SHR総崩れの中、エリオットがハムリン抑え、2勝目!(NASCAR第30戦:ドーバー) | 日日不穏日記・アメブロ版

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 Round of 16最終戦シャーロットは、終盤に大波乱の末、ライアン・ブレイニーが今季初優勝を果たし、次ラウンドへ進む一方、ファイナルラップにスピンで、ラウンド突破が確実視されていたジミー・ジョンソンの他、オースティン・ディロン、デニー・ハムリン、エリック・ジョーンズの4人が脱落。残る12人が、Round of 12に駒を進めた。

 NASCAR第30戦:ドーバーは、デラウエア州ドーバーのドーバーインターナショナルスピードウェイで開催される「Gander Outdoors 400 」。予選は雨で中止となり、オーナーポイント順でのスタートとなる。フロントローはカイル・ブッシュとケビン・ハーヴィックの最多勝コンビ。

 プレーオフリーダーボードは、カイル+47、ハーヴィック+42、マーティン・トゥレックス・ジュニア+30、ブラッド・ケセロウスキー+17、クリント・ボウヤー+7、ジョーイ・ロガーノ+6、カート・ブッシュ+6、ライアン・ブレイニー+5、チェイス・エリオットー5、カイル・ラーソンー7.エリック・アルミローラー12、アレックス・ボウマンー13。当然、カットライン以下に4人がいるが、3強を除けば、僅差で次戦タラデガが全く見通せないレースが予想されるだけに、ここドーバーでポイントを稼いでおきたい。

 PPスタートで、プレーオフポイント最多のカイルにインタヴュー。「(全ドライバー中、最多の55プレーオフポイントと共に、ラウンド オブ 12をスタートするカイル・ブッシュです。雨で予選が中止になり、ポールポジションスタートですが、今朝のアジャストで車はどう変わりましたか?)」

 「原因はわからないが、昨日の車はスピードがないし、感触は悪く、思ったように走れなかった。ライバル達が車を仕上げ、速くなっていく中、自分達は少し取り残された感じだったね。まだアジャストは必要だと思う。レースで仕上げていくよ」・・・コメント同様、カイルは冴えない表情。

 そして、優勝を目前にしながら、同ポイントで辛うじて、ラウンドを突破したラーソン。「(先週のローバルは、ポイント面でも気持ちの面でもローラーコースターのようでした。あの経験は、このラウンドに生かせそうですか?)」「モチベーションを上げる意味では生かせそうだね。でも、プレーオフに休みはない。あの経験は生かさないとね。ここまでの車は速くてすごくいい。10番グリッドスタートだが、2度のプラクティスでは速かった」
 
 「ロングランでは、ハービックが一番で、自分達は2番手か3番手の車だと思うが、勝てるといいね」と、こちらのカイルは手ごたえを感じている様子。レース前のセレモニーでのフライオーバーは、アメリカ海軍のジェット練習機T-45ゴスホーク。

 ペースカーが先導する中、ジョンソンが、スタート前にガレージへ。「あーおかしい。サスペンション壊れてますね。何かがポッキリ折れたという状況と思うですけど、これは、でもメカニックの問題だなー。何か悪い方向のスパイラルですね」とは解説の石見さん。スタート前に事実上、ジョンソンのレースは終わってしまった。

 ジョンソンは、去年6月の第13戦ドーバー以来、52レース勝利なし。フル参戦1年目の2002年以来、16シーズン連続勝利を挙げており、これは現役1位。続くのはカイルの14年(2005年~)、デニー・ハムリンの12年(2006年~)、ハーヴィックの9年(2010年~)、ケセロウスキーの8年(2011~)。ジョンソンとハムリンは今年で記録が途絶えそうだが。



 歴代では、通算200勝のセブンタイムス・チャンピオンの<キング>リチャード・ペティの18年(1960年~77)、続くのは、105勝、1966、68、69年のグランドナショナルチャンピオンのデヴィッド・ピアソンの17年(1964年~80)に次ぐ記録。通算23勝のリッキー・ラッド(1983年~98)、通算55勝を挙げ、1989年のチャンピオンのラスティ・ウォレス(1986年~2001)といったレジェンドに並ぶ。

