勇気が必要な時に読む本を3冊取り上げていた。
若い人用の番組です。
小澤征爾の『ぼくの音楽武者修行』
梅崎春生のアンソロジー『怠惰の美徳』
さくらももこの『ゴジゴジ君に聞いてみた』
だったかな。
さくらももこさんの本は、2022年刊だから、読んでいなかった。
梅崎春生の本は、何が収録されているのか、すべては分からないが、雰囲気は分かる。
チョウチンアンコウの話
馬のあくび
の筆致で、物憂い感じの男の内省を綴った文章なのだろう。
で言うと、9,10,11,14あたりの感じだ。
『ぼくの音楽武者修行』と共に、若い頃、読んでいいなと思ったのは、
栃折久美子の『モロッコ革の本』だ。
ヨーロッパに行って、皮製本を学ぶ生活の記録だ。
花布(はなぎれ)を糸でページに縫い付けるなど、想像を超えた作業を知った。
ここからは、おまけ。
しばらくの間、私の中では、
『チャリング・クロス街84番地』の著者がカーソン・マッカラーズになっていた。本当の著者は、ヘレーン・ハンフ。
この本の訳者は、江藤淳で、田宮虎彦をかなり攻撃した人の一人で、余りよい記憶ではなかったのだが、最近は、江藤淳が、戦後のアメリカによる思想統制を忌々しく思っていたのを知り、父長制を批判していた田宮だから、より一層筆が厳しくなったのかもしれないと思うようになった。
あの世に行っても、まだやり合ってるか、そっぽを向いているのかと心配だ。
江藤淳は奥さんに先立たれ、田宮虎彦は半身不随になり、
お二人とも、自死してしまった。