五月の日曜、宇都宮市内の長岡公園緑地を歩きながら吟行を開催しました。天気もよく、暑いほどの日和でしたが、森の中はすっと肌寒いような気がします。蛙や鳥の声、自由に舞う蝶、名も知らぬ樹々や植物に囲まれて歩くのは久しぶりでした。まるで人里離れた森にいる気分でその時間を楽しみました。吟行で詠んだ句を掲載します。
荒木あかり
仏舎利塔いまも雄々しく変わらず
まほろばの道ケーナの音が吸い込まれる
沼地に咲く紫アヤメ人知れず
山あいに田植え見つけて人の気配
緑のこもれびのシャワー浴びて深呼吸
うぐいすの姿見せず鳴き声で主張す
大竹和音
仏舎利塔チャリで迷つて五月晴れ
黒蝶よ蛾に生まれなくてよかつたね
ウグイスの笛の音楽しこぶし小屋
刈谷吉見
陽春にジーパン穴の肌熱く
倒木の株ムンク叫びの顔見せて
老夫婦ソフトバンクの犬と森
石井温平
老鶯にせかされ口を開きけり
溜め池のアヤメ鮮やか良き吟行
福冨陽子
ウシガエル声や休めど風そよぎ
葦の葉の鋭き先に夏の色
こもれびに魂休めて時流る
年輪を見せし株に陽の差しぬ
久々にぬかるみの上歩いてみる
風薫メンバー
「温平さーん」

