ハーヴィック完勝!ボウヤー抑え、単独4勝目(NASCAR第11戦:ドーバー) | 日日不穏日記・アメブロ版

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 NASCAR第11戦:ドーバーは、デラウエア州ドーバーのドーバーインターナショナルスピードウェイでの「AAA 400 Drive for Autism」。

 ドーバーは通称「モンスターマイル」、オールコンクリートで滑りやすく。24度のハイバンク。そして、歴代最多勝は、春6勝、秋5勝とも最多で計11勝を誇るジミー・ジョンソン(2002~17)。

 去年の春も制しているが、ジョンソンはそれ以来優勝がなく、通算83勝止まり。ボビー・アリソンとダレル・ウォルトリップの84勝にどうしても届かないが、フェニックスがハーヴィックの庭、ブリストルがカイル・ブッシュの庭なら、ドーバーはジョンソンの庭でもある。

 スタート・コマンドは、NFLのフィラデルフィア・イーグルスの元選手:マイク・クイック(現ラジオ解説者)とラジオアナウンサー(名前は聞き取れなかったが、コンビを組んでいるのだろう)の2人がコール。

 PPは、カイル・ラーソンだったが、インスペクションで違反が見つかり、リアへ。ハーヴィックと、マーティン・トゥレックス・ジュニアのフロントロー。

 トラックファクツは、1マイル。ターン24度、ストレート9度。レースアナライシスは、120+120+160LAPの3ステージ制。ピットスピードは35マイル、フューエルウィンドウは、85~95LAP。グリップレベルは3-4.

 リアに下がったのは、ラーソンの他に、アレックス・ボウマンもインスペクション。オースティン・ディロンは規定外のアジャスト、コリー・ラジョイはエンジン交換となっている。

 レースは、アウトからハーヴィックが前に出るが、4LAP、ターン4で、ダレル・ウォレス・ジュニアのプッシュでマイケル・マクドゥエルがスピン、いきなりのコーションとなる。

 8LAP、ハーヴィック、トゥレックスのフロントローでリスタート。17LAP、ハーヴィックのトップは続き、トゥレックスは1.32秒、チェイス・エリオットが1.95秒、カイルは2.56秒、ケセロウスキーが3.50秒差となっている。

 20LAP、カイルがエリオットをパスし3位となるが、21LAP、コリー・ラジョイがエンジンブローで2回目のコーション。ここでリードラップカーが一斉にピットイン。

 ディロンが2タイヤでトップ。ハーヴィック、ブラッド・ケセロウスキー、カイル、トゥレックスが4タイヤで続く。そしてボウマン、カイル・ラーソン、ランドン・カッシルの3台がステイアウトとストラテジーが分かれる。

 26LAPにリスタート。29LAP、ボウマン、ラーソン、ケセロウスキー、トゥレックス、ハーヴィックの順だが、カイルは、バイブレーションを訴えていたが、まだ収まらない様子。

Derrike Cope spins, wrecks in Dover to end day



 解説の福山さんはタイヤが問題ではなく、ドライブシャフトではないか?と言う。だとすれば、問題の根は深い。43LAP、ケセロウスキーがラーソンを捉え、2位に。トップのボウマンとは、1.08秒差だ。

 CM明けにリードチェンジ。ケセロウスキーがボウマンをパスしてトップに立つ。53LAP、ハーヴィックもボウマンを抜いて、ケセロウスキー、トゥレックスを追う。

 エリオットは、過去走った4戦いずれもトップ5と抜群の安定感を誇り、昨年の29戦「Apache Warrior 400」で、138LAPをリードしながら、ラスト2LAPでカイルにパスされる「血も涙もない」展開で優勝を逃している。

 現役では、ジョンソンを除くと、カイルとライアン・ニューマンが3勝、トゥレックスが2勝、カート・ブッシュ、ハーヴィック、ケセロウスキーが各1勝であると紹介される。

 81LAP、カッシルがピットイン。83LAP、ケセロウスキーにトゥレックスが迫る。その差は0.23秒、その後ろのハーヴィックは、2.43秒だ。

 93LAP、ケセロウスキーに仕掛けるトゥレックスだが、98LAP、トゥレックスとラーソンがピットイン。ラーソンはステイアウトだから、ピットインはやむを得ないが、トゥレックスはタイヤの問題であるという。何とも惜しい。

