この前に、エロエロな8話の再UPとジヨスタに関するニョントリ記事を1本書いております。
こちらは、エロすんの妄想小説最終話です♪前回のお話は別サイトにて。
[R-18]【スンリ】妄想小説『GG BE 8』 | 背王 #pixiv https://t.co/Rybj6KsWrB
では、続きをお楽しみ下さいm(__)m
「申し訳ありません。旅先で急に体調を崩してしまって…、いえ、明日には出勤できます。はい、ありがとうございます。失礼します」
勤務先への欠勤連絡を終えると、ベッドシーツに顔を埋めて、深く長い溜め息を吐いた。
「最悪…」
本来なら、朝一の便で東京に戻って、午後からは平常通り働くつもりでいた。だけど、朝方までスンリに激しく求められていたおかげで、今はベッドから動けそうもない。飛行機になど乗れるはずがないし、何とか東京に戻れたとしても、仕事なんて出来る訳がなかった。
まさか、この歳になって、こんな馬鹿みたいな理由で仕事をサボることになるなんて…。
幸い、と言っていいのかどうか。別人のように声が掠れていたこともあって、体調を崩したという言い訳は疑われなかったが、声が掠れた理由を思うと、恥ずかしくて涙が出そうだった。
「ヌナ…、ごめんなさい…」
責任を感じているのか、スンリが裸のままベッドの上で正座して、しゅんとしている。可愛いけれど情けない、そんな姿に、再び溜め息が溢れる。
「別に、責めてなんていないけど、次からは気を付けてね」
「大丈夫!動けなくなるまでするのはお休みの日だけにするね!」
「そうじゃなくて…」
休みの日にはする気なのか、というのも気になるところではあるが、BIGBANGのV.I の恋人として、今は他に、気にしなければならないことがある。
スンリは、気を失っている間に、身体を清めてくれたようだが、“中”にまでは気が回らなかったのか、そこにはまだ、スンリがいた痕跡が沢山残っていた。意識すれば、その存在をはっきりと感じることが出来る。
(スンリって…、物凄く生命力がありそうよね…)
自分の中に放たれた若くて元気な子種たち。最奥でそれが弾けたのを感じた時は嬉しかったが、その中の何匹かが自分の卵にまで辿り着いてしまったらと思うと、少し恐ろしい。
「あのね、スンリ…もしも、その、夕べみたいなことをして、万が一、赤ちゃんが出来ちゃったら、困ったことになるでしょ?」
恥ずかしいけれど、大事なことだからと、言葉にすれば、スンリは不服そうな顔で言った。
「俺の赤ちゃんが出来たら、ヌナは困るの?」
「困るのは、私じゃなくてスンリでしょ」
「俺は困らないよ!欲しいよ、ヌナの赤ちゃん!」
「なっ…」
捉えようによっては、最上級の愛の言葉にも聞こえる言葉に、頬が熱くなる。女として、これほど嬉しい言葉はないが、立場上、素直に喜ぶ訳にもいかない。
「困りなさいよ、馬鹿!」
本音を隠し、今出せる精一杯の言葉で怒鳴って、スンリを叱る。
「あなたはBIGBANGのメンバーなのよ!普通の男の子じゃないの!今子供なんて出来たら、どんなことになるか、ちゃんと考えなさい!」
すると、スンリは、にこっと笑ってこう言った。
「考えてるよ。そうなった時は、俺が必ずヌナと赤ちゃんを守るから。安心して」
「なっ…」
優しい優しいその笑顔に、思わず、“パパ”になった彼を想像してしまう。
「バ、バカ!だから、そういう問題じゃなくて、ジヨンやメンバーにも迷惑が…、わ、私、スンリの足枷になるのなんて、嫌だからね!」
嬉しさや照れ臭さを隠せないままそう言うと、スンリはクスクスと笑って、ベッドに身体を横たえた。
「嘘。冗談だから、怒らないで。自分の立場はちゃんとわかってるし、ヌナの為にも、気を付けるよ」
そう言って、スンリは、そっと身体を抱き寄せてくれた。
「けど、その時が来たら、俺と一緒に、新しい家族を作ろうね、ヌナ」
想像もしていなかった言葉に、心が、身体が震える。
(こ、これって、プロポーズ!?)
愛してる、と言ってくれたことだって、まだ夢のようなのに、急展開過ぎて、感情がついていかない。でも、不思議と嫌な気持ちはしなかった。
「俺、最初は女の子がいいな。ヌナにそっくりな女の子」
そう言ってスンリは、無邪気に笑っている。
(今でもこんな風に、子供みたいな顔で笑うんだ)
身体だけで繋がっていた頃は、スンリのこんな顔、見られなかった。だから、きっと、もう彼の子供のようなあどけなさは失われてしまったものだと思っていた。
(何年も一緒にいたのに、知らないことが沢山あるのね)
そんな発見が、何だか嬉しい。
これからは、時間をかけて、ゆっくりと、彼の色んな一面を知っていけるのだろうか?そして、互いを知り合いながら、時を積み重ねたその先に、彼の言う“その時”があるのだろうか。
(私は、男の子がいいわ)
明るくて、活動的で、スポーツの好きな男の子。
休日は家族でレジャーに出掛けたり、ゴルフやサッカーを楽しんだり…
今までは、彼とのそんな未来を想像したことなんてなかった。想像しては、いけないと思っていた。
だけど、これからは、二人で未来の話が出来る。してもいいのだ。
そう思った瞬間、幸せが込み上げてきて、思わず、彼の胸に頬を寄せた。出会った頃より逞しくなったその腕の中は心地良く、いつまででも、この胸に抱かれていたいと、心の底から、そう思った。
幸せな時間は、あっと言う間に過ぎてしまった。
俺は、鏡に映る自分の姿を確認すると、ベッドを振り返って、溜め息を吐いた。
「ヌナ、ごめんね。こんな日に、一緒にいてあげられなくて」
「仕事でしょ。仕方ないじゃない」
本当は、一日中ヌナと一緒に過ごしたかったけど、今日もライブがある。俺は仕方なく、まだ動けないヌナをベッドに残して、一人で身仕度を整えた。今までとは違うとわかっていても、身体だけでしか繋がれていなかった頃のことを思い出して切なくなる。
「私こそ、ごめんね。スンリが帰ってくる頃には、もうここにはいられないと思うわ」
明日は流石に休めないと、ヌナは言っていた。俺の方も仕事があるから、明日には日本を立たなければならない。せっかく恋人同士になれたのに、いきなりすれ違いで、少し寂しい。本当はヌナを引き留めたいけど、ヌナがいつも一生懸命誇りを持って働いていることを知っているから、それも出来ない。
「そんな顔しないで。次があるでしょ?」
寂しさを隠し切れずにいた俺に、ヌナは微笑みを向けてくれた。
“次がある”
ヌナがその言葉を選んでくれたことに、俺は意味を感じた。
俺たちはこれまで、“次”の約束をしたことなんてなかった。多分、お互いに毎回、これが最後になるんじゃないかと怯えていた。
だけど、これからは必ず“次”がある。“次”を約束してもいいのだ。
そう思うと、心の靄が晴れて、一気に幸せに包まれた。
「ヌナ、ありがとう。いってきます」
「いってらっしゃい」
俺の「いってきます」に、ヌナが「いってらっしゃい」を返してくれる。そんな日々がいつか当たり前になるといいな。当たり前に出来るように頑張ろう。
誓いの意味を込めて、俺はヌナにキスをした。
ヌナが傍にいてくれれば、それだけで、どんなことだって頑張れそうな気がした。
END
画像拝借致しましたm(__)m