以下、引用します。




http://square.umin.ac.jp/jam/2011.3.20.1.pdf


母乳育児と放射能:支援者の方へ


NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会(JALC)
2011年3月17日

http://www.jalc-net.jp/ をもとに日本看護協会作成


●はじめに
このたびの地震と津波により亡くなられた方に哀悼の意を表し、被災されたすべての方に心よりお見舞い申し上げます。
NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会(JALC)は、母乳育児支援の専門家団体として、災害時における母乳育児に関する情報を提供しています。
詳細はhttp://www.jalc-net.jp/hisai.html
今回は福島県の原子力発電所周辺に住む母親に適切な情報提供や支援がなされるように、以下の声明を発表します。


●災害時でも母乳育児が継続できるように支援しましょう。


災害時も母乳育児を続けることは重要です。母乳中の感染防御因子が被災者間で流行する可能性のある下痢や
かぜから赤ちゃんを守ります。
被災や避難生活によるストレスから一時的に母乳の量が減ることがありますが、母乳育児を続けることが緊張を和らげストレスを減らし、赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけ母乳を与えることで母乳の量は回復します。また安全な水や衛生的な哺乳びんの確保が難しいため、人工乳が必要のないお子さんは母乳のみで、人工乳が必要なお子さんには衛生面に十分配慮した支援が必要です。
詳しい内容は以下をご覧ください。
・「地震や水害にあった母乳育児中のお母さんへ」(2004年10月) http://jalc-net.jp/hisai_mother.pdf
・「災害時の乳幼児栄養に関する指針」(2007年10月) http://www.jalc-net.jp/hisai_forbaby.pdf


●原子力発電所の事故における被曝防護策を母乳育児中の母と子が受けられるようにしましょう。


原子力発電所の近郊で退避や屋内待機の勧告を受けている地域の方は、専門機関の指示に従った対応策がとられ、必要な場合に汚染を取り除く処置(除染)や飛散する放射性ヨードの影響で発生する甲状腺がんを予防するためにヨウ素剤の投与が行われるでしょう1)2)。
ヨウ素剤による甲状腺がん予防策についてWHOや米国食品衛生局(FDA)は所定被爆量を超えた新生児、乳幼児、小児、18歳未満の青年に加え妊婦や授乳婦を最優先に行うべきと勧告しています3)4)。
妊婦や授乳婦については日本産婦人科学会が2011年3月15日付けで、被曝をうけた妊娠婦人および授乳婦人に対する予防投与の勧告を出しました6)。
子どもについては特に新生児や乳幼児で甲状腺がんが発生する危険が高いためヨウ素剤による予防が重要です。
1986年のチェルノブイリ原発事故ではポーランドで小児への予防策が功を奏しました5)。
同様に妊娠中や授乳中の母親が被爆した場合の母親へのヨウ素剤投与も胎児や新生児への予防策として重要です。


●ヨウ素剤による甲状腺癌予防策を受けても、母乳育児を続けるように支援しましょう。

JALCはヨウ素剤による甲状腺がん予防策を含んだ、原子力災害時における被爆防護策に際して以下のことが広く
周知され、被爆された方が安心して確実な防護策を受けられることを切望します。
(1) 避難勧告の際は甲状腺に対する影響を考慮し小児や青年のみでなく、妊娠中や授乳中の母親の避難が最優先
に行われるよう十分な配慮をすること。
(2) 内部被爆に対するヨウ素剤の予防投与は新生児や乳児のみでなく、妊娠中や授乳中の母と子に対しても有効
であり、被爆後早期(可能なら24時間以内)に最優先で投与されること。
(3) 妊娠中や授乳中の母親や子どもに対しヨウ素剤が反復投与されると、胎児や新生児の甲状腺機能低下につな
がる可能性があるので、1回の投与で済むような配慮(最優先での遠隔地避難など)がなされること。
(4) ヨウ素剤の予防投与を受けた母親がそのまま母乳育児を続けても何ら問題がないこと。(ただし、一回の被爆量
が多い場合や長期間被爆した場合は専門家の指示に従うこと)
(5) 除染や内部被爆の治療に際してやむを得ず母と子が引き離される際は子どもが感じる不安を考え、必要以上に
長時間分離がされないように十分な配慮がされること。
(6) 予防投与を行った新生児や小児に限らず、予防投与を受けた妊婦から出生した新生児においても一過性甲状
腺刺激ホルモン低下を認める場合があり、定期的な血液検査で甲状腺機能の観察が行われる手配をすること。


