多分、あなたも思い当たると思うのですが、あんなことを言うんじゃなかった!とか、言わなければ
良かったのに!と後悔した経験があるんじゃないかしら?でもね、一度、口から出してしまった言葉
は 元に戻らないんだよね。 後で訂正しても、一度発せられた言葉は、取り返しがつかないのさ。
葉を落とし尽くしますが、その散り敷いた葉が「落葉」ですね。今日は落葉をほうきで掃く
”落葉掃く”としましたが、他に「落葉掻」(おちばかき)「落葉時」(おちばどき)など・・・
ちなみに、「落葉掻」は落葉を(熊手などで) かき集めることですが、子ども時代はちょっと
不思議な言葉だと思っていました。身体などの”かゆい部分をかく”と意味も字も同じで、身体を
掻くような手指の動きと同じ動作ですものね。
また、雨のように落葉が降るさまを「落葉の雨」「落葉の時雨」ともいいますし、別立てで特定の
の木の落ち葉を指して「柿落葉」「銀杏落葉」「朴落葉」などとも。こうした個々の名前が付け
られている木々の落ち葉のことを「名の木落葉」(なのきおちば)と総括することも・・・
落葉そのものだけではなく、その散る様子や地面・水面に散り敷いた様子も表します。
初心者のうちは よく ”落葉舞う” とか ”落葉降る” などとやりがちですが、他の詩歌ならば
おかしくはなくとも、俳句ではちょっとアレレなんですよねー。だって、「落葉」という季語には
既に ”舞うさま” やら ”降るさま” が含まれているのだから (←コレ重要)
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さて、落葉について去年の記事を少々再掲してみましょうね。
※2014.11.24 落葉 ( ^ー゜)σ また逢へる待ち遠しやと落葉かな
・・・落葉といえば、子ども時代や若い頃はまるで今生の別れをイメージさせるように感じてい
ました。春に桜の花が散るのと同じように、それは死を暗示させたから。
しかし、不思議なもので逆にこの年になると、それが成長のひとつのステップではないかとも思
われるようにもなりました。いわば、私たちが伸びすぎた髪を切ったり髭を剃ったりするように
もしくは身体の垢を落とすのと同じように、新陳代謝の一種として捉えるようになったのかな。
樹木の葉の役割は、太陽光をエネルギーとして成長のためにせっせと栄養を作ることですが、
春から夏にかけては大忙しのフル回転ですよね。けれども秋以降は太陽光も弱まるので、この
栄養工場も一旦お休みします。で、葉を付けておく意味も無くなるのでバイバイするんだよね。
また、葉には根から吸収した水分を蒸発させる働きもあります。寒い冬は、根から水分を吸収
しにくくなるし、そんな時に貴重な水分を蒸発させてしまうと樹が水分不足で枯れてしまいます
なので、それを防ぐ為にも葉を落とすわけね。いわば冬対策かしら?
樹木が葉を落とすのは、実はとても建設的な理由から・・・。それに、落葉する前には美しく色付
いて大いに私たちの目を楽しませてくれるし、ふかふかとした落葉は地を肥やす役割までもして
くれる。落葉で楽しく遊ぶコもいるしねw
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さて、今日は、言葉と落葉を取り合わせてみたのだけれども・・・
「言葉」というのは、実は複合語なんですよ。元は「言」(こと)」+「端」(は)なの。古代には、
言語を表すには「言」(こと)が一般的でしたし、この「言」は「事」(こと)と同じ意味がありました。
そうして「言」とは事実にもなり得る重い意味を持つようになってきたのです。
多分、あなたは「言霊」(ことだま)というのを御存知だと思いますが、言葉に宿る不思議な力
のことです。よく「口に出して言ったことは真実となる」とも解釈されているかな?
まあ、そうした「言」(こと)の意味が重く重要すぎるので、もう少し軽い意味を持たせたい場合
や、事実を伴わないような場合の物言いなどの意味で、「端」(は)が付け加えられったでわけ。
万葉の頃には「言羽」(ことば)とも表現されました。羽根のように軽いという意味でしょうか。
室町時代の『徒然草』では、もう既に「言葉」と使われて定着したようですが、これは古今和歌集に
添えられたこの序文からだと言われています。
やまと歌は人の心を種として
よろづの言の葉とぞなりける (古今和歌集仮名序~冒頭部分 by 紀貫之)
↑歌の本質がこのように表現されていますが、うーん、これは本当に見事ですよね。
ちなみに、「よろづの言の葉とぞなりける」は「葉が生い茂るようにたくさんの言葉となった」
という意味ですが、ここで「葉」は沢山の意味で豊かさを表現していますよね。
まあ、こうして言語を表す・意味する最も一般的な語として、日本語に定着していったわけ。
文字通り、言葉って・・・本当に深いよね(ため息) スゴォォヽ(*´゚口゚`)ノォォイッ!
実は、今日はこの記事に関連して、ある小説作品のお話をしようかと思っていたのですが、
少々長くなりそうなので、別の日に「お遊び」か「おまけ」としてアップする予定です。
その作品はね、ズバリ「言葉」が主題となっているんですよ。某人気作家さんの作品ですが
お読みになった方は、ははあ、アレだな?と思われるかも? そう、アレですよ、アレ (爆
それでは、今日はこの辺で・・・またね。


↑左:1991年から1992年にかけての井沢元彦氏のの論考や対談をまとめたものですが、少々古くなった
とはいえ(当時の政治状況にからめた説明になっているので)現在でも通用すると思われるものが多々
あります。学問的な論理性については、やや??ではありますが、興味深い考察でした。
↑右:古代日本人の信仰が描かれていますが、従来の言霊観とは少々異なります。著者の佐々木隆氏は
古代文献学の専門家であり、『万葉集』『古事記』『日本書紀』などからの引用もあり、言霊の原点の解説とも
いえるでしょうか?古代の”言霊”の意味が近世になって様変わりし、現代言われているような”言霊”になった
という点が一番興味深かったかな?