オンライン俳句図書館は

「ミルトス館」へ名称を変更いたしました。

 

鐘一打万緑に身をゆだねたる  中山世一

 

句集『草つらら』より

 

万緑の季節まで、まだ少しあります。

「万緑」という季語は、草田男が使い始めて、

季語として定着しました。

 

こちらの俳句は、

万緑と御寺の鐘を撞く作者の姿を想像させます。

動きのある風景を、思い描かせます。

鐘を撞く動作に「万緑」が挟み込まれていますが、

「万緑に身をゆだねる」という表現によって、

違和感なくまとめられています。

 

鐘一打、御寺の鐘が、どーんと響き、

次に、鐘を撞いた人が勢いで、身体を前へ投げ出された様子が分かります。

そして、その様を、

「万緑へ身をゆだねた」と表現しました。

あたりを囲む山々、深い緑に包まれた御寺。

鐘を撞いてバランスを崩したのではなく、

「万緑へ身をゆだねた」のです。

作者の柔軟な精神が読みとれる一句でもあるでしょう。

かくありたいと願います。

 

渾身で搗く鐘の音は、万緑へ響きます。

自身もまた、万緑へ身を投げ出し、

あとは自然に任せているようです。

一面の緑、万緑は、希望を感じさせる季語です。

吾子の歯が生え初めるような、湧き立つ希望を、

鐘を撞いて、作者も今、感じているのでしょう。

 

 

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カノンでした。