icenetwork.comに、バンクーバー五輪についての記事が載っていました。
こちら→ http://web.icenetwork.com/news/article.jsp?ymd=20080213&content_id=43673&vkey=ice_news
『Olympics past and present, front and center』というタイトルは、直訳すると、オリンピックの過去と未来、正面と中心、になります。
前回、カナダで開催されたオリンピック……カルガリーでは、開催国カナダは、なんと、ひとつの金メダルも獲得しなかったのだそうです。
たいがいオリンピック開催国は、事前から強化育成に資金を投入し、いくつかは金メダルを獲得します。ウィンタースポーツの強豪国ではない日本にしてからが、長野では、いくつか金メダルを獲得しました。カナダほどもともとウィンタースポーツがさかんな国が、ひとつの金メダルも獲得できなかったというのは、驚くべき話です。
もしかしたら、もともと強豪国であったのが、災いしたのかもしれませんね。育成にそこまで注力しなくても大丈夫、という姿勢があったかのもしれない。いまとなってはわかりませんが。
もちろん、メダルを獲得しなかったってことではなくて、男子フィギュアスケートではブライアン・オーサー選手(選手!)が、女子シングルではリズ・マンリー選手が各銅メダル、アイスダンスではトレイシー・ウィルソン&ロブ・マコール組が銅メダルを獲得しています。それでも「金」がない、という事実は、カナダにとって屈辱的だったようです。今回のバンクーバーでは、前回の轍を踏まないように、ってことでもないんでしょうけど、メディアはすでにオリンピック金メダル候補の名前をいくつか挙げて、対決姿勢を煽っているとか。
最近、カナダメディアに、バンクーバー金メダル候補として、アイスダンスのヴァーチュー&モイア組、男子シングルのパトリック・チャン選手の名前が、よく上がるようになってきた、と、記事にあります。急成長の若手たちに、相当の期待がかけられているようですねー。
正直、ヴァーチュー&モイア組も、パトリック・チャン選手も、力のある選手ではありますが、いま現在では、世界のトップを取れるかというと微妙、という立ち位置だと思われるのですが、なにしろ若いので、2年後ともなるとどこまで伸びているかわかりません。期待に潰されずに頑張って欲しいです……って、ヴァーチュー&モイア組からも、パトリック・チャン選手からも、期待に潰れるような、10代らしい初々しい感じは、なぜかそんなに感じられないんですが……カナダ選手は年齢を感じさせないなあ。ロシェット兄さんも10代のころから風格があったし。逆にジェフリー・バトル選手はいつまでも少年の香り。
さて、ブライアン対決でカルガリー五輪の主役のひとりだったブライアン・オーサー氏ですが、教え子キム・ヨナ選手の韓国帰国には同行せず、四大陸帯同がなくなったためにあいたスケジュールで、カルガリー五輪20周年記念式典に出席するそうです。
記事のうしろのほうに、ヨナちゃんについてオーサーコーチが語った、短いコメントがあります。
"They didn't want to wait for an MRI here, and she just feels more comfortable with her own medical staff that they have in Korea, so they decided to go and take care of it immediately.It's not great. However, she's in good hands,"
FSUで、アイスダンス・リード姉弟の記事のリンクを拾いましたので、貼っておきます。
こちら→ http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/sp20080130a1.html
記事によると、幼少期に彼らは、なんと12回も各国を引っ越したのですね。アメリカ、日本、だけでなく、オーストラリア、香港にも滞在経験があるそうです。
スケートじたいをはじめたのは、キャシー7才、クリス5才のときのことだそうで、アイスダンスに転向したのは、キャシー12才、クリス10才のとき。しかし、はじめは真剣に競技スケーターを目指した訓練は行われず、趣味レベルのスケーターだったそうです。
彼らの転機は2年前にシェーリーン・ボーンさんにコーチを依頼したときにはじまります。シェーリーンさんは、のちにニコライ・モロゾフ氏と結婚し、モロゾフプログラムとボーンコーチの指導を得た姉弟は、2006年の全米ノービスチャンピオンに躍り出るのです。
けれども、彼らはそのあと、ジュニアでエントリーするには、年齢がぎりぎりでした。クリス選手の年齢的にはエントリー可能だったはずですが、キャシー選手はすでに19才で、シニア年齢に入っていたのです。遅咲きのスタートだったと言えます。
しかもアメリカはアイスダンスが盛んな国。ジュニアにも、そしてシニアにも、多くの猛者が居並んでいるのでした。この中を勝ち抜いて国際大会出場権を獲得するのは大変なことです。
それで、ふたりは、もうひとつの国籍の国、アイスダンスなどのカップル競技が盛んではない日本に移ってくることにしたのだそうです。現在ふたりにはスポンサーはついていませんが、日本スケート連盟が多大なサポートを行っているそうです。ふたりのレッスン費用などは家族で支払っていますが、国際試合出場の経費などは日本スケ連持ち。そのほか、ふたりは日本でアイスショーに出演したり、ニューヨークのリンクではすでにアイスダンスのコーチとして働いたりして、競技費用を捻出しているとか。キャシー選手いうところ「うまくいけば、採算が取れて、収入も得られます」ということのようです。ふたりとも、もちろんバンクーバーオリンピックに出場する気持ちがあります。
そのためには、イエテボリで、ロサンゼルスワールドの枠を確保することが必要になりますね。イエテボリに彼らが出場できるのは、東京ワールドで渡辺&木戸組が枠を保持してくれたからなので。今後は彼ら自身が、世界戦を勝ち抜かなければなりません。
ニコライ・モロゾフコーチは、彼らの未来について「Once his knee gets back to 100 percent they have great potential」クリスの膝が全快するならば、彼らには大きな可能性がある、と語っています。
四大陸にも出場するリード姉弟組。四大陸出場はこれで2度目ですね。去年より少しでもいい結果になるように、頑張って欲しいです!