【講師選】
《永田満徳》
【特選】
90 さつぱ舟浮かべ照葉の心字池 房子5
*紅葉を照らす日差しを浴びて、心字池に「サッパ舟」(小船)が浮かんでいる情景である。「船」がいかにも胸元に抱かれて浮かぶ作者自身のように、安らかで静かな情感を覚える、心象風景の句として採りたい。
【並選】
11 ふた取りて朱塗りのお椀秋惜しむ 千秋1
55 柔布に包む硝子器秋惜しむ 静代1
89 ごろごろと碾く栃の実や祖父の匂ひ 直仁5
97 添へ書きの下の一行渡り鳥 寛昭4
《歌代美遥》
【特選】
16 ワイパーの一葉を挟む秋惜しむ 永1
*駐車場の愛車へ、朝乗ろうと思い行くとよく見かける景ですね。
意外と大きな一葉の、水気もなく乾いた美しさから朽ちた色の落ち葉に、ああ、冬が近いと感じる心模様が俳人の目を感じました。
50 ゴロゴロと林檎流れる千曲川 慢鱚2
67 照紅葉爺さま元気か山の宿 祐3
122 名産のコーナー飾る今年酒 ひさを5
128 両隣空家となりて秋惜しむ 夢積1
【互選三賞】
(天賞 )
該当なし
(地賞 6点 3句)
29 ごろごろと身をすり減らす芋水車 和3
*情景が良い(ゐるす)
*里歩きをしていて実際に目にしたことがあり収穫の喜びを感じます。(山悠)
70 森ひとつ奏づる風や照紅葉 隆司3
*森の木々の葉が風に揺れ、光を反射させている。森を俯瞰している作者は高い所から森を眺めている登山者であろうか。(ひさを)
*ビバルディー「四季」の秋の演奏が聞こえてきそうです。秋の景色も空気も音も感じられる表現がすばらしい。(楊子)
127 琉球の真夜の火柱月凍つる 静代5
*過日、沖縄首里城が大炎上の上消滅してしまいました。手の打ちようなが無くただ眺めている光景は、沖縄の人々だけではなく日本国中の人々が喪失感を深くしました。今年年初に30年ぶりに再建がなったばかりと想えば、哀しみが深く込み上げます。(栄太郎)
*誰もが目を見張った真夜中のおそろしい首里城の火事。真っ赤な火柱と凍つる月の対比はより衝撃的で、景を大きくとらえている。
下五の月凍つる はまさに世界中の人の悲しみを象徴しているようで、震えました。(秋子)
(人賞 5点 1句))
116 磐石の空の青さよ照紅葉 夢積3
*盤石の言い切りががいい。堂々と空に広がる瑕疵ないほどの青空なら、照紅葉もいっそう映えるだろう。(祐)
【高得点句】
(4点句 9句)
12 ほか弁の温もりと行く照紅葉 慢鱚4
*弁当の暖かさが、紅葉を照らす小春日和の日光を連想させるトリガーになってます。暖かい気持ちになりました。(ひろし)
18 屋根裏の小さき窓や鳥渡る 直2
38 磁場といふ人知れぬもの鳥渡る 隆司2
45 秋惜しむマリオネットのゐる広場 祐1
*操り人形は、どこか哀れな感じもするように、個人的に思っています。広場で催し物でマリオネットの劇をやっていたのでしょうね。(正則)
50 ゴロゴロと林檎流れる千曲川 慢鱚2
55 柔布に包む硝子器秋惜しむ 静代1
*硝子器という材質、そしてそれを包む柔布の感じが良いです。それが何なのかは知れないが、その繊細さが、季語に呼応しているように思われました。(隆司)
88 ごろごろと石臼すべり走り蕎麦 浩正5
90 さつぱ舟浮かべ照葉の心字池 房子5
128 両隣空家となりて秋惜しむ 夢積1
(3点句 16句)
3 ことし又水禍の岸に鳥渡る 栄太郎2
*今年は温暖化のせいか、自然災害の多い年でした。それでも渡り鳥は来ています。(房子)
9 すれ違う言葉さながら鳥渡る 和4
*偉大なる大仏様とその周辺の壮大な紅葉の景色が季語を際立たせてると思いました。(ケイ)
10 はにかみぬ小便小僧照紅葉 ケイ3
16 ワイパーの一葉を挟む秋惜しむ 永1
44 秋惜しむカーラジオから「風立ちぬ」 直仁3
*気持ちが良い句。すっと自然に通る感じが良い。形も整っていて良い。(凛)
48 人生の最終コーナー草紅葉 直5
*一般的に紅葉と言われる、もてはやされる紅葉ではなく、真っ先に高山などで、ひっそりと色づいている草紅葉。紅葉のあとは枯れ葉となるけれど光に当たり金色に輝く。人生の最終コーナーにかかる年齢になっても、元気に輝いていたい。控え目ですが、詠み手の前向きな姿勢を感じました。(静代)
52 秋惜しむラヴィアンローズの嗄れ声 秋子2