●ヨウ素剤による甲状腺癌予防策を受けても、母乳育児を続けるように支援しましょう。

避難や屋内待機の必要がない地域の方であっても、放射性物質の飛散により母乳が汚染されるのではないかと心配している母親もおられるかもしれません。
しかし、放射性物質による影響については、専門機関の判断に従って授乳中の女性が冷静に対応できるよう支援しましょう。例えば、安定化ヨウ素の予防投与は医師の判断のもとに行います。ヨードを含む消毒薬やうがい薬、ルゴール液は内服用ではなくヨウ素含量が少なく甲状腺がん予防効果がないことや、海藻を食べても十分な効果がない可能性があるとされています7)。


●被災された母親やその支援者から母乳育児相談を下記窓口で無料でお受けします。


・お母さん専用窓口hisai_support@llljapan.org (LLLI日本)
・支援者の方への窓口info@jalc-net.jp (JALC)
・支援をしていただくみなさまにおかれましてはご紹介した情報をご活用いただき、被災された母と子の健康被害が
 最小限にとどまるようにご尽力いただきますよう心からお願いを申し上げます。


●【参考文献/資料】


1) 緊急被ばく医療Q&A.独立行政法人放射線医学総合研究所緊急被ばく医療研究センターhttp://www.nirs.go.jp/hibaku/qa/
2) 安定ヨウ素剤取扱いマニュアル.財団法人原子力安全研究協会.2003.
3) Guidelines for Iodine Prophylaxis following Nuclear Accidents. World Health Organization. 1999.
4) U.S. Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration,Centerfor Drug Evaluation and Research
(CDER): Guidance Potassium Iodide as a Thyroid Blocking Agent inRadiation Emergencies. December 2001
5) NaumanJ, Wolff J.Iodideprophylaxis in Poland after the Chernobyl reactor accident: benefits and risks.AmJMed.94(5):524‐32.1993.
6) 福島原子力発電所(福島原発)事故における放射線被曝時の妊娠婦人・授乳婦人へのヨウ化カリウ
ム投与(甲状腺がん発症予防)について.日本産科婦人科学会.2011. http://www.jsog.or.jp/news/pdf/announce_20110315.pdf
7) ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません‐‐インターネット等に流れている根拠のない情報に注意‐‐.独立行政法人放射線医学総合研究所.2011. http://www.nirs.go.jp/index.shtml


---その他-------------

http://www.jalc-net.jp/hisai_forbaby.pdf


災害時の乳幼児栄養に関する指針




古い記事(3月16日時点)がそのままで、しかも一部訂正すべき個所があるので、アップします。




質問 「ヨウ素を含む食品を食べると被爆予防になるのでしょうか?」

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1457771164



下記のベストアンサーの一部、要訂正



>日本の原発で発生するのはヨウ素131ではなく129であるように、核分裂による生成物に違いがあります。


★ 今回、ヨウ素131、セシウム137も計測されています。
 
           ↓


●ダストサンプリング、環境試料及び土壌モニタリングの測定結果


  http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1304006.htm


●水道水


東京を含め、基準値以上のヨウ素131、セシウム137を計測


環境放射能水準調査結果(3月19日採取)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/21/1303954_2013.pdf


環境放射能水準調査結果(上水(蛇口))(3月20日採取)

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/21/1303954_2113_1.pdf


http://www.wa-dan.com/article/


「福島原発は欠陥工事だらけ」担当施工管理者が仰天告白


週刊朝日2002年9月20日号配信


 資源エネルギー庁の原発推進PR費だけで、年間70億円もの税金が使われている。一方で次から次へと明るみに出る東京電力の損傷隠しに、「もっと大きなものを隠しているのではないか」という声さえも漏れるほどだ。福島原発で実際に建設に取り組んだ元技術者たちが、驚くべき現場のずさんな実態を本誌に語った。(編集部注:本誌2002年9月20日に掲載。年齢、肩書き等は当時のものです。ご注意ください)


