日本の五輪の歴史(15) | 俳句の里だより2

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冬季大会(5)

 

このシリーズでは、日本の五輪(夏季、冬季)参加の歴史を紹介しているが、これまで夏季大会(2021年の第32回東京大会まで)について紹介した。続いて、ここでは日本の五輪冬季大会の歴史について紹介し、前回は1980年の第13回レークプラシッド冬季大会(米国)から、1992年の第16回アルベールビル冬季大会(フランス)までを紹介したが、今回は1994年の第17回リレハンメル冬季大会(ノルウェー)と、1972年の札幌大会に続いて2度目の日本開催となった1998年の第18回長野冬季大会について紹介する。

 

なお、冬季大会はこれまで夏季大会と同じ年に開催されていたが、第17回リレハンメル大会は、1992年の第16回アルベールビル大会の2年後の1994年に開催されることとなり、これ以降冬季大会は夏季大会の2年後の冬に開催となるよう、開催サイクルが改められた (夏季大会と冬季大会を2年ごとに開催)。

 

〇1994年の第17回リレハンメル冬季大会(ノルウェー)には、日本から65人の選手(男子49人、女子16人)が、スキー(アルペン、クロスカントリー、ジャンプ、ノルディック複合、フリースタイル、スノーボード)、スケート(スピード、フィギア、ショートトラック)、バイアスロン、ボブスレー、リュージュの5競技に参加し、ノルディック複合団体で荻原健司ら3人が金メダル(2連覇)を獲得した。また、ノルディック複合個人で河野孝典が、ジャンプ・ラージヒル団体で原田雅彦ら4人がそれぞれ銀メダル(計2個)を獲得した。さらに、スピードスケート男子500mで堀井学が、同女子5000mで山本宏美がそれぞれ銅メダル(計2個)を獲得した。

 

本大会の入賞者は、ノルディック複合個人で荻原健司、ジャンプ・ラージヒル個人で岡部孝信、ショートトラック男子1000mで寺尾悟がそれぞれ4位入賞を果たした。また、ジャンプ・ノーマルヒル個人で葛西紀明、スピードスケート男子500mで清水宏保、フィギュアスケート女子シングルで佐藤有香、ショートトラック男子5000mリレーで寺尾悟ら4人がそれぞれ5位入賞を果たした。さらに、スピードスケート男子500mで井上純一、同男子5000mで糸川敏彦、同女子1000mで楠瀬志保、同女子3000mで橋本聖子がそれぞれ6位入賞、同女子3000mで山本宏美が7位入賞、同男子1000mで井上純一、同女子5000mで橋本聖子、ジャンプ・ノーマルヒル個人とラージヒル個人で西方仁也がそれぞれ8位に入賞した。

 

本大会で、スキー・ノルディック複合団体は前回に続いて2連覇を達成したが、スキー・ジャンプラージヒル団体は最終ジャンパーの原田雅彦が痛恨の失敗をして2位(銀メダル)に終わり、原田は「大舞台に弱い」と言われ大バッシングを受けた。しかし、次(1998年)の長野大会でその汚名を見事に返上しリベンジ(団体優勝)を果たした。なお、本大会では、スキーのスノーボードが正式種目となった。

 

〇1998年の第18回長野冬季大会には、日本から166人の選手(男子100人、女子66人)が、スキー(アルペン、クロスカントリー、ジャンプ、ノルディック複合、フリースタイル、スノーボード)、スケート(スピード、フィギア、ショートトラック)、アイスホッケー、バイアスロン、ボブスレー、リュージュ、カーリングの7競技に参加し、ジャンプ・ラージヒル個人で船木和喜、同ラージヒル団体で原田雅彦ら4人、スキー・フリースタイル女子モーグルで里谷多英、スピードスケート男子500mで清水宏保、スケート・ショートトラック男子500mで西谷岳文がそれぞれ金メダル(計5個)を獲得した。また、ジャンプ・ノーマルヒル個人で船木和喜が銀メダルを獲得、同ラージヒル個人で原田雅彦、スピードスケート男子1000mで清水宏保、同女子500mで岡崎朋美、ショートトラック男子500mで植松仁がそれぞれ銅メダル(計4個)を獲得した。

 

本大会の入賞者は、ノルディック複合個人で荻原健司、ショートトラック女子3000mリレーで勅使川原郁恵ら4人がそれぞれ4位入賞を果たした。また、ジャンプ・ノーマルヒル個人で原田雅彦、ノルディック複合団体で荻原健司ら4人、スピードスケート女子500mで島崎京子、ショートトラック男子1000mで田村直也、同男子5000mリレーで寺尾悟ら4人、同女子1000mで勅使川原郁恵、カーリング男子で敦賀信人ら5人、同女子で近藤ゆかりら5人がそれぞれ5位入賞を果たした。さらに、ジャンプ・ラージヒル個人で岡部孝信、ノルディック複合個人で荻原次晴、アイスホッケー女子で十川由希ら20人、バイアスロン女子15kmで高橋涼子がそれぞれ6位入賞、ジャンプ・ノーマルヒル個人で葛西紀明、スキー・フリースタイル女子モーグルで上村愛子、クロスカントリー男子4×10kmで蛯澤克仁ら4人、スピードスケート男子1500mで野明弘幸、同男子5000mで白幡圭史、同女子1000mで岡崎朋美が7位入賞、同男子1500mで青柳徹、同女子1000mで三宮恵利子がそれぞれ8位に入賞した。

 

本大会では、金メダル5個、銀メダル1個、銅メダル4個(総メダル数10個)を獲得し、冬季大会では史上最多となり、金メダル数は世界6位、総メダル数は世界8位だった(1972年の札幌大会では金1、銀1、銅1(計3個)で、金メダル数は世界9位、総数は世界11位)。本大会で、スキー・ノルディック複合団体は3連覇を目指したが、残念ながら5位入賞に終わった。しかし、スキー・ジャンプラージヒル団体は、前回大会であと一歩のところで逃がした金メダルを激しい雪が降り続く悪コンディションの中で見事に獲得、リベンジを果たした。また、個人でも船木和喜がラージヒルで金、ノーマルヒルで銀、原田雅彦もラージヒルで銅メダルを獲得するなど大活躍だった。

 

一方、スピードスケート男子の清水宏保が500mで金メダル、1000mでも銅メダルを獲得、女子では岡崎朋美が500mで銅メダルを獲得、さらには、スキー・フリースタイルの女子モーグルでは里谷多英が、スケート・ショートトラック男子500mでは西谷岳文が金メダルを獲得するなど、日本中を興奮と熱狂の渦に包んだ。また、新種目となったカーリングでは、男女ともにメダルは獲得できなかったが、共に5位に入賞した。