冬から春を感じる頃  | 自由俳句 「風薫」(ふうくん)

自由俳句 「風薫」(ふうくん)

宇都宮で自由俳句の会「風薫」を主宰している陽子です。自由な感覚で俳句を詠み合う句会を月に1回開催しています。俳句集もすでに10集集目を刊行しております。

今日は2.2。如月-2th、一年で最も寒い季節です。太陽が昇る寸前が最も気温が低くなるのと同じでしょうか。春の芽吹き寸前が寒いのは自然の理かもしれません。

■ 大倉 美和

立ち止まり香り探すや黄ロウバイ

如月や息吹く木立をみつけたり

現わるる眠る芝草もぐら塚

■ 高山 昌子

湯気囲み友と語らん五十路なり

老いし父 杖たずさえて小春日に

鬼の面 園バス降りて笑い合い

春待ちぬまた学友と時を経て

■ 田代 由美子

優しき目行き交う人の蘭展なり

七変化 飛行機雲の空高く

見つけたり福寿草の芽 朝日さす

父好み 棚端のせり買い求め

路地裏に引き売り豆腐ラッパの音(ね)

■ こじこ次郎

日が延びて夕暮れに想う春の夢

「福は内!」そこまで来ている角のあり

■ メリヤ

きさらぎや 風の鳴る音灯る音

産土に寄らず二月になりにけり

月陰る 屋根や灯りに帰り道

■ 福冨 陽子

如月に草餅ひとつ月ひかり

残り雪 陰や陽なたや雀跳ね

千両の赤が嬉しや 一輪活ける

101を生きた詩人の日暮れ燃ゆ

別れ歌 いずこより聞こゆ 睦月去る