 福島第一、第二、柏崎刈羽原子力発電所で起きた東京電力の損傷隠しは、日本の原発への信頼性を大きく揺さぶった。東電のうそつき体質が明らかになり、チェックもできず判で押したように「安全宣言」を出してしまう経済産業省の原子力安全・保安院の無能さが世間に知れ渡ってしまったのだ。


 だが、原発にまつわる「不正」「ずさんさ」はじつは、これだけにとどまらない。


 鹿児島大学非常勤講師の菊地洋一さん(61)は、厳しい口調でこう語るのだ。


 「国はすぐに『安全だ。安全だ』と言うが、原子炉メーカーや現場の実態も知らずに、複雑で巨大なシステムの原発を簡単に安全などとは言ってほしくない。保安院も東電も原発の基本的な仕組みしかわからないから、原発推進の御用学者たちの言うことに振り回されているのだろう。だが、今回のシュラウドのひび割れだって大変なことで、地震が起きたらどうするのか、そういう危機感を持たない保安院や東電の意識は非常におかしい。すべてが現場を知らない机上の空論で成り立っている。そもそも、『安全』と言う前提には、建設工事のときから完璧な材料を使って、かつ完璧な施工がされたというのが絶対条件だろうが、建設現場ではそれはあり得ないこと。現場は試行錯誤の中で手探りで仕事をしているんです」


 じつは、菊地さんは今回問題になっているGEIIの前身のGETSCOの元技術者で、東海第二(78年運転開始)と福島第一の6号機(同79年)の心臓部分である第一格納容器内の建設に深くかかわっている。GETSCOは沸騰水型炉を開発したGEの子会社で、GEがこの二つの原子炉を受注したのだ。


 菊地さんの当時の立場は企画工程管理者といい、すべての工事の流れを把握して工程のスケジュールを作成する電力会社と下請けとの調整役だったという。現場では、自分の作業内容しか知り得ない技術者がほとんどだが、第一格納容器の隅々までをつぶさに知る数少ない人物の一人だ。


 「建設中に工事の不具合はいくらでも出てくる。数えたらキリがない。当然のことですが、ちゃんと直すものもあります。でも信じられないことでしょうが、工期や工事費の都合で、メーカーや電力会社が判断して直さないこともあるんです。私が経験した中では、福島第一の6号機に今も心配なことがある。じつは、第一格納容器内のほとんどの配管が欠陥なのです。配管破断は重大な事故に結びつく可能性があるだけに、とても心配ですが......」


 ほとんどの配管が欠陥とは、穏やかな話ではないが、どういうことなのだろうか。


 主要な配管の溶接部分についてはガンマ線検査があるため、溶接部分近くに穴があいており、検査が終わると、外からその穴にガンマプラグという栓をはめていくのだそうだ。ところが6号機の第一格納容器内では、プラグの先が配管の内側へ飛び出してしまっている。仕様書では「誤差プラスマイナス0ミリ」となっているのに、最大で18ミリというものまであった。


 原因は、度重なる設計変更だ。当初の計画では肉厚の配管を使う予定が、いつのまにか薄い配管になってしまっていたのだった。


 担当外だった菊地さんが気づいてすぐに担当部署に相談したが、最終的には配管工事を請け負った業者の判断に一任され、結局、直されることはなかった。

 菊地さんが続ける。


  「確かに配管を直したら、プラグの発注から始まり検査や通産省立ち会いの耐圧試験も含め、半年や1年は工事が延びたと思う。工事が1日延びれば、東電側に1億円の罰金を支払わなければならないというきまりもあった。GE側は業者の判断によっては違約金の支払いも覚悟していたが、最終的には業者側の直さないという判断を尊重した形になった。でもこの配管を放置しておけば、流れる流体がプラグの突起物のためにスムーズに流れなくなり乱流が生じ、配管の一部が徐々に削られていき、将来に破断する可能性だってある。それが原因で、何十年後かにドカンといくかもしれないのです」


