稲々のあと爽風ひつじ田となり | 自由俳句 「風薫」(ふうくん)

自由俳句 「風薫」(ふうくん)

宇都宮で自由俳句の会「風薫」を主宰している陽子です。自由な感覚で俳句を詠み合う句会を月に1回開催しています。俳句集もすでに10集集目を刊行しております。

9月13日、秋の日の風薫句会が開催されました。
彼岸花をはじめ秋の花、虫、鳥、果物などの話題が豊かでいい季節です。話の中で出た場所や風景にさそわれてちょっと出かけてみたくもなるものですね。


■ 大倉 美和

カマキリやひねもす窓を登りきり

自己主張強し栗いが まだ青し

彼岸花すべてを染むる朝の道


■ 田代 由美子

友の好むぶどうたわわに天高し

秋の風 仔猫たわむれ蜻蛉ゆく

断舎離の意気込みいずこ虫の声

すすき押し見え隠れする月見かな


■ 佐藤 宣明

竜胆のりんりんと鳴り響く空は澄み

当分は主采に勝る茗荷の子

まだまだと袖をまくりし秋の蝉


■ 刈谷 吉見

帰り道バツタを移動させてゐる

巴波川 蝉の穴ぼこ探したる

秋来たり広岡達朗物申す

句会の句なけれどつくりし猫トイレ


■ 福冨 陽子

薄明の光受く地や天使のはしご 

ひまわりを見ずに終われり同窓会

夕の暮れ フロントガラスにバッタ躍ぬ

渋甘や噛みし巨峰の頬に染む

ひぐらしや さよならの手も振らず秋