本日の My 俳句 [ ラベンダー摘めば少女の胸さわぎ ] | 俳句でDiary ─ できるかな?

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私の俳句 萌え萌え日記

立夏を過ぎて30℃以上の夏日も観測されるようになりました。夏を迎え、私たちの周囲にはさまざまな

色彩が溢れるようになりましたね。ところで、お花の名前がそのまま色彩名になっているのは珍しくは

 

ありませんよね。例えば薔薇色、藤色、すみれ色、そして・・・

 

 

こんにちは、本日の季語は「ラベンダー」・・・の季語です。このラベンダーを季語として良いものか

どうか、実はまだ賛否両論はあるのですけれども、これだけ多くの人々に認知されるようになれば


充分季語として認められるのではないかと思うのですが、どうでしょう?既に多くの人々が季語として

 

詠んでおられることでもありますしね。


 

少なくとも、4月27日に載せたネモフィラよりは遥かにポピュラーな存在にもなっていますもの。

 

※My 短歌  ( ^ー゜)σ      ネモフィラの瑠璃極めたる天と地に吸はれゆくまま世界染めをり

 

 

但し、当然ながら古い歳時記には載っていません。私の持っている歳時記の内で、一番新しいもの

 

が初版平成20年のもので、これにもまだ載っていません。ただ、今後出版されるものならば、夏の

 

植物としてあの薄紫色のラベンダーも掲載されるかもしれませんね。
 

 

 

ラベンダーといえば・・・

 

 

私が子ども時代に初めて知ったラベンダーは花というよりも香料の一種としてでした。

 

独特の、あまりキツくない香りの夏用のコロンだったのではないかしら? その後はポプリや芳香剤。

 

花の姿を知ったのは、ずっと後だったような気がします。意外と地味な花だな、というのが第一印象w

 

 

まるで、猫じゃらしのように、茎がすうっと伸びて穂先に小さな花を咲かせます。

 

一本だけ見れば、決して華美な花ではありません。むしろ、儚げな野の花の風情が・・・。

 

薄紫から濃い紫色、また赤みがかった紫色など、種類によって色合いも微妙に異なります。

 

 

南仏プロヴァンス地方のラベンダー畑の美しさ(6月~7月頃)が知られ始めて、海外旅行の人気

 

スポットになり始めたのはいつ頃だったでしょうか。ただ、季節的に限定される観光だけに、時期が

 

合わないとなかなか難しかったかも? けれども、雑誌メディア等ではよく掲載されたっけなー。

 

 

 

多くの方々にラベンダーの美しさを印象づけたのは、80年代のテレビドラマ『北の国から』ではなかった


でしょうか? 実は私はこの番組を視聴していないのですが、倉本聡脚本のとても人気のあるドラマ

 

だったそうですね。舞台となったのが北海道の富良野で、バックに映るラベンダー畑の美しさは忘れられ

 

ない、という方も多いかもしれません。

 

 

ラベンダーはシソ(ラベンダー)科ラベンデュラ(ラベンダー)属に分類される木本性の植物の


通称です。木本性であっても、多年草の草花として扱われることが多いでしょうか。原産地は

 

地中海沿岸、インドやカナリア諸島、北アフリカ、中東方面など、20数種が分布しています。



”花”としての美しさよりも、まずは香りを楽しむ植物として石鹸や薬用などに利用されますし、

”ラベンダーの香り”として日用品に利用されるほど香りが有名なハーブとしても知られている


かもしれません。 花を乾燥させたものはポプリになり、幾種類の種子からは精油も・・・

 

 

        

 

 

古代ローマ時代から愛された植物

 

 

元来は自生していたラベンダーが栽培され利用され出したのは古代ローマ時代頃から・・・。


おそらくは花の美しさを愛でるよりは、香料としてでしょうね。入浴剤とされたり、衣服の洗濯時に


香りづけとして利用されていたらしいとも? ラベンダーの香りは人の心を落ち着かせ、ストレスを

 

やわらげる作用や殺菌作用のあることを体験から知っていたのでしょうか?

 

 

   


 

日本には19世紀の初め頃に渡来しましたが殆ど普及はしませんでした。栽培され始めたのは昭和に

 

入ってからで、フランスから輸入された種子を各地に栽培したのが始めとか・・・

 

 

 

あっと言う間に過ぎ去る少女の日

 

 

ただ一本だけを見れば、清楚ではあるけれども決して人目を引かないラベンダー。

 

時間が経てば華やかに花開く、という存在でもないけれど、何処か時間が止まった少女の日のような

 

趣を漂わせている・・・と感じるのは私だけかしらん?