 ジョンソンは、ドーバーで歴代最多の11勝、トップ5が17、トップ10は24、リードラップが3105という記録も持つ。アベレージフィニッシュは、33戦で9.061。「メンテナンスの問題で、ドライバーの責任では全然なくてね。そんなサスペンションとかね、まだスピードも出していない状態でポッキリ折れるなんてことは、あってはならないこと。どうした?カナウス軍団」

 レースアナライシスは、400LAPを3ステージ(120+120+160)、フューエルウィンドウは、85~95LAP、ピットロードスピードは、35マイル。春のドーバーは、ハーヴィックがドミネイト。3ステージ完全制覇。年の秋は、カイルが、残り2周でエリオットをパスして、勝利を収めている。

 グリーンフラッグ。アウトからカイルがリードし、ハーヴィック、ケセロウスキーが続く。ハーヴィックはボトムで速く、調子は良さそうだ。10LAP、ジョンソンがガレージから出て、レースに復帰。16LAP、ハーヴィックがボトムからカイルを一気にパスし、トップに立つ。

 CM明けの27LAP、ハーヴィック、ケセロウスキー、カイル、ロガーノ、ボウヤーの順になっているが、ハーヴィックとカイル、ケセロウスキーは明らかにマシンの仕上がりが違う。2台とも、ボトムに降りられず、ハーヴィックを追える状況にはとても見えない。

 69LAP、ハーヴィックが依然トップ。ケセロウスキーが9.89秒、カイルは10.65秒、ロガーノが10.96秒、ボウヤーは11.55秒差になっている。70LAP、カイルは、エリオットにもパスされ、6位にドロップ。カート、アルミローラにもパスされ、さらに順位を落としていく。

 72LAP、ブレイニーがピットイン、この辺からアンダーグリーンのピット開始か。73LAP、カイル、エリオット、74LAPにロガーノ、ボウヤー。75LAPにケセロウスキー、ハーヴィックが入っている。77LAP、ステイアウト勢のリッキー・ステンハウス・ジュニアがライアン・ニューマンに5.59秒のリード。ハーヴィックは、21.02秒差で3位にいる。5位のカイルをロガーノがパス。

 再びCM明け。アンダーグリーンピットが一巡した85LAP、ハーヴィックが快走する一方、ジョンソンはピットボックスをクルーが出ての作業でペナルティ。そのジョンソンは、トゥレックスのチームにミニバイクを大量に買い、プレゼント。ジョンソンなりの謝罪ということだろう。こういう事で話題になるのは、寂しい気がするが。

 89LAP、ハーヴィックはロガーノに7.13秒をリードし、相変わらず快調。カイルが9.69秒、エリオットは10.22秒、ボウヤーが10.52秒差のトップ5。115LAP、ハーヴィックとロガーノの差は、6.37秒。リードラップは既に14台。ファイナルラップ、カイルにボウヤーが迫る。

Clint Bowyer blows a tire, wrecks minutes later



 「(カイルは)トラックバーに何かトラブルを抱えているみたいで。たぶんトラックバーが動かないんですよね」。ハーヴィックが圧巻の走りでステージ1を制し、ロガーノ、カイル、ボウヤー、エリオット、ケセロウスキー、ブレイニー、カート、アルミローラ、トゥレックスのトップ10は、全てコンテンダーが占めている。 

 リードラップカーがピットイン。10番手でピットアウトしたエリオットがタイヤバイオレーション。ペナルティでリアに下がる。ちょっと厳しいような気がするが、エリオットはドーバーと相性がいい。過去5戦で、今年の5月のドーバーこそ、12位だったが、3位、3位、5位、2位と安定。アベレージフィニッシュは、5.000。巻き返しのチャンスはまだまだある。

 ロガーノ、ハーヴィック、カイル、ボウヤー、ケセロウスキーの順で、9(129)LAPにリスタート。インからハーヴィックが一気にロガーノをパス。「ボトムであのスピードで維持出来んですから。正直言って、後ろに今付くようになったロガーノもね、参ったーって感じだと思いますよ」

