小雀浄水場見学 | 俳句の里だより2

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横浜の命の水ガメ

 

昨日の水曜日、地域のシニア仲間10名と横浜にある小雀浄水場を見学した。小雀浄水場は、神奈川県の中央を流れる相模川(馬入川)を水源とし、昭和40年(1965年)に横浜市(上水道、工業用水道)と横須賀市の共同施設として竣工した。その後2回の拡張工事を経て、現在の浄水処理能力は1日当たり約100万m3(横浜スタジアム約3杯分)という。浄水処理された水は、横浜市の南部方面を中心に、横須賀市にも給水しており、横浜市全体の約3分の1、横須賀市全体の約2分の1を受け持っている。我々横浜住民にとっては命の水ガメである。なお、横浜市の水源には、この小雀浄水場の他に、道志川から取水している川井浄水場と、相模湖と津久井湖の間にある沼本ダムから取水している西谷浄水場があり、浄水場できれいにした水は、横浜市内の22ヵ所にある配水池にためられ、そこから大小の水道管を通って学校や家庭などに送られる。

 

今回の見学であるが、当初の計画では午前10時半にJR戸塚駅に集合し、そこから歩いて「田谷の洞窟」を見物した後に、歩いてこの小雀浄水場を見学する予定だったが、天気予報で当日の朝は雷雨が予想されるとのことで、前日にこのウォーキングを兼ねた「田谷の洞窟」見物を断念し、小雀浄水場のみ見学することとした。浄水場の見学時間は午後1時半から3時半の2時間と決まっていたので、地下鉄立場駅に午後0時20分に集合、そこからバスに乗って小雀浄水場を訪れた。水道局の人2人に案内してもらい、相模川の水を取水し、浄水場で水道水が出来るまでの設備や工程(着水井、沈でん池、ろ過池、消毒設備)の説明を見聞きしたが、その設備の大きさや、これまで一度も断水が無いことに驚かされた。ただ、この浄水場は建設から約60年が経過しており、老朽化が進みいろいろと多くの課題があるので、令和22年度を目途に小雀浄水場での浄水処理はやめるとのこと。

 

ところで、日本で初めて水道が出来たのは横浜だそうで、イギリス人のヘンリー・スペンサー・パーマーの協力のもと、明治20年(1887年)10月17日に「横浜水道」(近代水道)が完成した。なお、近代水道とは、ろ過してきれいになった水を鉄の水道管を通して圧力をかけて工場や家庭などの蛇口まで送る水道のことで、現在では水を塩素で消毒している。また、この業績により、1987年に横浜水道創業100年を記念して野毛山公園(旧野毛山配水池)にパーマーのブロンズ胸像が立てられた。

 

小雀浄水場