 ラーソンは、アンインストールドタイヤのペナルティで、ドライブスルー。PPを獲得したのにインスペクションに引っ掛かり、ステイアウトでコーション待ちするも、コーション出ず、ピットに入ったら、タイヤ・・・と踏んだり蹴ったり。

 106LAP、同じくステイアウトのボウマンがピットイン。この時点で、ケセロウスキーとハーヴィックは、0.28秒差。108LAP、ハーヴィックが遂にアウトからケセロウスキーをパスし、トップに立つ。

 110LAPに出たテロップによると、ラップリードは、ケセロウスキーが60、ボウマンが26、ハーヴィックが23LAP。112LAPにポール・メナードがピットに向かうが、その後ガレージへ(34位で完走)。

 114LAP、ハーヴィックとケセロウスキーは、1.45秒差。カイルが1.75秒、ハムリンは5.70秒、エリオットが9.95秒差になっている。

 エリック・ジョーンズとニューマンは、残り2LAPでピットに向かうが、ニューマンは、ピットクローズ後に入ってしまい、恐らくペナルティを受けたと思われる。その後、ガレージに入ったりと、マシントラブルにも見舞われ完走したものの、23LAPダウンの33位に終わっている。

 ステージ1は、ハーヴィックが制し、カイル、ケセロウスキー、ダニエル・スアレス、カート、エリオット、クリント・ボウヤー、ジョンソン、ジョーイ・ロガーノ、ライアン・ブレイニーのトップ10。

Kyle Busch's day ends after drive shaft breaks in Dover



 ピットロードがクローズ状態の時に、デニー・ハムリンがピットイン。アンダーグリーンが長かったから、燃料が持たなかったのだろう。福山さんは、「ニューマンと違って確信犯」と。

 26LAPがリスタートだったから、フューエルウィンドウ限界の95LAPギリギリ。むしろ、ピットに入ったのがハムリンだけだったのが、不思議なくらいだ。コーションラップが続き、ピットオープン。

 リードラップカーが一斉にピットイン。ハーヴィック、ケセロウスキー、カイル、スアレス、カートの順でピットアウトするが、カートのピット付近から、タイヤが転がりだし、マシンが皆避けてゆく。

 やはりカートのアンインストールドタイヤで、カートはテールエンドへ。AJ・アルメンディンガーがフリーパスを得る。5位には、ボウヤーが繰り上がる。そして、トゥレックスがコーションラップ中にステイアウトして、ラップバック(20位)。

 8(128)LAPにリスタート。ハーヴィックが無難に決め、トップをキープ。11(131)LAP、ハーヴィックとケセロウスキーは0.88秒差、カイル、スアレス、ジョンソンが続き、ジェイミー・マクマーレイは9位。

 「マクマーレイは厳しいですよね、頑張らないと。チームメイトのラーソンが速いだけにね。マクマーレイも40歳、41歳ですかね。最近、40歳になると危ないからね、しっかり頑張らないと。来年のシートも危ないですよね」「マクマーレイは1976年の6月3日生まれということですね」と福山さんのコメントに、野村さんが補足する。

 マクマーレイはもうじき42歳。2013年の第31戦タラデガ以来、勝利がない。翌年のオールスター戦では優勝しているが、それ以降は目立った活躍がない。

 ガナッシに移籍したのが2010年、そこで開幕戦のデイトナ500で優勝し、ブリックヤード400で2勝。コカ・コーラ600でも、カート・ブッシュ(ペンスキー/当時)と最後まで優勝を争った輝きはもはや・・・。

 チームメイトのラーソンにマシンをぶつけていたのも、その辺の苛立ちが原因だとすれば、内心かなり焦っている可能性はある。カート同様、レギュラーシーズンでの優勝、プレーオフ出場は、シート確保の必須条件かもしれない。

 153LAP、デリック・コープがウォールにヒットし、4回目のコーション。コープは、1958年11月3日生まれの59歳。1990年のデイトナ500、同年のBudweiser 500(ドーバー)ウィナー。キャリアでの優勝は、この2回だけで、フル参戦していたのは、1999年まで。第一線を退いた存在ではある。

 この4回目のコーションで、リードラップカーが一斉にピットイン。ケセロウスキー、ハーヴィック、カイル、ジョンソン、スアレスのトップ5でピットアウト。

Pit crews fight Mother Nature in Dover



 コープは、アウト側でヒットし、さらにイン側のウォールにも重ねてクラッシュし、ここでリタイア。レッカー車でマシンを運ばれ、37位に終わる。

 39(159)LAPにリスタート。アウトから、ケセロウスキーがリード。ボウマンとラーソンの22位争いは、そのままラッキードッグを巡っての戦いでもある。80(200)LAP、ハービックがケセロウスキーをパスし、と再びトップに。