 今回の損傷隠しで、6号機はジェットポンプの配管のひび割れが未修理のまま運転されていることが明らかになっている。このずさんな工事と関係があるのだろうか。
 
◆大型のジャッキで圧力容器を矯正◆


 菊地さんは、6号機を東電に引き渡した後、退社したが、その後も第一格納容器内の配管が破断し、暴走する夢を見たという。


 実際、86年には米バージニア州のサリー原発で、直径45センチの配管が破断する事故が起きた。それまで「配管の破断前には水漏れ状態が続くため、完全破断する前に対策をとれる」ということが「定説」になっていたが、サリー原発では瞬間的に真っ二つに断ち切れる「ギロチン破断」と呼ばれる状態になった。定説を覆す、予期できないことが原発には起きるのだ。


 福島第二原発の3号機のポンプ事故(89年)後、菊地さんは、6号機の配管も、「全部めちゃくちゃだから直すように」と東電本社に直訴した。東電からは一部主要な配管は替えたものの「ほかはちゃんと見ているから、安全です」という答えが返ってきたという。


 「東電はこの配管の問題性をちゃんと認識しているのか。通産省(当時)に報告しているのか。報告しているのなら、通産省がどんな調査をし、どう判断したのか。そのうえで東電は安全だと言っているのか、はなはだ疑問だ」(菊地さん)


 では工事をチェックする立場の国は、何をしていたのだろうか。菊地さんがこう説明する。


 「まったくあてになりませんね。通産省の検査のときに、養蚕が専門の農水省出身の検査官が来たという話も聞いたことがあるほどです。現場では国の検査に間に合わなくて、ダミー部品をつけておいて、検査が終わってから、正規の部品に取り換えるということもやった。もちろん、検査官は気がつきませんよ」


 こんなこともあった。


 東海第二の試運転を前に国の検査があった。だがその前日、電気系統がトラブルを起こし、使えなくなってしまったという。試験当日は国の検査官を前に、作業員が機械の前で手旗信号で合図し、電気が通って機械が作動しているように見せかけた。それでもしっかりと「合格」をいただいたというのだ。まるでマンガのような話だ。本当に、おかしなことを挙げていけばキリがないようだ。


 「いかに国の検査が形式的でいい加減なものかということがわかるでしょう。何よりも問題なのは、いい加減な検査を受けた原発が、いま現在も動いていて、国が安全だとお墨付きを与えているということなのです」

 菊地さんは次々に起きた浜岡原発の事故や今回の損傷隠しを契機に50ccバイクで全国をまわり、自らの体験を生かし反原発を訴えていくことを計画しているという。


 今回の損傷隠しのきっかけは、2年前のGEIIの元技師による内部告発だった。原発に関する内部告発は、じつは14年前にもあった。


 現在、科学ジャーナリストの田中三彦さん(59)がメーカーの不正な工事過程を告発したのだ。


 内容は、田中さんが日立製作所の関連会社のバブコック日立の設計技師だった74年に起こった出来事だった。

 同社は日立製作所が受注した福島第一原発4号機(78年運転開始)の原子炉圧力容器を製造していたが、製造の最終過程でトラブルが起こった。高さ約21メートル、直径約6メートルの円筒形で厚さ約14センチの合金鋼製の圧力容器の断面が、真円にならず、基準を超えてゆがんだ形になってしまったというのだ。


 これも冗談のような話なのだが、容器内部に3本の大型ジャッキを入れ、610度の炉の中に3時間入れてゆがみを直したというのだ。田中さんは当時、原子力設計部門から別部門に異動していたが、急遽呼び戻され、どれだけの時間をかけて、何度の熱処理をすべきか解析作業を担当させられた。作業は国にも東電側にも秘密裏で行われ、ゆがみを直した後、東電に納入されたのだという。


◆国と業界一体で「安全」ゴリ押し◆


 田中さんはその後退職し、88年に都内で開かれた原発シンポジウムで、
 「ジャッキで無理に形を整えた圧力容器が実際に運転しており安全性を心配している」
 と"告発"したのだ。


 田中さんが懸念したのは、ジャッキで力を加えた熱処理による材料の性質の変化などで、それによる原子炉の安全性の問題だった。


 しかし、告発からわずか数日後、東電と日立製作所、そして通産省までもが、

 「問題ない処置だった」

 と口をそろえ、またもや得意の"安全宣言"を出した。


 田中さんはこの経過を90年に出版した『原発はなぜ危険か―元設計技師の証言―』(岩波新書)に詳細にまとめている。田中さんはこう話す。


 「ゆがみの矯正は明らかに違法行為であり、日立側は私との話し合いで、最後まで当時の生データも出さなかった。また告発後、通産省も東電も日立から事情聴取することもなく、すぐに安全宣言を出した。今回の東電の損傷隠しでもこれが繰り返されている」