*エディトピアフの声は哀愁に満ちています。まさしく秋惜しむ、です。(千秋)
53 秋惜しむレプリカを買う美術展 房子1
67 照紅葉爺さま元気か山の宿 祐3
80 大阿蘇の空の息吹や照紅葉 直3
95 鉄柱の倒れしままや台風禍 栄太郎3
97 添へ書きの下の一行渡り鳥 寛昭4
109 冬近し柱に白き泥の跡 ひろし4
*水禍にあった柱か、農家の土間の上がり口の柱なのか、はたまた子供が付けてたのか・・想像させてくれます。白と季語が呼び合っていてよい感じです。(浩正)
117 風に舞ひ風に抗ひ鷹柱 祐4
*サシバであろうか、鷹の一群が渡りのために「風に舞ひ風に抗ひ」ながら空を昇っていく様が鮮明に詠われている。(直)
122 名産のコーナー飾る今年酒 ひさを5
130 杣人の早き夕餉や照紅葉 秋子4
(2点句 17句)
7 ごろごろと五臓六腑を這ふ秋思 永4
11 ふた取りて朱塗りのお椀秋惜しむ 千秋1
19 鎌倉の寺を巡りて秋惜しむ 和2
20 帰る子も来る子もありて渡り鳥 浩正2
22 金平糖口に転ばせ秋惜しむ 寛昭3
33 国産みの二柱の神天高し 千秋4
*このような格調高い句を詠めるようにならないといけないと思いました。(永)
34 彩りを今朝に重ねて照紅葉 祐5
42 秋出水柱の傷のところまで ひさを4
47 ごろごろと腹がなるなり秋の昼 ゐるす5
*【ごろごろと腹がなるなり】という基底部は、擬音語が良く効いています。お腹が空いて、ゴロゴロとなるわけですね。ユーモラスもあると思います。この基底部の後、【秋の昼】という干渉部がぴったりと効くと思います。季語が良く働きます。夏の暑さが終わり、爽やかな秋になり、食欲も戻り、昼になると、お腹が空いて、ゴロゴロと鳴り、昼御飯を食べたくなるわけです。(亜仁子)
58 照紅葉その真ん中に鏡池 千秋5
*景が見えて素晴らしい。(寛昭)
68 障害となりし電柱野わけあと 山悠4
82 中華街のコーナーの湯気小春風 静代4
89 ごろごろと碾く栃の実や祖父の匂ひ 直仁5
100 渡り鳥帰る家なら吾にもある 秋子3
*渡り鳥を見て自分は帰れない状況を強がっている寂しさを感じました。(慢鱚)
42 秋出水柱の傷のところまで ひさを4
47 ごろごろと腹がなるなり秋の昼 ゐるす5
*【ごろごろと腹がなるなり】という基底部は、擬音語が良く効いています。お腹が空いて、ゴロゴロとなるわけですね。ユーモラスもあると思います。この基底部の後、【秋の昼】という干渉部がぴったりと効くと思います。季語が良く働きます。夏の暑さが終わり、爽やかな秋になり、食欲も戻り、昼になると、お腹が空いて、ゴロゴロと鳴り、昼御飯を食べたくなるわけです。(亜仁子)
58 照紅葉その真ん中に鏡池 千秋5
*景が見えて素晴らしい。(寛昭)
68 障害となりし電柱野わけあと 山悠4
82 中華街のコーナーの湯気小春風 静代4
89 ごろごろと碾く栃の実や祖父の匂ひ 直仁5
100 渡り鳥帰る家なら吾にもある 秋子3
*渡り鳥を見て自分は帰れない状況を強がっている寂しさを感じました。(慢鱚)
101 渡り鳥細き末枝の陽を弾く 夢積2
*下五の陽を弾くが特に好きです(ゆきまち)
108 冬ぬくしスカイツリーに心柱 正則4
120 鞭入る最終コーナー天高し 慢鱚3
129 俯瞰せし鳴門海峡渡り鳥 正則2
(1点句 23句)
17 伊勢の照紅葉閑かに二千年 直仁2
23 ごろごろと喉鳴らす猫鰤起し 正則5
27 栗南瓜ごろごろと身を委ねをり ゆきまち4
31 光熱費しばし和ぎにて秋惜しむ 凛1
32 紅葉寺コーナーに置く旅鞄 満徳4
35 三柱やサムハラ産霊秋大祭 年司3
37 時に住む柱時計屋鳥渡る 満徳2
39 焼き色に映し取ろうぞ照紅葉 和1
40 手を繋ぐセピアの街や秋惜しむ 秋子5
41 朱雀門の柱裂けたる夜寒かな 凛2
64 照紅葉伽藍七堂礎石跡 房子2
69 心柱拍手四つ神の旅 浩正4
86 鳥渡る一万キロの海原へ 祐2
92 鳥渡る農家は麦を植えて待つ ひさを2
96 天空を彩りたるや照紅葉 ゐるす3
103 渡り鳥眠りながらも飛びにけり 亜仁子2
105 秋惜しむ廃校前の演奏会 ひさを1
107 渡鳥一匹群れを遅れがち 千秋2
111 湯に浸り瀬の音を浴ぶ照紅葉 満徳3
112 日を透きて火炎地獄や照紅葉 栄太郎4
115 馬肥ゆる怒涛のごとき四コーナー 隆司5