 85(205)LAP、ハーヴィックのトップが続き、ケセロウスキーが、1.16秒、カイルは2.45秒、ジョンソンが4.92秒、ブレイニーは6.13秒差になっている。ステージ1同様、ハーヴィックはロングランが強い。

 104(224)LAP、ハーヴィックとケセロウスキーの差は、3.35秒に開き。116(236)LAP、ハーヴィックは16位のエリック・ジョーンズを捉え、118(238)LAP、ウィリアム・バイロンをパス。

 ラッキードッグ争いでバイロンとジョーンズが激しく争うがそのままチェッカー。ハーヴィックがステージ2も制し、ケセロウスキー、カイル、ジョンソン、ボウヤー、スアレス、トゥレックス、ブレイニー、エリオット、ロガーノのトップ10。

 リードラップカーがピットイン。ハーヴィック、ケセロウスキー、カイル、ボウヤー、ジョンソンの順でピットアウト。

 歴代のドーバーウィナーだと、ジョンソンの11勝に続くのは、リチャード・ペティとアリソンが7勝で続き、歴代2位の通算105勝のデヴィッド・ピアソン(1934~、1966、68、69グランドナショナルシリーズチャンピオン)、ジェフ・ゴードンが5勝という錚々たる顔ぶれが続く。

 249LAPにリスタート。アウトからハーヴィックがリード。254LAP、コディ・ウェア―がクラッシュし、6回目のコーション。マクマーレイがフリーパス。

 ステージ3開始直後だが、ジョンソン、ロガーノ、リッキー・ステンハウス・ジュニアがピットイン。260LAP、ハーヴィック、ケセロウスキー、ボウヤー、カイル、トゥレックスのトップ5でリスタート。

 が、271LAP、カイルがバイブレーションでスローダウン。7回目のコーションとなり、マシンをガレージへと進めてゆく。レースの早い段階から、マシンの異常を訴えていたから、よくここまで走らせてきた、と言って良いかもしれない。

 ここでリードラップカーがピットイン。ケセロウスキーとロガーノのペンスキー2台が2タイヤで1-2。ハーヴィック、ボウヤー、ブレイニーが4タイヤで続くが、ステンハウス、マクマーレイの2台がステイアウトでフロントローに浮上。

 282LAPにリスタート。フューエルウィンドウからしても、もう1ストップは確実に必要だ。ステイアウトも2タイヤも「あり」なのかもしれない。

 ステンハウス、ロガーノ、ボウヤーが先行する。285LAP、ボウヤーがロガーノをパスし、2位に。

Kevin Harvick's monster burnout at Dover



 マット・ケンゼスの話題に移り、ラウシュのカーナンバー6をトレバー・ベインとシェアドライブ。とりあえず、次戦のカンザスとその次のオールスターレースの参戦は決まっているという。

 オールスターレースはケンゼスは2004年に制しているし、2003年のチャンピオンでもある。参加資格があるのはケンゼスだけで、この2戦の参戦は妥当。ベインは今シーズン、トップ10フィニッシュが1回もなく、実績のあるケンゼスを起用するという判断も分からなくはない(ステンハウスもトップ10は2回だけだが)。

 298LAP、ボウヤーがステンハウスをパスし、トップへ。303LAP、ボウヤーがトップ。ステンハウスが1.45秒、ロガーノは2.78秒、トゥレックスが3.05秒、ハーヴィックは、3.30秒差となっている。

 リードラップは、ハーヴィックがケセロウスキーを抜き、138LAP、ケセロウスキーは108、ボウマンが26、ステンハウスは24、ボウヤーが6と続いている。

 CM明けの315LAP、ボウヤーが依然トップ、ハーヴィックは3.20秒差。ステンハウス、ロガーノ、トゥレックスのトップ5。

 317LAP、雨で8回目のコーション。各チームはピットボックスをチェックする中、レッドフラッグに。雨雲レーダーでは、雲は外れているので、天気はいずれ回復はする。そのまま41分間の中断を経て、コーションラップに。

 リードラップカーが再びピットイン。余裕があるとは言えないが、フューエル的には、これがラストピットになる。ボウヤー、ハーヴィック、ロガーノ、トゥレックス、スアレスの順でピットアウト。

