銀座は鉄砲洲神社の夏祭り。御旅所に戻る神輿を名残惜しそうに担ぐ氏子たち。もう夏だなあ~

「伽羅先代萩」伊達藩のお家騒動を描いた舞台。歌舞伎の舞台をセーブするようになった玉三郎の後を継ぐ、立女形の菊之助。(立役も良いけどね)政岡の性根を表すのか、目元がきりっとした化粧。

今回も、「御殿」と「床下」のみ。「御殿」は、お家騒動の最中、幼い若君の毒殺を恐れた政岡が茶道具を用いて自ら炊飯作業を行う「まま炊き」、政岡の子、千松は若君を守ろうとして嬲り殺しにされるシーンが続く。
眼前でわが子を殺されても動じない政岡に、乗っ取り側の栄御前は連判状を手渡す。そこへ突然鼠が現れ、連判状を加えて逃げていく。

舞台の御殿が大仕掛けに動き、床下の木組みが現れ、若君側の忠臣・荒獅子男之助(凄い名前)が鼠と対決しているが、やがて花道のスッポンに消える。
焦げた臭いの煙がモクモク・・・やがて連判状を加えた悪の親玉仁木弾正が現れ、妖しい魔力を振り向きながら引っ込む。ろうそくの照明に浮かぶ弾正の影がおどろおどろしい。

この先を知って安心したいのに。「対決」と「刃傷」を続けてやってくれ~


「四千両小判梅葉」幕末、実際に起きた江戸城の御金蔵破りを、黙阿弥が仕立てた芝居。
申し訳ないが、所々眠ってしまった。

主人公の富蔵(松緑)は、御金蔵破りには成功し四千両という大金を盗み出したが、結局捕縛され、加賀から江戸へ唐丸駕籠で送られる羽目に。

雪の降り積もる熊谷近くの土手で、離縁状を渡した筈の妻子が父親(舅)とともに駆けつけて、別れを惜しむ。余程良い夫、父親、婿だったのだろうか、自分から御金蔵破りを仲間に提案するところからは、イマイチ信用ならないのだが。

うつらうつらするうちに舞台は小伝馬町の牢となり、獄門磔の言い渡しへ。
長い芝居だが休憩時間なし。お陰で終演後のトイレの行列が半端ない。