 なぜ、こうも国はちゃんと調べずに安全宣言を出してしまうのか。そして何よりも恐ろしいのは、この福島第一原発4号機も、その後も十分な検証が行われないまま、今も稼働しているということだ。


 「根本的な問題は、電力業界の体質そのものです。彼らには罪の意識はまったくなく、逆に合理的な判断の上に成り立っていると思っている。それは給電の計画変更などのコストの問題、同じ構造の原子炉を持つほかの電力会社への影響など、結局は電力会社サイドの勝手な都合で決められている。国も『あうんの呼吸』でそれを見守ってきた。国も電力会社も原発が壊れるまで『安全だ』と言うのでしょう。いつかはわからないが、大事故は必ず起きる。早急に脱原発の方向に切り替えるべきだが、その前に、せめて国の技術的なレベルを上げ、原発に対する管理能力をきちんとすべきです」(田中さん)


 最近、70年代半ばに通産省の検査官が逆に東電に損傷隠しを指示した疑惑も報道されている。まさに「あうんの呼吸」を持つ官業もたれ合いの原子力行政そのものであり、「原発は安全だ」と喧伝する中で、官業一体となって「損傷隠し」までしてきてしまったというわけだ。


 いずれにしろ、欠陥だらけの原発が稼働し続けているという、この恐ろしい状態を脱するには、保安院でも東電でもない第三者機関にきちんと調べてもらうしかない。  (本誌取材班)
.


資料を保管しておく意味でアップしています。

すでに、ブログではなくなっていますが、ご容赦を・・・(`・ω・´)ゞ



http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110328-00000302-sasahi-soci


原発元設計者が米メディアで告白 「原子炉構造に欠陥あり」


週刊朝日 3月28日(月)17時27分配信



福島第一原子力発電所の原子炉には重大な欠陥があった--爆発事故を起こした原子炉の設計にかかわった日米の元技術者がそろって証言を始めた。経済性を優先するあまりに小型に造ったため、冷却システムなどに余裕がなく、地震や大規模停電になると爆発しやすいという。今回の地震では、まさにその心配が現実になった可能性が高い。


 現地時間で3月15日、米CNNが、米国を代表する原子炉メーカーであるゼネラル・エレクトリック(GE)の元エンジニア、デール・ブライデンボー氏のインタビューを放送した。白髪に白いひげをたくわえたブライデンボー氏は悲痛な表情でこう語った。


「福島原発の事故は私たちが想定したシナリオよりもはるかに悪い。このままだと、何千もの命が失われる可能性がある。それが怖くてたまらない」


 遠い米国で、なぜ米国人に福島のことがわかるのか? 実は、ブライデンボー氏は福島第一原発の1~5号機で使われているマーク1型原子炉の原設計をした人物だった。(※型の数字はローマ数字、以下同)


 今回、最初に水素爆発を起こした1号機は日本製ではない。1号機の建造が始まった1960年代、日本はまだ自力で商業用原子炉を造っていなかった。このためGEが造った。このあと2号機はGEと東芝が共同で建設し、3、4号機になってようやく東芝や日立製作所が主体で造った。炉心損傷を起こしている1~3号機はいずれも、GEの設計を基にしたものなのだ。


 そしてブライデンボー氏は在職中から、このマーク1の安全性に疑念を抱き、75年に同僚2人とともにGEを退職すると、米原子力規制委員会と共同戦線を張ってマーク1の製造中止を訴えてきた。この3人は、いまでは「GEスリー」と呼ばれている。


 前出の番組でブライデンボー氏はこう語っている。

「マーク1は大規模事故に耐えうるようには設計されていません。冷却システムがギリギリの容量で設計されているため、電力供給が途絶えて冷却システムが止まると、爆発を起こす危険性がある。使用済み核燃料の貯蔵プールも最新型のように自然に冷やされるタイプではないため、電気が切れるとすぐに温度が上がってしまう」