 18(138)LAP、ハーヴィックをロガーノ、ボウヤー、カイル、トゥレックスが追う展開。「追いつくって雰囲気が全然ないよね。そういう部分では、誰が本当に今日は、ファステストルーザーになるの、って感じのレースに見えてしょうがないんですけど。まぁ、でもレース、どこで何が起きるか分からないですから。と言うか、最後まで諦めずに各ドライバーがプッシュして欲しいですね」

 トラックバーに問題を抱えるカイルは、トゥレックス、カート、ケセロウスキーにもパスされ、さらにアルミローラにも捉えられ、チームメイトのハムリンにも迫られる。57(177)LAP、アウトからトゥレックスがロガーノをパスし、3位に浮上。60(160)LAP、ハーヴィックがトップをキープ。ボウヤーは2.15秒、トゥレックスは5.63秒差だ。

 65(185)LAP、ケンゼスがピットアウト。そろそろアンダーグリーンのピットサイクルが始まるか?リーダーボードは、7位カートが+16、8位ブレイニーは+6、9位ブレイニーがー6、10位エリオットはー8、11位ラーソンがー15、12位ボウマンはー23ポイント差。ラーソン、ボウマンがかなり厳しいポジションにいる。

 70(190)LAP、トゥレックス、ロガーノ、71(191)LAP、ハーヴィック、ボウヤー、73(193)LAP、ケセロウスキー、エリオット。74(194)LAP、カイルがピットインし、アンダーグリーンのピットは一巡。91(211)LAP、カイルはトラックバーが完全に壊れ、苦戦が続く。

 95(215)LAP、ハーヴィックに迫られるボウマンだが、リードラップを守っている。その前にラーソン。100(220)LAP、ボウマン、ラーソンの2台をパス出来ず、ハーヴィックとボウヤーの差は、0.32秒差。いかにチームメイトが後ろにいるとは言え、このまま看過できない。

 101(221)LAP、ボウマン、ラーソンをパス、14位となる。110(230)LAP、ハーヴィックがボウマンをタップ。114(234)LAP、カイルとケセロウスキーが7位争いを展開する中、ボウマン、ラーソンは既にラップダウンとなっている。リードラップカーは13台で、最後尾はトップと23.79秒差のディロンだ。

 リーダーボードは、カートが+11、エリオットは+0、ブレイニーがー0、アルミローラはー1。そのまま、ハーヴィックがステージ2も制し、ボウヤー、トゥレックス、ロガーノ、アルミローラ、カート、カイル、ハムリン、エリオット、ケセロウスキーのトップ10。1、2ステージともレース中のコーションはなく、ハーヴィックの強さだけが際だっている。

Almirola triggers late wreck, collecting Keselowski, Bowman



 リードラップカーが一斉にピットイン。ハーヴィック、ボウヤー、トゥレックス、アルミローラ、ロガーノのトップ5でピットアウト。カイルはロングピット。クルーがマシンに滑り込み、トラックバーの調整をしているようだ。ラーソンは、ピットロードのスピードオーバーでペナルティ。前回のピットでもエンジンストールし、厳しい戦いが続く。

 248LAPにリスタート。ハーヴィックがアウトからリード。アルミローラ、ボウヤー、カートが続き、SHRが1-2-3-4。カイルは13位だが、追い上げは可能だろうか?フォードは、29戦で15勝、直近の7戦で6勝と圧倒的だ。ブレイニー+3、アルミローラー3、エリオットー3。

 前戦シャーロットのローバルでブレイニーが勝ったという話から、「(今回のアルミローラも)絶対に諦めちゃいけない。ま、ハーヴィック、ここまでも、あまりにも上手くいきすぎているんで、そういう時には何か起きるものですから。その辺はね、自分が絶対に勝つんだって気持ちは忘れないようにしないといけないですよね。遠慮することはないと思いますよ、先輩に」

 273LAP、トゥレックスがロガーノをパスして、6位に。299LAP、SHRの1-2-3-4は依然変わらず。303LAP、ハムリンはルースホイールで、アンスケジュールのピットイン。同LAP、ボウヤーがインからアルミローラをパス。が、トップのハーヴィックとは、4.36秒の大差がついている。

 が、アルミローラは、ボウヤーを抜き返す。319LAP、13位のカイルの後ろにハーヴィックが迫る。いくらトラックバーに問題を抱えていて、1マイルオーバルとは言え、ラップダウンになるのは屈辱的だ。320LAP、ブレイニー、トゥレックスがピットイン。この辺から、アンダーグリーンのラストピットか?

