マクラーレンに大きな問題が起きていた。アロンソとマクラーレンの関係に亀裂が入り始めていたものの、ハミルトンと直接衝突するには至らなかった2人の関係。それが遂に破綻したことが誰の目にも明らかになった予選。
仕掛けたのはハミルトンだが、アロンソもあまりに大人気なかった。結局、アロンソはPPから、6番手スタートになるという大きな代償を払う結果となり、4位フィニッシュ。
ハミルトンは、ライコネンを完封して、シーズン3勝目。アロンソに7ポイント差をつける完勝。逆転の目がなかった以上、ライコネンも3ストップにするなどのギャンブルをしても良かったのではないか。
1秒弱でも負けは負け。3位のハイドフェルドとの差が40秒以上あったことを考えれば、やる価値はあったと思う。
ハミルトン80ポイント、アロンソ73、ライコネン60、ノーポイントだったマッサは59ポイントで4位に後退。
事実上、ハミルトンとアロンソの争いだが、2人の確執がここまで表面化した上、マクラーレンチーム自体も、“このレース”でのポイントを剥奪されるなど混乱の極み。レースで完敗したフェラーリ勢にもチャンスは出てきた。
チャンピオンドライバーと互角に戦う驚異の新人。その新人はマクラーレンの秘蔵っ子。アロンソは、ハミルトンのパフォーマンスに自分を見失う場面が何度もあり、2005、6年の完璧な走りをまだ見せられていないばかりか、若さを露呈するのもしばしば。
その間隙をつく形で、フェラーリの反撃が始まる。