フェアトレードの事ではないこと。
それは、四つの場面
一つ目。
少し前まで通っていたコーヒー豆屋さんの話。
私は豆を挽いた時に出るコーヒー豆の皮をフーフー吹いて飛ばす話をしたら、「焙煎してる側からですが、その皮も一緒に召し上がってください。複雑な味の一部になっていて、皮も含めて焙煎しています。それらを取り除く機械もありますが、それを使うと味が単調になってしまいます」
二つ目。
これも、喫茶店主の仕事の手順。
この方も、皮が気になってのぞく主義の人でした。カメラのレンズのほこりを吹き飛ばす、筆の付いた空気ポンプのゴムのポンプの部分で、シュッ、シュッと皮を飛ばしてました。
三つ目。
青森県の農業高校の生徒さんの話。
農業高校では、生徒一人一人にリンゴの木の世話を任せ、育てていた。その生徒さんが「リンゴの実が生って収穫すると、その実が愛おしくて、皮は勿論、芯も食べて、枝とつなげている軸も噛み砕いて食べる程です。」と話していた。普通の人は捨ててしまう部分でさえ、自分に取り込んでしまう気持ちに感動した当時の心がまだ残っている。
四つ目。
キャンプでのカレー作り。
野菜や肉を煮て出た灰汁(あく)をお玉ですくう時、
「僕は、この灰汁も、大事な物が含まれていると思うので、取らずに一緒にカレーにします。」
とある人が言われた。
これは、当たっていたな。
抗酸化成分が含まれているので、灰汁を取ってしまうのは、残念な行為です。
料理人が灰汁を取るのは味優先なので、仕方がない事ですが…。
コーヒー豆を挽いた時に出る皮の破片は、大切な何かが含まれているのだろうと今は考えています。