※ラジオスターからのネタ
さっそく使わせ頂きますm(__)m
ラジオスター収録終わりのお話です。
収録後、帰りの車に乗り込んで、スマートフォンを手にとった瞬間、LINEの着信があった。その文面を見て、スンリは目を見開く。
“やっと仕事終わった。寂しかっただろ?会いたい…。会いたいよ”
何回か読み返した後、スンリは眉間にしわを寄せ、隣にいる送信主を睨んだ。
「ジヨンヒョン、これはどういうつもり?」
そういうと、ジヨンは、明らかに不機嫌そうな顔でスンリを睨み返してきた。
「それはこっちの台詞。何であんな話したんだよ」
「それは…凄くウケたじゃん」
「へぇー、ウケれば何でもいいんだ。へぇー、ふーん」
「ああ、もう、申し訳ありませんでした!もう言いません!」
スンリが投げやりに謝って、つんとそっぽを向くと、ジヨンは不満の混じる声で言った。
「何だよ。何怒ってんだよ。ああいう話はやめろって言ってるだけだろ。恥ずかしいじゃん」
「いいじゃないか。それくらい」
「あぁ?」
「あのメールが送られてきた時、俺がどれだけ辛かったか、ヒョンにはわからないんだ!」
思わずそう言ってしまって、スンリははっとする。
こんな話をするつもりじゃなかった。ただ、番組を通して少しだけ、あの頃の仕返しが出来れば十分だったのに。
ジヨンの顔を見れないまま、出てしまった言葉を後悔していると、隣から、溜め息が聞こえてきて、スンリはびくっと肩を震わせた。
「お前…さ」
「…………」
「本当にあれが、ただの間違いメールだったと思ってる?」
「え……?」
想定外の言葉に驚いて、顔を上げると、ジヨンは少し寂しそうに、スンリを見ていた。
「まあ、わかりにくいようにしてたのは、俺だけど…。あの頃も、今も、ずっと会いたいし、早く仕事が終わって、二人きりになれないかなって思ってるよ」
そう言って、ジヨンが指を絡めてくる相手は自分で…。ジヨンの瞳に映っているのも自分で…。
彼がずっと会いたくて、二人きりになりたいという相手が誰なのかは、明らかだった。
今までただの間違いだと思っていた様々なメールの文面を思い出して、スンリは頬を熱くする。
「え…。え…?」
「で?返事は?」
「へ?」
「へ・ん・じ」
ジヨンはそう言って、スマートフォンを指差した。
「あ…」
先程のLINEに対する返事を求められているのだと気が付いて、スンリは真っ赤になりながら、思うように動かない指で返信を打った。
“俺も、ずっと会いたかったです”
その文面を自分のスマートフォンで確認して、ジヨンは満足そうに笑っている。そして、運転席に向かって、弾む声でこう言った。
「マネージャー、行き先変更。俺の家は寄らなくていいから、俺も一緒にスンリの家に連れてって」
それからジヨンは、にこにこしながらスマートフォンを操作して、スンリのLINEにこんなメッセージを送ってきた。
“今夜は、朝までずっと一緒にいよう”
スンリの顔は、燃えそうなくらい熱くなる。それを見て、ジヨンはクスクスと笑った。
「どう?俺って恋愛下手?」
「ヒョン…」
「ん?」
「ジヨンヒョンだからいいけど、俺がやったらきっと振られるよ」
「ハハハ、間違いない」
「…………」
ゲラゲラ笑ったあと、ジヨンはスンリの耳元で言った。
「けど、俺は振らないから安心してやってみな」
これも、ジヨンだから様になるんだろうなと思いつつ、スンリは、握られた手を恥じらいながら、そっと握り返した。