 321LAP、ハーヴィック、アルミローラ、ケセロウスキー、ロガーノ、エリオットらが入る。が、「(ハーヴィックが)何か車振ってるな、おかしいな。左リア、何かタイヤの動きがおかしかったように思えるんですけど、気のせいだったら良いんだけど」その直後、ハーヴィックが、再ピットイン。「あーダメだ、やっぱりおかしかった。たぶんね、内側。内側のリア。ルースホイールだったんですね。あー盤石のレースが崩れた!」ここまで完璧なレースを続けていたハーヴィックが遂に後退。まさかのラップダウンに。

 リードラップを守れたかに思えたカイルだったが、ピットロード出口でスピードオーバーのペナルティ。「あらー、今度はカイル、踏んだり蹴ったりだカイルは今日。まぁ、これがね。調子の悪い時のレースの流れって感じですよね。いやー、カイルは勝つレースじゃなかったんで、ハーヴィックですよ、ハーヴィック」(リプレイが表示される)「あーやっぱり。ちゃんと締められてない・・・あそこで1秒我慢すればね、あんな状況にはならないわけですよ」「こうなるとアルミローラ、勝って欲しいね」

 328LAP、アルミローラがボウヤーに1.81秒の差をつけてトップを走行。トゥレックスが5.82秒、カートは6.16秒、ケセロウスキーが6.93秒差で、ハーヴィックは1ラップダウンの13位、カイルは同じく15位と厳しいポジションにいる。

 339LAP、デブリで3回目のコーション。ロス・チャステインのものだろうか?ここでリードラップカーがピットイン。ケセロウスキーが2タイヤチェンジでトップでピットアウト。アルミローラ、ボウヤー、トゥレックス、カートが続く。このコーションでハーヴィックがフリーパスを得、トゥレックスは、ピットロードスピードオーバーと明暗を分ける。

Exclusive: Behind the scenes of Chase Elliott's Dover win



 349LAP、ケセロウスキーがアウトから前に出るが、アルミローラがすぐにパスし、トップを奪い返す。「今日はアルミローラ勝てるな!今ね、本当にリスタート後のターン1のところ、すっごい勝負賭けてるんですよ、アルミローラ。もうギリギリ。スピン寸前まで攻めてるんですけど、きちっとケセロウスキーを躱した。これは今日、行ける気がしますね。アルミローラ」

 352LAP、インからカートがケセロウスキーをパスし、2位。357LAP、エリオットがタップして、インからボウヤーをパスし、4位に浮上。381LAP、さらにエリオットは、ケセロウスキーをインから差して、3位にジャンプアップ。「凄い!何、今の走りは!何だよ今のは。いきなりターボチャージャーでも付いてるがごとく速かったですね」

 382LAP、9位を走っていたボウヤーがフラットタイヤでそのままピットイン。「スチュワート・ハースの牙城が崩れていってますね。これも足回り、タイヤだな。フラットタイヤと言ってますね。エアーがない。エアーが抜けた。ハーヴィックに続いて、ボウヤー。こういう時は続きますよ、インフルエンザみたいに続きますからね」 

 387LAP、これでボウヤーは、リーダーボードでも圏外のー4ポイントに脱落。代わってエリオットが圏内の+3、ブレイニーはー3。アルミローラがラップダウン車の処理をする間にカートがひたひたと迫る。その392LAP、ボウヤーがクラッシュ!そのまま力なくイン側のウォールにマシンをヒットさせ、ストップ。これがレース初のアクシデントによる4回目のコーション。