 ケイシー・ケインがフリーパス。アルメンディンガーがアンインストールドタイヤ。ロガーノはルースホイールで再ピットし、大きく後退。

 326LAPにリスタート。アウトからボウヤがリード。334LAP、ボウヤー、ハーヴィック、スアレス、トゥレックス、カートのトップ5。338LAP、ハーヴィックがアウトからボウヤーをパスし、トップに。

 344LAP、ハムリンがエリオットをパス、8位へジャンプアップ。347LAP、ケセロウスキーがブレイニーを捉え、6位。349LAP、ジョンソンがラーソンを抜き、トップ10に返り咲く。

 356LAP、ジョンソンがエリオットをパス、9位へ。358LAP、ハーヴィックはボウヤーに2.93秒のリード。スアレスが4.15秒、トゥレックスは4.47秒、ケセロウスキーが5.26秒差となっている。

 380LAP、エリオットは、エリック・アルミローラにもパスされ、12位にドロップ。一方、トップ5に変動はなく、ハーヴィックとボウヤーの差は、5.37秒にまで広がっている。

Race Rewind: AAA 400 at Dover



 383LAP、ハーヴィックは16位のマクマーレイをパスし、ラップダウンに。ロングランでハーヴィックの速さは加速し、ラップダウン車が量産されてゆく。389LAP、ハムリンがブレイニーをパスし、7位へ。

 394LAP、トゥレックスが3位のスアレスに仕掛けるが、抑える。トゥレックスにもそれほど余力はなく、抜くには至らない。

 ハーヴィックは、7.13秒のリードを築いたまま、ファイナルラップ。リードラップは、わずかに13台。ハーヴィックは、第3戦ラスベガスに続いて、今シーズン2回目の3ステージ完全制覇する完勝。

 ハーヴィック、ボウヤー、スアレス、トゥレックス、カート、ケセロウスキー、ハムリン、ブレイニー、ジョンソン、ラーソンのトップ10。

 3位スアレスのインタヴュー。「(オーバルトラックでは、自己最高3位のスアレスです。レースを振り返っていかがでしたか?)」「よかったよ、チームのみんなを誇りに思う」

 「クルーチーフのスコット・グレイブスやスポンサーのスタンレーなどみんなのおかげさ。開幕から1ヶ月ほどは厳しい戦いが続いたが、やっと正しい方向性が見えてきた。JGRのみんなや、エンジンビルダーのTDRのおかげだよ」

 続いてボウヤー。「(2位のボウヤーです。やり直せるとしたら、最後のピットインのアジャストでしょうか?)」「クリーンエアーで走ることを前提としたアジャストが大事だった。ハービックがレースを通じてしていたようにね」

 「最後のリスタートで初めてリーダーとしてリスタートしたが、ターンをうまく走ることができた。でも本当はリスタート直後はタイト気味がいいんだ。だからすぐに“これはまずいな”と思ったよ。その後は予想通りにどうしようもないほどルースになってしまった」

 「マーティンズビルで勝った時が、ハースデモデーの車だったので、その再現を狙っていたんだけどね。ジーン・ハースを始め、チームのみんなが、こうして楽しめるチャンスをくれた。戦闘力のある車でリーダーを走れて楽しかったよ」

 そして、ビクトリーレーンで、今季4勝目(通算41勝目)を挙げたハーヴィック。「(今シーズン4勝目です。ブッシュビールが飛びかっています。チームメイトとのバトルを制し、最後は7秒以上の差をつけました)」

 「まず最初にチームのみんなとラウシュイェイツエンジン、それとフォードのみんなに感謝したい。彼らの努力のおかげで自分だけでなくSHRからトップ5に3台も入ることができた。ジミージョンズを始めとする全てのスポンサーに感謝している」

 「あと最後までレースを見てくれたファンにもね。チームメイトとのリーダーバトルは楽しかった。それがまさに今のチームの状態を表している。家で待っている家族に早く会いたいよ」「(モンスターの模型がいいお土産になりますね)」「前回は腕の部分を壊してしまったので、気を付けて持って帰るよ」

 ハーヴィックのリードラップはレースの半分を超える201。クリント・ボウヤーが40でSHRが圧倒的。ケセロウスキーが108LAPで、文字通りフォードがドミネイト。次戦:カンザスは、第7戦以来の1.5マイル。今のモーメンタムでは、ハーヴィックが圧倒的に有利だ。

 カイル、トゥレックス、あるいはジョンソンがハーヴィックを止めないと、レギュラーシーズンの流れが完全に決まってしまいそうだ。