう少し周回数が残っていればよかったが、チームを誇りに思う。ジョニー・モリスのバスプロショップスを始めとする全スポンサーとトヨタとTRDなど、全ての人達に感謝している。もっとこのチームで続けていたかったけどね」

Sunoco Fueled for 15: Celebrating 2018 Champion Joey Logano



 「(チームと共に過ごした5年間は、どんな意味を持ちますか?)」「人生最高の時間だったよ。それ以外、言葉がないね。素晴らしいチームメイトだったし、彼らが自分をNASCARのスターにしてくれたんだ。ただただ、感謝しかないよ」

 ロガーノへの批判はなく、ファニチャーロウというチームがなくなってしまうという感慨が殆どだったトゥレックスのインタヴュー。ハーヴィックは、フォードユーザーのチャンピオンを讃え、スポンサーへの感謝、カイルは、ままならない車への不満をぶちまけていたが、編集版ではカット。

 そして、表彰台へ舞台は移る。「(すごい盛り上がりのステージです。それもそのはず、初のカップシリーズチャンピオンが誕生しました。まずは、モンスターエナジー社のスポーツマーケティング部門バイスプレジデント、ミッチ・コビントンから祝福のコメントです)」

 「全世界のモンスターエナジー社の社員を代表して、今シーズンのカップシリーズチャンピオンを祝福します。ジョーイ・ロガーノです。素晴らしかったですね」。ロガーノは、左手を掲げ、「そう言ってくれてくれるとうれしいね」と一言。

 「(そしていよいよ、お待ちかねの時間です。ここに大きなトロフィーが待っていますよ。NASCARのプレジデント、スティーブ・フェルプスから贈呈されます)」「素晴らしいレースでした。レースを通して、ずっとトップ5位以内を走っていましたね」

 「強さを見せ続けたうえ、最後の20周は圧倒的でした。全世界のNASCARファンを代表して祝福します。おめでとう、あなたが2018年のモンスターエナジーNASCARカップシリーズチャンピオンです」「ありがとう、いい響きだね」

 「(いよいよトロフィーの贈呈です)」。ロガーノがトロフィーを掲げる。「(家族もステージに来ています。今夜のレース前まで、カップシリーズのチャンピオンは32人でした。あなたが、33人目のカップシリーズチャンピオンです。夢が叶いましたね)」

 「夢が叶ったよ。自分の名前と共にカップシリーズチャンピオンと呼ばれるなんて、クレイジーな気分だね。でもチャンピオンは、自分一人ではなく、ここにいるみんななんだ。あの車が今までの人生で、最高の車さ」。22号車が近づいてくる。

 「(誰が乗っているのですか?」「チームのメンバーさ。彼だけではなく、みんなが素晴らしい仕事をしてくれた。ピットクルーも素晴らしかった。今はうれし過ぎて言葉が見つからないよ。人生には、こんなことがあるんだね」

 「最高のタイミングでコーションが出てくれた。ピットクルーも、自分も完璧な仕事をするチャンスができた。そして今ここにNASCARのチャンピオンとして立っているのさ」「(以前もチャンピオンシップ4には出場していましたが、今日のあなたは違うドライバーです)」

 「(なぜなら今日は、奥様のブリトニーさんと1歳にもなっていない息子のハドソン君がいます。ハドソン君には、パパがチャンピオンになったことを伝えましたが、彼の瞳を見て、どんな気分でしょうか?)」

Joey Logano's full champion's speech



 「人生最高の瞬間さ。確かに多くの人達と接し、成長していく中で、人は変わるものさ。過去には間違いも犯したが、それがあったから、今の自分があるんだ、今日は本当にクレイジーな気分だよ。みんなに支えられて、ここまで来られた」

 「コネチカット州で育ち、ゴーカートをしていた自分が、今はチームペンスキーに所属し、支えてくれた多くの人達と共にここに立っている。素晴らしい夜になった。自分の成し遂げたことはわかっているけど、勝利がこんなに素晴らしいものだったとは、今、初めて実感しているよ」

 ホームステッドのレースを振り返って天野さんは、「今日のレースに凝縮されてましたね、本当。ロガーノの攻撃性が遂に栄光に繋がったというか、いい勝ち方だったと思います。トゥレックスの方も最後までフェアに戦って、78号車をクラッシュさせずに、そっちの方も良かったと思いますね」

 完全にファン目線になっていた石見さんは・・・「最後ロガーノに残った15周というのは、最高の残りラップ数で、彼の車の一番強いところが出せた。ホント、今日は自分が攻撃したたんだけども、運にも恵まれたっていったらおかしいかな」

 「正直言って、ずっとヒール的な22号車ジョーイ・ロガーノを僕は応援してて、本当、今日は、おめでとうーってね。これで僕も、アメリカ的には良いクリスマス。日本的に言えば、良いお正月を迎えて、来シーズン、2019年をね、今から楽しみにしています」

 と、まぁ、生放送の観戦記では書けなかったインタヴューや、石見さん語録などを書いてきたんだけども、最後に石見さんが言ったように、来シーズンの注目は、ジミー・ジョンソンの復活。8度目のシリーズチャンピオンがなるか?だろう。

 ジョンソンは、1975年9月生まれで、フル参戦ドライバー最年長の43歳(ハーヴィックは、同年の12月生まれ)。同い年のハーヴィックがここまで今シーズン活躍したのを見れば、カナウスとのタッグを解消して、心機一転、復活なるか?

 ジェフ・ゴードン、トニー・スチュワートの引退を見ても、選手生命が長いNASCARとは言え、45歳が引退年齢というところではないだろうか?とすれば、残されたキャリアは2年、そこでチャンピオン争いに絡むジョンソンを観たいところだ。

 最終戦でポイントリセットしての一発勝負。軍配はロガーノに上がったが、シーズンを席捲してきたハーヴィック、カイル、そしてトゥレックスを退けての戴冠には、いささかしっくりこないところはある。

 最後のコーションが、ロガーノにとって最も得意とするスプリントレースだったとは言え、リスタートを得意とするカイルのマシンがあまりに悪すぎ、勝負にもならなかった。ステージ2を制したラーソンが最後まで走っていれば、もう少し面白くなったのだろうが。それが残念だ。

 2019年は、2月10日にアドバンスオートパーツクラッシュの放送が、17日にデイトナ500の放送がある。どこまで書き続けられるか分からないけれども、このブログを引き続き、宜しくお願いします。