2位アロンソに12ポイント、3位ライコネンに17ポイントで残り2戦。絶対有利の状況で、乗り込んできたハミルトン。PPも獲得し、レースでは2位ライコネン、3位マッサ、4位アロンソを引き離すというこれ以上ない展開。
ハミルトンはこのまま問題なくチャンピオンを決めるように見えた。
コンディションはウェット。富士ではハミルトンに味方した天候が、皮肉にも最悪な結果を引き起こす。
ハミルトンは15周目にピットストップ。タイヤ交換せず、給油量も減らし、早めにドライコンディションになると踏んで、コースへと戻る。
・・・が、引き離すはずのライコネンとの差はどんどん縮まっていく。タイヤの摩耗が激しいのだ。ドライタイヤへの交換の判断が遅れたチームの判断ミスは、31周目のピットストップ目前で、ピットロード外側のグラベルに突っ込み、今季初のリタイアという結果になってしまう。
直接的には、ハミルトンのミスだが、傍目にもタイヤの摩耗がはっきり分かる状態で走らせたマクラーレンのミスだろう。
ライコネンが完璧な走りで5勝目。アロンソがマッサの追撃を抑えきり、追う2人が1-2フィニッシュ。アロンソは4ポイント差、ライコネンは、7ポイント差でタイトルへの望みをつないだ。
タイヤ交換が早かったとして、ハミルトンが優勝できたかは分からない。ただ、5位以内に入れば、ライコネンのタイトルの可能性は消えていたし、アロンソより前でフイニッシュしていれば、タイトルは決まっていた。
仮にこの2人よりも後方でも、最終戦ブラジルは、余裕で臨めたことは間違いなく、シーズン初のリタイアは、大きな代償となってしまった。
そして、三つ巴の混戦状態でタイトル決定は、最終戦へと持ちこされる。