 福島でも地震で冷却システムが止まり、1、3号機はいずれも格納容器の圧力が高まった。使用済み核燃料の貯蔵プールの温度が上がり、消防車などで必死に水をつぎだした。


 まさに氏の指摘どおりだ。一体、このマーク1とはどんな原子炉なのか。


「マーク1が欠陥を抱えているとの米国での指摘は当時から知られていました。格納容器全体の容積が小さいため、炉心部を冷却できなくなって、圧力容器内の蒸気が格納容器に抜けると格納容器がすぐに蒸気でパンパンになってしまう。最悪の場合は格納容器が破裂してしまう心配がありました」


 こう説明するのは68年から77年まで日立製作所の関連会社「バブコック日立」に勤務し、福島第一原発4号機の圧力容器などの設計に関わった田中三彦氏だ。圧力抑制プールを含めたマーク1の格納容器の容量は、新型の「マーク3」の4分の1程度しかない。


「今回、津波による電源喪失などで炉心冷却システムがすべて動かなくなったことで、格納容器が破裂しそうになりました。1号機の格納容器が8気圧になったのがそれを物語っています。運転中の格納容器は中の気体が外へ出ないように1気圧よりもすこし低くしており、設計上も約4気圧までしか耐えられないので、ものすごく大変な事態でした」(田中氏)


 このため東京電力は、格納容器にある「ガス放出弁」を開けて、容器内の圧力を下げざるを得なくなった。そしてこの弁こそ、ブライデンボー氏が会社人生をかけてまで求めたマーク1の安全対策の一つだった。

「80年代後半、私の訴えの一部が認められ、圧力を逃すガス放出弁を取り付けることが義務づけられました」(ブライデンボー氏)


 ガス放出弁がなければ今回、早い段階で格納容器が爆発しただろう。

 しかし皮肉にも、このガス放出弁から出た放射性物質を含む蒸気のために、原発周辺の放射線濃度が上がり、作業員らが被曝している。さらに、炉内で発生した水素ガスも蒸気と一緒に出て、1号機と3号機で水素爆発を起こし、建屋を吹き飛ばした。


 マーク1の欠点はこれだけではなかった。再び、田中氏が証言する。

「圧力容器に付属する再循環ポンプは、重さが数十トンもあるのに支えが不安定で、大地震時に再循環系の配管が壊れないかがよく問題になってきました。もし壊れると、ここから冷却材が格納容器へ噴き出し、『冷却材喪失事故』という悪夢になってしまうからです」


 再循環ポンプは、原子炉内に発生する気泡を取り除くためのもの。最新型では圧力容器内にあるが、福島原発のような古い型では圧力容器の外にある。


「格納容器の圧力の上がり方、水素爆発の起こり方などから推測すると、とくに1、3号機では今回、冷却材喪失事故が起きたように思えます」(田中氏)


 国はこれまで、格納容器の欠点にどれだけ向き合ってきたのだろうか? 

「ガス放出弁について当初は『そんなバカな。格納容器は放射性物質が外に漏れないようにするものだ』としばらく検討していました。設置されたのは90年代に入ってからでした」(同)


 そもそも、40年以上前に設計された原子炉を今も使っていること自体どうなのか。田中氏は言う。


「日本の原発には法的な寿命がありません。設計者は耐用年数を40年としてきました。1号機は40年を過ぎていますが、日本は米国をまね、90年代に入って最長60年まで使えるとの見解を示しました」


 マーク1のコンパクトな設計については、ロシアの専門家は、

「安全性よりも経済性を優先した結果ではないか」
 と、指摘している。ブライデンボー氏もCNNのインタビューで、こう話す。


「社員だった当時、上司にマーク1の廃炉を嘆願すると、上司は『そんなことをしたら、わが社の原子炉部門だけでなく、会社自体がなくなってしまう』と聞き入れられなかった」


 被災から11日後の22日に、福島原発にはやっと電源が回復し、温度計が復活した。1号機の圧力容器の温度が設計限界の309度を超える400度だったことがわかり、東電はあわてて炉内への注水を増やすことにした。しかし、注水を増やすと、それによって発生する蒸気で圧力容器内の圧力が格納容器に抜けて、再び格納容器が爆発する危険が高まることになる。