 「アルミローラからとってすれば、ふざけんじゃなよ。クラッシュするんじゃねぇよ。このまま行かせてくれよ、ってレース展開ですよね」。ボウヤーはサスペンションのトラブルで、ぶつけて止めるしか選択肢はなかったとか。ここでストラテジーが分かれた。エリオット、ケセロウスキー、トゥレックスのトップ3がステイアウト。341LAPのピットイン。そこに393LAP組のハムリン、ボウマン、アルミローラ、カートらが続く。トップ20は、メナード(315)ニューマン(321)を除き、全てピットに入っていることになる。

 「残り5周、4周でリスタートになるわけじゃないですか。それを考えたら、僕は、今のアルミローラの車だったらね、ステイアウトだったような気がするんですよね。この作戦はどうだろうなぁ、残り周回数が少ないだけにね。やっぱりトラックポジション、僕だったら優先させますけどもね。そんな権利はどこにもないですけど。あと面白いのはね、エリオットが一番手ですよね。その後ろにね、怖い怖いハムリンがいるんですよ。以前から、この2人は当たってね、いろいろ問題があったり。これでハムリンがチェイスに当てたら面白いですけどね」←おい、こら。

 397LAP、リスタート。エリオットがリード、ハムリンが続く。遅れたケセロウスキーに、アウト側のウォールにヒットしたアルミローラがヒット、ケセロウスキーは、トゥレックス、ボウマンとハードクラッシュ!!5回目のコーションになるとともにレッドフラッグ。ここでのリタイアは、ボウマン1台。

 トゥレックスの後ろにいたハーヴィックは、間一髪でアクシデントを回避。「凄いねー、ハーヴィック。運があるねぇ。これでハーヴィック勝ったら、面白いね」レッドフラッグでの中断は約5分。エリオット、ハムリンのフロントロー。NASCARオーバータイムでの決着となる。


Elliott to fans: 'Thank you guys, y'all are badass'



 リスタート。エリオットアウト側から前に。そのままリードをキープし、ファイナルラップ。3位以降を引き離す。「さぁ、もうセーブティでしょう。ここまで来れば行ける」。そのままエリオットがハムリンを抑え、トップでチェッカー。第22戦:ワトキンスグレンに次いで、キャリア2勝目。Round of 12の突破を最初に決めた。

 コーチ役を務めたジェフ・ゴードンがガッツポーズ、近くにいたリック・ヘンドリックも笑顔を見せる。並走したハムリンも祝福。「何かジェフ・ゴードンがコーチングでもしたんですかね。今日はリスタート上手かったねー・・・リスタートはど下手で、いつもホイルスピンしたりね、アクセル踏み方が悪かったりね。遅れを取ってたんですけど、デカいね、このドーバーで勝ったのは」

 喜ぶクルーの前でバーンアウト。ハムリン、ロガーノ、ジョーンズ、カート、ハーヴィック、ディロン、カイル、リッキー・ステンハウス・ジュニア、ダニエル・スアレスのトップ10。11位ブレイニー、12位ラーソン、13位アルミローラ、14位ケセロウスキー、15位トゥレックス、28位ボウマン、35位ボウヤー。

 5度目のコーションの混乱で順位を上げられたカイルは幸運だったと言うべきか。一時は5位まで順位を戻していたハーヴィックの場合は何とも言えない。エリオットは、リーダーボード圏外から一気にRound of 8進出を決定させ、マシンの上に乗ってクルーとハイタッチ。よほど嬉しかったのだろう、ヘルメットを脱いで、おどけて見せ、満面の笑顔。

 「こんなに笑うチェイス・エリオットって、なかなかないよ」さて、その場でインタヴュー。「(チームには”あきらめずに戦い続けてくれてありがとう”と伝えていましたが、根気強く戦った末の勝利ですね)」「その通りさ、レース前半にペナルティを受け、後方にさがったけど、幸運にも車がよかったし、ストラテジーも機能してくれた。素晴らしい一日になったよ。チームはもちろん、リック・ヘンドリックにも感謝している」

 「彼は本当に色々なことをしてくれているんだ。今日は両親にもいて欲しかったね。それとファンのみんなにも感謝している。みんな最高だよ、大好きさ」(大歓声)「(去年のドーバーは、残り2周までリーダーでしたが、勝利を逃しました。最高のリベンジになりましたね)」

