さて、毎日のように雨が降り、気持ちまで晴れない日々が続いています。そんなときは、なるがままの気分でいるほうが心地よいものです。晴れない気分もまたよろし。こんな頃だからこそあらためて陽ざしがありがたく新鮮です。
7月5日に句会を開催しました。
■ 大倉 美和
衣替え 子ども半纏 雨の降る
誰がためにめかしこみたり半夏生
隣家まで伸びゆく南瓜 雨の間や
■ 田代 由美子
夏祭り うちわも踊るざる豆腐
ゆかた似合いし 売り子さんレジを打つ
郭公や歌口ずさみ朝支度
サルビアの赤燃ゆる家 雲遠し
■ 小林 祐子
めぐみ雨 食卓かざる文月よ ※トマト:アイコ
掃除機の滑り心地や 雨季節
暗闇に黒猫の居る 傘たたむ
臼薄空 色鮮やかに稲の苗
ミニトマト 苗のうぶ毛の銀の露
■ 刈谷 吉見
おっ母に逢いに来る子に星の道 ※天の川
アゲハの子 ライチの葉食む七夕や
■ 斉藤 乃亜
賑わいの人混み高く浮かぶ月
遠花火 静かに散るは 夢のあと
人混みに強くつなぐ手 幼き子
来る別れ知りつつもがき迷い道
心声を隠して2人あてどなく
目覚めると愛しい人の名 鳥の声
■ 佐藤 宣明
喜雨唄ひ庭に来住するもののあり
踏み出せばひょいと蜥蜴の日和なり
人も蚊も生き物なれば仕方なし
ほうたるのありのままあるがまま
梔子の蕾青白き「おとうさん!」と弾みし声す ※クチナシ
■ 福冨 陽子
露に知る涼し夜明けの雨上がり
夕暮れの濃き朱の色に鳥の飛ぶ
神輿蔵 梅雨の空見て 息をつく ※眠るみこしの蔵の戸が開き
