死語になりつつある日本語が増えているけれど、「 絵 日 傘 」もその1つでしょうか?
いや、「 日 傘 」は今でも陽射しよけに使用しますが、あれは正確には「 洋 日 傘 」もしくは
「 パ ラ ソ ル 」と呼んだ方が良いような?
本来の絵日傘は、日本在来の 和 傘 で、骨も柄も 竹製で 紙や絹張りであり
美しい絵や模様が画かれているもの、例えばこんな感じの↓
( 画像引用:BANGASA.COM )
日本舞踊で使用される 小ぶりな傘のことを(子ども用も)「絵日傘」と言うそうですが、
日常的なものとは言えませんから。
本日の季語は 「 絵 日 傘 」 「 日 傘 」ですから、当然 夏 の季語ですね。
「 パ ラ ソ ル 」も同じで軽やかな印象になります。
また、語感的には古めかしいのですが「日照傘」(ひでりかさ)も使ってみたい季語。
海浜で利用するものは「 ビ ー チ パ ラ ソ ル 」 みんな 夏 の季語です。
今日の句は、去年の今ごろ地元の情報誌に応募して入選したものですが、いま読むと
もう少し推敲した方が良いような気もします。
ところで、江戸時代には「日傘」と書いて「 ひ か ら か さ 」と読みました。
青 天 と 一 つ 色 な り 日 傘 (ひからかさ) 一 茶
見事としか言いようのない句です。 空間の広がりを感じさせてくれるではありませんか!
さて、問題の「絵日傘」ですが、あまり拘らずに、単純に絵の描いてある日傘、
と解釈してもよいのかもしれませんが・・・
宮 尾 登 美 子 氏のエッセイに、土佐の花街の粋なお姐さんが愛用しているシーンが
描かれていた記憶があります。 羅(うすもの)を身にまとい、汗一つかかずに
優美な絵日傘をさして歩く女性たちの事を、哀惜をこめて描いておられたような・・・
実は、私が あらまほしく思う絵日傘スタイルは やはり夢二の絵に描かれたような
儚げな女人が、ものうげに 差している姿でして・・・現代では難しいのかなあ。
日傘は私も愛用していますが、平凡な薄水色をした無地のもの。
UV防止効果で内側だけが黒くなっているのですが、最近の傾向でしょうか?
晴雨兼用ですから、急な雨にも対応できて便利で実用的ではありますが、
優美さとは ほど遠いものです ww
ああ、そうか・・・ 便 利 さ や 実 用 性 を 追 求 していくと その分だけ
何か美しいものが失われていくのかなあ。 おのれを省みるとよく分かるんですが w
それでは失った分、残るのは何でしょう? 何かは残るのでしょうよ、そして
新しいものも 生まれてくるには違いないのだけれども。
多分、失ったものほど美しくは無いでしょうが・・・
季語ひとつで、そんな事を考えました。 では、また・・・