 

 

 

成熟の予感はありながら、未だ硬質な迷いの中にいる少女たちではあっても、いずれは

 

喜びや悲しみに心が乱れる日も・・・来るかもしれないよね。

 

 

ときには・・・思わぬ思いに囚われてしまうこともあるかもしれません。情熱の何たるかも知らぬまま

 

自分でも制御できないような炎に身を焦がすこともあるかもしれません。

 

 

もちろん、そんな情熱は永遠には続かない。

 

どのように燃え盛った炎であろうとも、いずれは消える日が来るのですもの。

 

消えてしまったあとに・・・元のままに無垢でいられるでしょうか。

 

 

もちろん、それは分かりません。殺伐とした思いに囚われたままなのか、或いはさらに豊かな

 

ニュアンスに彩られた次のシーンにステップアップ出来るのでしょうか。真の成熟した女性として…

 

 

 

もちろん、そんなことは仮定のおはなし。もしかすると、そんな可能性も…?というだけのこと。

 

─── いまだ少女である限りは、恋の予感もまだまだ遠い日のことでしょう。

 

 

ラベンダーが咲くには、今の季節ではまだ少々早いのですけれども・・・。

 

海外旅行のお土産で頂いたラベンダーのポプリの香りに包まれて、ふと詠んでみたのが

 

今日の句になりました。

 

 

 

<おまけ> 映画やドラマの背景にも・・・

 

 

映像作品の良さといえは、単純に物語の筋を追うだけではありませんよね。ストーリィには直接関係

 

なくとも、忘れがたいシーンがある作品は、観た人の印象に残るし名作に成り得るかもしれません。

 

 

↑英国のE・M・フォースター著作の「ハワーズ・エンド」の映画化作品です。 舞台はヴィクトリア朝。

 

貧しい青年が或る女性に寄せる自分自身の心の迷いと思いを振り切るように、真夜中にただただ

 

ラベンダーが自生する森の中を歩きまわるシーンです。

 

 

ごく短いシーンでありながらも、映画の中で清冽な印象を与える重要なシーンになったのは、バックの

 

森の中で群生するラベンダーの花のせいかもしれません。 その清冽な香りさえも想像できるから・・・

 

エマ・トンプソン&アンソニー・ホプキンス主演の映画DVD、廃盤になってしまったのが残念!

 

                                                         

↓そうして、こちらは英国BBC放送の有名な文芸ドラマです。

 

ストーリィには直接関係の無い単なる背景なのですが、仲の良い姉妹のおしゃべりの小道具には

 

庭の一隅に栽培されているラベンダーが・・・

 

 

バスケットいっぱい摘んだラベンダーは、この後に家事室に吊り下げられて乾燥花にされます。

 

彼女たちの軽やかなドレスから、初夏の空気が伝わってきますよね。

 

 

こちらは別の時系列での(翌年)様子です。 ↓ やはり初夏の頃ですね。

 

 

 

夏目漱石も絶賛した英文学作品

 

 

ところで、この作品(原作)を御存知でしょうか?

 

W・S・モームが『世界の十大小説』として選んだ古典作品の中でも選ばれている作品です。

 

世界文学屈指の…とまでは言いませんが、少なくとも英米文学中では屈指の有名な書き出し・・・

 

 

   "It is a truth universally acknowledged, that a single man in possession of a good fortune,
    must be in want of a wfe."

 

 

↑この冒頭部分をどう訳すかで 翻訳者のセンスと見識が分かるといわれていますよね。

 

 


  金持ちの独身男性はみんな花嫁募集中にちがいない。

  これは世間一般に認められた真理である。

                                          ちくま文庫『高慢と偏見』  中野康司訳

 

 

翻訳も新旧合わせて数点出版されていますが、私が学生時代に最初に読んだのが中野好夫先生の

名訳でタイトルは『自負と偏見』でしたね。原題は"Pride and Prejudice" 現在では上掲のBBCドラマの

 

和訳名と同じ、『高慢と偏見』としてよく知られているでしょうか。

 


著者のジェーン・オースティンは長編を6編残していますが、テーマは明確です。 すべて、さまざまな

パターンの 大いなる婚活物語 でありゴールに到る迄の人間模様が描かれています。

 

 

この作品は彼女の作品の中でも最も愛されている作品ですが、敢えて、一言で表現してしまうと・・・

頭が良くて知的な男女の結婚物語(もちろん最後はハッピーエンド♪)なんだよね。 

 

 

もしかすると、そんな結婚が著者のジェーン・オースティンの見果てぬ夢であったかもしれない。

 

単純な恋愛小説でもなく、いわば 世界文学初のラブ・コメw ともいえるかな?

 

機会があれば、この作品を一度取り上げてみたいと思っています。


作中には、他にも幾組かのカップルが登場しますが、性格の良い男と性格の良い女のカップル、

愚かな男と愚かな女のカップル、愚かな男と(頭は良いが)勘定高い女のカップルが成立します。


頭の良い男と愚かな女が結婚して、二十数年経てばどうなるか?

 

というサンプルw  として登場しているのが主人公の両親、としか思えない(爆笑)   

 

(まあ、すべて私の個人的な解釈ですけれどもね)

 



─── 以上、ラベンダーとは全然関係の無い<おまけ>でした。

 

それでは、今日はこの辺で・・・またね。
 

 

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【『高慢と偏見』の映像化作品の最高峰と呼ばれているのがBBCのテレビ放送作品。

コリン・ファースが演じた主人公の恋人、ダーシーは見事で圧倒的な存在感がありました。

この作品以降も、様々な映像作品にパロディとして何度も取り上げられているくらいですw

右はキーラー・ナイトレー主演の映画作品『プライドと偏見』です。時間的な制約だけではなく、作品の解釈と

脚本、演出において、BBCを超えることはできなかったかな? ただ単独作品としては悪くはなかったけれど・・・】