124 陽だまりに秋惜しむごと蜆蝶 山悠1
125 来し方は一人一人よ照紅葉 楊子3
【個人別 高得点者】(合計点ーー入選句数)
祐 13点 5句
和 12点 4句
静代 12点 3句
隆司 11点 3句
夢積 11点 3句
慢鱚 10点 3句
直 10点 3句
秋子 9点 4句
房子 8点 3句
千秋 7点 4句
栄太郎 7点 3句
浩正 7点 3句
ひさを 7点 4句
直仁 6点 3句
正則 5点 3句
寛昭 5点 2句
永 5点 2句
(以上)
ご健吟の皆さん、おめでとうございます。
(今回の参加者28名)(順不同、敬称略)
永田満徳、歌代美遥(講師選)、熊谷房子、祐(牧内登志雄)、
夢積、西村楊子、、眉山ケイ、中野千秋、江口秋子
茂木ひさを、野島正則、星合川凛、長谷川 ひろし、静代(岩永静代)、
慢鱚(大工原一彦)、塚本南海雄(山悠)、大津留 直、仁和田 永、武藤隆司、ゐるす、藤倉浩正、桑本栄太郎、藤田ゆきまち、古閑寛昭、
亜仁子、 磯田年司、直仁(定野直人)、北野和良
集計には慎重を期しましたが、投句、選句、選評などにコピーの誤りがあるやも知れません。
集計につき疑義があればご連絡下さい。
また整理方法につきご意見があればご遠慮無くお知らせ下さい。
・またExcelシートはこちらに保管されています。(Excelが必要です)
⇒http://ocha.g1.xrea.com/haiku/daigaku_net_kukai.html
それでは、また来月にお会いしましょう。
*下五の陽を弾くが特に好きです(ゆきまち)
108 冬ぬくしスカイツリーに心柱 正則4
120 鞭入る最終コーナー天高し 慢鱚3
129 俯瞰せし鳴門海峡渡り鳥 正則2
(1点句 23句)
17 伊勢の照紅葉閑かに二千年 直仁2
23 ごろごろと喉鳴らす猫鰤起し 正則5
27 栗南瓜ごろごろと身を委ねをり ゆきまち4
31 光熱費しばし和ぎにて秋惜しむ 凛1
32 紅葉寺コーナーに置く旅鞄 満徳4
35 三柱やサムハラ産霊秋大祭 年司3
37 時に住む柱時計屋鳥渡る 満徳2
39 焼き色に映し取ろうぞ照紅葉 和1
40 手を繋ぐセピアの街や秋惜しむ 秋子5
41 朱雀門の柱裂けたる夜寒かな 凛2
64 照紅葉伽藍七堂礎石跡 房子2
69 心柱拍手四つ神の旅 浩正4
86 鳥渡る一万キロの海原へ 祐2
92 鳥渡る農家は麦を植えて待つ ひさを2
96 天空を彩りたるや照紅葉 ゐるす3
103 渡り鳥眠りながらも飛びにけり 亜仁子2
105 秋惜しむ廃校前の演奏会 ひさを1
107 渡鳥一匹群れを遅れがち 千秋2
111 湯に浸り瀬の音を浴ぶ照紅葉 満徳3
112 日を透きて火炎地獄や照紅葉 栄太郎4
115 馬肥ゆる怒涛のごとき四コーナー 隆司5
124 陽だまりに秋惜しむごと蜆蝶 山悠1
125 来し方は一人一人よ照紅葉 楊子3
【個人別 高得点者】(合計点ーー入選句数)
祐 13点 5句
和 12点 4句
静代 12点 3句
隆司 11点 3句
夢積 11点 3句
慢鱚 10点 3句
直 10点 3句
秋子 9点 4句
房子 8点 3句
千秋 7点 4句
栄太郎 7点 3句
浩正 7点 3句
ひさを 7点 4句
直仁 6点 3句
正則 5点 3句
寛昭 5点 2句
永 5点 2句
(以上)
ご健吟の皆さん、おめでとうございます。
(今回の参加者28名)(順不同、敬称略)
永田満徳、歌代美遥(講師選)、熊谷房子、祐(牧内登志雄)、
夢積、西村楊子、、眉山ケイ、中野千秋、江口秋子
茂木ひさを、野島正則、星合川凛、長谷川 ひろし、静代(岩永静代)、
慢鱚(大工原一彦)、塚本南海雄(山悠)、大津留 直、仁和田 永、武藤隆司、ゐるす、藤倉浩正、桑本栄太郎、藤田ゆきまち、古閑寛昭、
亜仁子、 磯田年司、直仁(定野直人)、北野和良
集計には慎重を期しましたが、投句、選句、選評などにコピーの誤りがあるやも知れません。
集計につき疑義があればご連絡下さい。
また整理方法につきご意見があればご遠慮無くお知らせ下さい。
・またExcelシートはこちらに保管されています。(Excelが必要です)
⇒http://ocha.g1.xrea.com/haiku/daigaku_net_kukai.html
それでは、また来月にお会いしましょう。