 小さかった格納容器という欠陥が、今も福島原発を苦しめている。


◆現場作業員が語る「あのボロい原発が・・・」◆


 地震が起きた瞬間、私がいた福島第一原発の建屋では電気が消え、上から電球などいろいろなものが落ちてきました。サイレンが鳴って、「外に避難してください」というアナウンスが聞こえ、大勢の人たちが駆けだしているのが見えました。みんな口々に、

「爆発するんじゃないか」

「放射能にやられるかも」

 とさけび、原子炉から離れた事務本館に殺到。パニックになりました。最初は「落ち着いて」と制止していた警備員も、いつの間にか一緒に走っていました。


 本館で自分の車のカギを取って逃げようとしていると、おそらく東京電力の関係者が、

「帰るかどうか、もう勝手に自分で判断してくれ」

 と声を張り上げていました。もっとも、その本人がだれよりも早く逃げる態勢を整えていたのはびっくりしました。

 車にたどりつき、

「津波らしい」
「すぐそこまで来ているぞ」

 という声を聞きながらアクセルを踏みました。車を少し走らせ、高台で原発の方向を振り返ると、まさに津波が原発に襲いかかっていました。


 これで福島第一は終わりだ、あのボロい原発が倒壊して放射能が漏れたらどうなる--と思うと、背筋がぞっとした。かなり頑丈な建屋が水素爆発で無残に吹き飛んだ姿を報道で見たとき、この考えは間違っていないと確信しました。


 地震の翌日だったか、施設の地下で働いていた作業員2人が行方不明だと聞きました。一人は顔見知りでした。放射能の餌食になっていないか、本当に心配です。


 その後、友人経由で東電の下請け会社からメールが来ました。


〈現在の報道は非常にセンセーショナルで、当社が確認したところでは、そこまで深刻ではないとの回答を東電サイドから得ています。今後、多数の方々のお力を必要といたします。これまでのベースから日給3倍をめどにご賛同をいただける方々を募集しております〉


 3倍なら日給5万円です。より危険な区域を担当したり、経験が豊富だったりすれば10万円という話も聞きました。「もしものときに人手がいるから登録だけでもどうかな」という誘いもあります。


 しかし、応募した人はいないとか。下請け会社の話だと、原子炉への海水注入を迫られた際に東電側は、
「この原発にどれだけカネを使っているのか、知っているのか。原発がなくなれば、お前らの仕事もなくなるぞ。海水を入れて廃炉にするなんて、とんでもない」
 と言い放ったというぐらいの会社ですから。


(本誌取材班=本誌・堀井正明、三嶋伸一、大貫聡子、永井貴子/今西憲之、シャノン・ヒギンス)




「前例がない」というお役人の台詞は聞き飽きているが、まさかこの期に及んでさえ、そうだったとは・・・。



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福島第1原発 東電、ベント着手遅れ 首相「おれが話す」

毎日新聞 4月4日(月)4時0分配信




http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110404-00000005-maip-pol

 東日本大震災から一夜明けた3月12日午前6時すぎ。菅直人首相は陸自ヘリで官邸屋上を飛び立ち、被災地と東京電力福島第1原発の視察に向かった。秘書官らは「指揮官が官邸を不在にすると、後で批判される」と引き留めたが、決断は揺るがなかった。


 「総理、原発は大丈夫なんです。構造上爆発しません」。機内の隣で班目(まだらめ)春樹・内閣府原子力安全委員会委員長が伝えた。原発の安全性をチェックする機関の最高責任者だ。

 第1原発は地震で自動停止したものの、原子炉内の圧力が異常に上昇した。東電は格納容器の弁を開放して水蒸気を逃がし、圧力を下げる作業(ベント)を前夜から迫られていた。班目委員長は「視察の前に、作業は当然行われていたと思っていた」と振り返る。だが、着手は遅れた。

 首相は官邸に戻った後、周囲に「原発は爆発しないよ」と語った。

 1号機でようやくベントが始まったのは午前10時17分。しかし間に合わず、午後3時半すぎに原子炉建屋が水素爆発で吹き飛ぶ。「原発崩壊」の始まりだった。致命傷ともいえる対応の遅れは、なぜ起きたのか。

