今日から師走に入ったというのに、未だに秋に未練を残している私ですが(笑)気分的に寒さがそれ程
でもないので、この地上を彩る(いろどる)爛熟した”秋”を楽しんでいます。だって、この世界はなんと
色鮮やかに染められていることか!改めてこの世界の美しさに目をとめると───
こんにちは、本日は短歌の形にしましたけれども、ちょうど仕事が一段落してホッとしているところで
気分的にゆとりがあるせいか、散歩していても目に入るものの美しさに心がふるえます。
だから、もう少しもう少しだけこの秋をじっくりと堪能していたい。秋の色彩の豊かさをじっくりと
心ゆくまで味わいたいとしみじみ思うのです。せかせかと足早に通り過ぎるだけではなく、ね。
ふと見上げた樹上には色鮮やかな真っ赤な実が実っていたりして・・・ ↓サンシュユさんです♪
春の季語に「春蘭く」(はるたく)という季語があります。「春闌」(はるたけなわ)とも・・・
これは、「春深し」のサブ的な季語で、桜も散り風物の様子にピークを過ぎた春の時候を表している
季語ですが、それと同じ様に秋の時候に「秋闌く」(あきたく)また「秋闌」(あきたけなわ)という季語が
あります。こちらも「秋深し」のサブ的な季語なんですよね。
但し、この「秋闌く」のほうはコンパクトな歳時記には掲載されていない事が多いかな?
まさしく秋たけなわ、秋の哀れや寂しさがピークに達した時期かな、そうしてピークに達すれば後は
もう、ゆるやかに下り坂になるのは当然のことですよね。永遠には続かない。
ピークの中にも微かに微かに衰退の気配が感じられる、そんな時候を表す季語になります。
ちなみに「たけなわ」とは──最近あまり日常的には使われなくなったかな?──
漢字では一般的に「酣」と表記しますが、(比較的短い期間しか続かない状態の中での)ピーク時を
表す言葉です。よくパーティなどで”今宵の宴もたけなわとなりました”なんて使われるかな。。。
まあ、そうした理屈はともかくとしても───
四季それぞれに良さはあるのだけれども、子どもの頃は夏が大好きでした。 夏休みがあるし、
家族旅行等の楽しいイベント、開放的で明るくてプールに海水浴!夏祭りも楽しくて汗をかくのさえ
喜びのうちだったなー。 今の夏は死にそうで逆にコワイけれども(爆笑)
或る程度以上の年齢になると、今度は春が一番好もしくなってきて桜の開花を待ち焦がれるように
なりました。そうして秋も─── 体力が充実して元気な若い頃には四季の移り変わりも、感じ方が
違うんだよね。 楽しんでいても、四季の移り変わりに自分を重ねたりはしないのかも───
そういえばあの頃、四季の移り変わりに殆ど気を取られたことなどない。
そんなことより、自分の中の暑い夏の盛りの昂ぶりを謳歌することで、忙しかった。
女も段々と季節の折り節が気になり始めるのは、女としての秋冬を迎えた証拠かもしれない。
引用:山口洋子『銀座春灯』
この作品では”女”となっていますけれども、男性とて同じ様な気もします。
春そして夏という、ものみなが生気に溢れぐんぐん育つエネルギッシュな季節から秋───
寂しくそれでいて四季の輝きの総決算のように収穫の季節でもあります。
眠りの季節の前の鮮やかなフィナーレのように世界が赤にそして黄金色に染められる季節・・・
私たちは古来より四季の移り変わりに対して敏感であったし、四季それぞれの事物に対して
”あはれ”や”趣”を感じつつ、季節に寄り添って暮らしてきたのでしょう。
今の時期、世界は本当に美しい───。
例え半径500メートルの世界であっても美しいものが溢れている。観光旅行に出かけなくともね・・・
どんな画家や芸術家でも為し得なかったアートが、さり気ないほどに身の周りに───
目を止めるたびに、私の心はささやかな幸福感で満たされるのです。
鮮やかな黄葉というほど綺麗でもないけれど、ドングリさんの成長を楽しませてくれたクヌギさん♪
今はこうしたマスタード色に染まりました。葉はこのまま茶色に変化して樹にそのまま留まります。
また、この時期になっても、別の種類のドングリさんはまだ健在です♪
モチノキ系の樹木は冬の間もずっと赤い実を楽しませてくれるよね。 ↓クロガネモチさん。
今は園芸品種のレッド・ロビンのほうが人気かもしれないけれど、カナメモチさんも可愛い実を♪
赤い実ばかりではありません。
あまり目立たないけれども、シャリンバイ(車輪梅)さんの、ブルーベリーのような実も結構好き。
そうして、柚子の実も見事な色に・・・夜の闇の中でさえ光を放っているんだよ・・・。
ご近所の生垣では、アオキさんの実が成長していました。 まだ未成熟な緑色だけれども・・・
もう少しすると、真っ赤に色づいた姿を見せてくれるのです。楽しみだなー!
ところで、ちょっと変わったコなのですが、先だって名古屋に出かけた折に見つけたこのコ・・・
ちょっと風変わりでしょ?まるで、黒いサクランボみたいな実を実らせているこのコは───
”ナンジャモンジャの木”と呼ばれているコです。
は?何じゃその名は?と言いたい様な名前ですね(笑)。ズバリそれが語源だとか・・・
ずっと昔はね、名前のよく分からない木の事を”ナンジャモンジャ”と呼んでいたのですって(笑)
通称ナンジャモンジャの木と呼ばれている木は幾種類かあるのですが、このコはヒトツバタゴね。
秋の実よりも、むしろ春の淡雪のような花のほうが人気があるのですが、私はこの実も好き♪
ヒトツバタゴという名ではピンと来ないかもしれないけど、トネリコの親戚の木です。
眠りの季節の前に、つかの間の華やぎを見せてくれるのが秋───
あなたの地域でももう山茶花の花が咲き始めていることでしょう。この花が咲くともう冬だなあ…。
冬を目の前にした秋ならではの喜びと美しさを堪能しましょうね。
───ネズミモチさんです。
名前に「モチ」と付いていますが、モチノキ科ではなくモクセイ科になるんだよね、ちょっと意外…。
ひと頃には街路樹などでよく目にしたけれども最近はあまり見かけなくなったかもしれません。
やはり樹木にも時代によっての流行があるのでしょうか。
それでは、今日はこの辺で・・・またね♪