 「あの経験は、今日の喜びを大きくしているね。悔しい思いをしたが、今日はこれで次ラウンド進出さ。これでタラデガの心配をしなくていい。素晴らしい一日になったよ」・・・ウォールを乗り越え、インタヴューを並んで聞いていたゴードンとがっちり握手、ヘンドリックともハグ。

 「(2位のハムリンです。2タイヤチェンジ後、インラインからのリスタートでしたが、チャンスはありませんでしたか?)」「今日はずっとアウトラインのリスタートの方がよかったので、厳しいとは思っていたよ。最終ラップは、23秒7くらいで走ったのに、彼は23秒6だった。タイヤを交換していないのにすごいね」

 「ターン①②でも、ターン③④でも攻めていったが、届かなかった。でも、終盤に順位を上げ、2位さ。チームとして正しい方向に進んでいると思う。チームも今日の走りも誇りに思っている」「(クルーチーフのマイク・ウィーラーにとっては、ここは好きなトラックではないようですが、今日の結果を受けての感想は?)」

 「自分は嫌いなトラックなんてないさ。ここはレースもよく見えるいいトラックだよ。得意なトラックではなかったけど、今日は2017年秋のマーティンズビルのように、もめ事なく、エリオットとワンツーフィニッシュを決められたのが、うれしいね」ハムリンもエリオットの速さに脱帽。悔しいだろうが、2位フィニッシュに納得した様子。

Race Rewind: Dover in 15



 そしてビクトリーレーン。再びエリオットへのインタヴュー。「(レース前は、”今日の車は今一つだ゛と言っていましたが、あの発言は何だったのでしょうか?)」「レースを通して根気強くアジャストを決め続けた結果さ。いい時も悪い時も支え続けてくれたNAPAを始めとする全てのスポンサーとシボレーには感謝している」

 「去年はあと少しで勝利を逃しただけに、すごく嬉しいね。今日は両親にもいて欲しかったよ。これでタラデガの心配をしなくていいのはうれしいね」「(タイヤ交換をしなかったアラン・グスタフソンの決断については?)」「今まで何度も勝利を逃してきたので、今日はチャンスだとは思っていた」

 「自分も今までとは違う心境だったんだ。以前より自信もあったし、勝てなかった時の心配ではなく、このチャンスを楽しむことができた。こうやっていられるのも、リック・ヘンドリックがチャンスをくれているからさ。彼の前でシーズン2勝目をあげられてよかったよ」

 「(大喜びであなたを祝福しているチームのメンバーを見て、どんな気分ですか?)」「感慨深いね。厳しい時間を過ごした分だけ、お互いより感謝できる。大変な時は、そんな気分にならない時もあるが、今日やワトキンスグレンのような日は、みんなにより感謝できるね。厳しい経験と共に常に前に進んでいくのみさ」

 エリオットはこれがオーバル初勝利。次ラウンド進出を決め、ハーヴィックは+68ポイント、カイルが+63ポイント、トゥレックスは+36ポイント、ロガーノが+31ポイント、カートは+21ポイント、ケセロウスキーが+21ポイント、ブレイニーは+10ポイント、カットライン下は、アルミローラがー10ポイント、ボウヤーはー10ポイント、ラーソンがー12ポイント、ボウマンはー34ポイント。

 ビクトリーレーンでは、エリオットをジョンソンが祝福する中、ブレイニーも駆けつけ、肩を何度も叩く。エリオットもしっかり握手を交わす。この辺は新世代同士の気持ちが伝わってきて、心地良い。

 一時は4位までを独占していたSHRが総崩れ、終盤の混戦とステイアウトでエリオットが勝利を収めた。次戦タラデガは、誰が勝つか分からないプレートレース。これまで3戦の勝者も、ディロン、ロガーノ、ジョーンズとマルチウィンがないドライバーばかり。カットライン下のドライバーや、コンテンダー以外のドライバーが勝つ可能性は十分ある。シリーズ最恐のトラックを勝ち抜くのは誰だ?