 ◆        ◆

 11日、東電の勝俣恒久会長は滞在先の北京で震災の一報を知る。心配する同行者に「情報がない」と漏らし顔をゆがめた。衛星携帯で本店と連絡を取り続けたが、帰国できたのは翌12日。清水正孝社長も出張先の関西から帰京できない。東電はトップ不在のまま対策本部を置く。

 一方、官邸の緊急災害対策本部。当初、直接東電とやりとりするのではなく経済産業省の原子力安全・保安院を窓口にした。「原子炉は現状では大丈夫です」。保安院は東電の見立てを報告した。

 しかし、事態の悪化に官邸は東電への不信を募らせる。菅首相は11日夕、公邸にいる伸子夫人に電話で「東工大の名簿をすぐに探してくれ」と頼んだ。信頼できる母校の学者に助言を求めるためだった。

 11日午後8時30分、2号機の隔離時冷却系の機能が失われたことが判明する。電源車を送り込み、復旧しなければならない。「電源車は何台あるのか」「自衛隊で運べないのか」。首相執務室にホワイトボードが持ち込まれ、自ら指揮を執った。

 官邸は東電役員を呼びつけた。原子炉の圧力が上がってきたことを説明され、ベントを要請した。しかし東電は動かない。マニュアルにはあるが、日本の原発で前例はない。放射性物質が一定程度、外部へまき散らされる可能性がある。

 「一企業には重すぎる決断だ」。東電側からそんな声が官邸にも聞こえてきた。復旧し、冷却機能が安定すればベントの必要もなくなる。

 翌12日午前1時30分、官邸は海江田万里経産相名で正式にベントの指示を出した。だが、保安院は実際に行うかどうかについて「一義的には東電が決めること」という姿勢を変えない。国が電力各社に文書で提出させている重大事故対策は「事業者の自主的な措置」と位置づけられている。

 「東電はなぜ指示を聞かないのか」。官邸は困惑するばかりだった。首相は「東電の現地と直接、話をさせろ」といら立った。「ここにいても何も分からないじゃないか。行って原発の話ができるのは、おれ以外に誰がいるんだ」。午前2時、視察はこうして決まった。

 事故を防ぐための備えは考えられていた。しかし、それでも起きた時にどう対応できるか。班目委員長は取材に「自分の不明を恥じる」と言ったうえで、こう述べた。「その備えが足りなかった」

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 東日本大震災から人も国も再び立ち上がるには何が必要なのか。教訓を得るというには重すぎる出来事を後世にどう伝えればいいのか。あらゆる現場を見つめ直し、長い時間をかけて考え続けなければならない。随時掲載する「検証 大震災」の初回は、かつてない原発の大事故に政府や東電が当初どう対処したのかを報告する。【震災検証取材班】





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【原子炉・タービン・トレンチ】汚染水が漏れた様子を図解



「トレンチ」から4万倍の汚染水 2号機

福島第1原発2号機の汚染水の様子



Always Both !!


 東京電力は31日、福島第1原発2号機タービン建屋外の「トレンチ」と呼ばれる立て坑内の汚染水から、1立方センチ当たり1166万ベクレルの放射性物質が検出されたと発表した。運転中の原子炉内の水の約4万倍に当たる高濃度の汚染水が建屋外に漏れ出ていることになる。


 内訳は、ヨウ素131が690万ベクレル、セシウム134が200万ベクレルなど。同原発の南放水口(1~4号機用)近くでは海水から高濃度の放射性物質が検出されており、東電は「トレンチの汚染水との関連性は否定できない」としている。


 また東電は、1~6号機のタービン建屋脇の地下水(地下約15メートルから採取)の分析結果も初めて公表した。4号機は建屋周辺にがれきが多く調査できなかったが、最も高かったのは1号機で、ヨウ素131が1立方センチ当たり430ベクレルと、運転中の原子炉内並みの強さだった。それ以外の地下水からも、放射能はやや低いが核燃料由来とみられる放射性物質が見つかった。


 5、6号機は現在、核燃料が制御可能な「冷温停止状態」にある。地下水から検出されたことについて東電は、他号機の水素爆発などで放出された放射性物質が降下し、地下にしみ込んだとみている。【山田大輔、日野行介】


http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/nuclear/news/20110401k0000m040134000c.html?inb=yt